突撃インタビュー
2016/11/16
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スピネッタ社 ジョルジョ リヴェッティ氏
完璧なバランスを誇る美しきバルバレスコ&バローロ!ラスピネッタ社リヴェッティ氏突撃インタビュー
父から学んだ「ブドウへのリスペクト」
ラ スピネッタ社はピエモンテの方言で「丘の頂上」を意味します。カスタニョーレ ランツェで父が1977年に創業しました。元々は白ワインのモスカート種の造り手として名を馳せていて、イタリアで初めて単一畑のモスカートをリリースする等こだわりの造り手としても有名でした。父は実直な性格でブドウに対しても人と接する時と同じようにリスペクトをもってブドウ栽培、醸造を行っていました。父の考えはラスピネッタ社の基礎となり、偉大なワインを造る為にブドウ、特にピエモンテの土着品種をリスペクトしています。
「いかに高品質のブドウを育てるか」にかかっている
1985年から本格的に赤ワイン醸造をスタート
ラスピネッタ社は高品質のブドウ造りを追求し、1985年から本格的に赤ワイン醸の醸造を始めます。まずバルベーラ100%の「カ ディ ピアン バルベーラ」を醸造します。1995年にはクリュバルバレスコである「ガッリーナ」の醸造を始めます。96年に「スタルデリ」、97年に「ヴァレイラーノ」、2000年になってバローロ北東部、グリンツァーネ カブールに畑を購入し、初のバローロである「カンペ」の醸造をスタートしました。
スピネッタのトレードマークであるサイのラベル
力強く突き進むサイと百獣の王ライオンのラベル
スピネッタのトレードマークであり、バルバレスコのラベルに使われているサイは1995年から採用しています。
ルネサンス期に活躍したドイツの画家アルブレヒト デューラー(1471-1528))の作品です。力強く、進む方向を決めたらまっすぐ突き進むサイの絵をいたく気に入っていたことによります。スピネッタのバローロに使われているライオンも同じくデューラーの作品です。
ルネサンス期の天才画家デューラー
1515年に、生きているサイがポルトガルインド総督からポルトガル王に贈られました。実物のサイがヨーロッパに初めて届いた話題性もあり、サイの記述がスケッチと共に、ドイツにも直ぐ届きました。デューラーはそのスケッチを参考に、実際にサイを見ないで素晴らしい版画に仕上げた名作で、その後300年にもわたり、生きているサイを実際に見ることができるようになっても、デューラーの作品を画家達は模写するほど完成度が高い作品だったと言われています。
実際にサイを購入したリヴェッティ氏!
リヴェッティ氏が今回新たに教えてくださったのが、今から3年半前に産まれたばかりの本物のサイを購入たそうです!名前をクリュバルバルバレスコと同じ「スタルデリ」と名付けたそうで、現在はドイツの動物園からロンドンの動物園に移っているそうで飼育費の一切を負担しているそうです。サイを実際に購入してしまうジョルジョ氏にビックリしました・・
バルバレスコとバローロのテロワールの特徴
すべてのバルバレスコに同じ醸造法で造るのでクリュ毎の特徴が如実に表れます。最も樹齢が若いボルディーニで40~45年です。中には樹齢80年近い畑もあります。テロワールの異なる畑の表現に注力していて、「ガッリーナ」は女性的なスタイルでバラやユーカリ、ミントの香りがあります。「スタルデリ」は筋肉質で男性的な果実味があります。「ヴァレイラーノ」は一番南に位置する畑ですが、標高が最も高く、高い熟成能力とポテンシャルがあります。
真南を向く単独所有畑「ガレッティ」
バローロ北東部に位置するグリンツァーネ カブールのヘクタールの畑はバローロ地区の畑でも非常に珍しい真南を向いています。クリュバローロである「ガレッティ」はラスピネッタ社が単独所有しているクリュです。非常に恵まれた区画です。その中にある最上の区画から産まれるバローロがラスピネッタ社の最高峰クリュバローロ「カンペ」です。「カンペ」に使用されなかった若木や標高の低いブドウで「ガレッティ」としてリリースしますが、それでもガレッティに使用されるブドウの平均樹齢は30~35年です。
種や皮も熟した健全なブドウのみを使う
一昔前のバローロは飲み頃なるまでとても時間を要するものが多かったです。私が造るワインは若いうちからでも楽しめ、当たり年ともなれば向こう50年経っても楽しめます。早くから楽しめる要因の一つは熟した健全なブドウのみを使っているからです。樹齢の高さ由来のブドウの凝縮感もありますが、実の完熟だけでなく、皮や種まで完熟を迎えているかどうか、私自身でチェックして収穫時期を決めます。
