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Interview

突撃インタビュー

2013/4/11

ベルトレ社 ボルトリン氏

スプマンテ評価誌で最高賞獲得!プロセッコの実力派「レ ベルトレ」突撃インタビュー

社屋の前で記念写真
ベッレンダの訪問後、プロセッコ地区を東から西へと車を走らせ、ヴァルドッビアーデネにあるベルトレへと向かいました。ベルトレはスプマンテ評価誌でカデルボスコやフェッラーリなどの大御所と並ぶ最高賞の評価を受けるほどの実力派。まだ若い造り手のベルトレがどのようなポリシーでワイン造りをしているのか、この目で確かめてきました。

プロセッコのクリュ「カルティッツェ」は80もの生産者が畑を所有

急斜面のブドウ畑朝から降ったりやんだりの雨模様。聞けば3月からずーっと雨が続いているそうで、この日もいつまた降り出すかわからないので先に畑を見に行くことになりました。

まず最初に案内してもらったのがプロセッコのクリュ「カルティッツェ」。ボルトリン氏(以下ベルトレ):カルティッツェは全部で106haあります。私の祖父が1930年にカルティッツェの土地を購入して、今は3つの区画、全部で1.3haの畑を持っています。カルティッツェは全部で80の生産者が所有しているので1社大体1ha程度ですね。

カルティッツェはご覧のように非常に急斜面の区画です。斜面の向きは南向き。だからここは1日中、日光がよく当たる最高の条件となっています。

トスカニー:カルティッツェの土壌はなんですか?

ベルトレ:地表から50cm程は粘土質。その下は大きな石が層になっています。あそこにも見えますが、本当に巨大な石ですよ。

急斜面であり、粘土質であることから水はけが良いのと同時に常時程よい水の確保ができることから、ブドウの生育は非常にバランスがとれたものになるそうです。ふくよかでエレガントな果実が造られるので伝統的に残糖値の高い「ドライ」タイプとして造られています。

プロセッコのフルーティーなアロマを生かしたいから「ブリュット」でもあえて辛口すぎないように造る

(醸造所にて)
トスカニー:ベルトレのブリュットの残糖値は12g/リットルで、ブリュットの基準値ぎりぎりですよね。エクストラドライも17g/リットルでやはり基準値ぎりぎりです。理由はなんでしょうか?

プロセッコ ヴァルドッビアーデネスペリオーレ ブリュットベルトレ:プロセッコはフルーティーなアロマが特徴のブドウです。その良さを生かすために辛口すぎないように仕上げています。それぞれのカテゴリーぎりぎりにしているのはそのためです。だから他のブリュットに比べてやや甘く感じるかと思います。
※写真 プロセッコ ヴァルドッビアーデネスペリオーレ ブリュット

生産者の中にはブリュットよりもさらに辛口のエクストラブリュット(残糖値が0~6g/リットル)を造るところもありますが、お店などで見てみると、好奇心で1杯は飲むけど、2杯目は欲しがらない。だからそこまで辛いものを消費者は求めていないと思いますね。

コリナリス プロセッコ ヴァルドッビアーデネスペリオーレ エクストラ ドライトスカニー:なるほど、そうだったんですね。ところでブリュットとエクストラドライですが、ブドウはどうやって選んでいるのですか?

ベルトレ:ストラクチャーがあって酸が多いものはブリュットに使います。エレガントな要素が多いものはエクストラドライにしています。
※写真 コリナリス プロセッコ ヴァルドッビアーデネスペリオーレ エクストラ ドライ

スプマンテ評価誌で最高賞のスプレーメ

カルティッツェに次ぐフラッグシップの「スプレーメ」。これはサッコールというエリアの畑のブドウを厳選して造っています。日当たりが良く、昼夜の寒暖差の激しい畑で造られているのでアロマ豊かなふくよかな味わいとなります。
スプレーメ プロセッコ2012

試飲
コメント

今回試飲したのは2012ヴィンテージ。クリーミーなやわらかな繊細な泡が口の中にふわ~っと広がる心地よさ。果実感と酸のバランスが抜群で優しい甘さとのコンビネーションが最高。エクストラドライやブリュットタイプのプロセッコが一般的には多いのですが、プロセッコの特徴を生かしたこのドライタイプのスプレーメはプロセッコの素晴らしさを実感することができる、感動的な味わいです。

インタビューを終えて

プロセッコの特徴を最大限に生かすためのベルトレのポリシーは明確で、それだけにブリュット、エクストラドライ、ドライの味わいの違いを楽しむことでプロセッコの世界の広がりを感じることができると思います。

コネリアーノからヴァルドッビアーデネにかけての丘陵地一帯がDOCGの認定地域。DOCGの表記のルールはそのためコネリアーノでもヴァルドッビアーデネでもよく、もちろん両方表記してもOKという統一されたルールではありません。ベルトレはヴァルドッビアーデネの造り手としての誇りから「ヴァルドッビアーデネDOCG」としています。

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