「ワイン造りの90%は畑での仕事にある」
ラスピネッタ社は「ワイン造りの90%は畑での仕事にある」と考えます。その為ブドウには最大限の注意を払います。ブドウ畑は会社が購入する前から存在していたため、自然に従うのが最も良い栽培法であると考えます。化学薬品の使用は最小限に控え、夏期にまだ色づかない段階でグリーンハーベストを3度行い、収量を厳しく制限しています。
「一般的な収量の1/3以下に抑える」
一般的なバルバレスコが1ヘクタールあたり8000本程生産するのに対し、ラスピネッタ社はヘクタールあたり2000~2500本に抑えています。このように収量を抑えることで土地の特徴、個性を十分に表現し、糖分、果汁、果実味の凝縮したワインが産まれてきます。
完璧なバランスを持つ非の打ちどころないスピネッタのバルバレスコ「ボルディーニ」
最上級カンペバローロの弟分!スピネッタが造る注目のクリュ「ガレッティ」
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ブラックチェリーや、ミント、ハーブ、の複雑で力強い香りがグラスから広がる。飲むと、充実した果実感とスパイスやナッツ、タバコの豊かな風味が現れてきます。絹のようなシルキーなタンニンがあり、完成された調和を魅せています。
最もエレガントな味わいのスピネッタのクリュバルバレスコ「ガッリーナ」
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熟したプラムやブルーベリーのアロマに、フローラルな花の香り、スパイス、レザーのニュアンスが溶け合い凛とした美しさを感じます。飲むとタンニンは確りとしたものですが、果実の豊かさと相俟って既に素晴らしい調和を形成しています。粗さやブレは無く、細部に至るまで隙のない洗練された滑らかさと、バルバレスコの力強さが共存するエレガントで豊かな味わいがあります。
力強くエレガンスに溢れる2011年!スピネッタのバルバレスコ スタルデリ
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プラム、バラの花束、スパイスとレザーの香りが広がります。果実の魅惑的な深みと骨格の確りとした深い味わいがあります。中盤から広がるスタルデリらしい力強さが感じられるが酸とミネラルのバランスも取れていて美しいスタイルが魅力的です。
もっとも標高の高い畑で造るスピネッタのクリュバルバレスコ複雑で退廃的な魅力の果実感
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深いルビーの色調に、バラ、チェリー、セージやユーカリの香りに、リコリス(甘草)や革のニュアンスがしっかりと感じられます。厳格で密度のあるタンニンがありながらもしなやかな味わいがあり、美しい調和と風味豊かな余韻が長く続きます。
樹齢50年超の恵まれた区画「カンペ」バローロ!堂々たる存在感を放つ深い味わい
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輝きのある濃いルビー色です。熟したチェリーや赤いベリーの香りが広がります。飲むと骨格の確りとしたボディと濃密な果実感と酸の見事な調和があり、粗さやブレは無く、力強くもエレガントで高貴な余韻が感じられる、堂々たる存在感を放つ味わいの深さがあります。少なくとも2時間前には抜栓し、ブルゴーニュ型のグラスで楽しんで頂くとより豊かな風味が味わえます。
「ラ スピネッタ」の名を世界に知らしめた最上級のモスカート
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「ブリッコクワリア」と言う名前の単一畑で造られるクリュモスカート。ミネラルの香りがたっぷりとする清涼感に始まり、アカシアの蜂蜜の香り、奥行きのある複雑な甘みはどこかきりっとひきしまったような感じも。後には、草原の香り、キャラメルの香りがかすかに残る、長い余韻が感じられます。調な単甘さではなくエレガントで、上質なモスカート ダスティ。
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レッドチェリー、ラズベリーのフレッシュな果実にフローラルな花のニュアンスとスパイスの香りが上品に寄り添います。豊かなタンニンは感じますが、粗さは無く果実感との素晴らしい調和が感じられます。果実感は美しい酸と相俟って流麗で魅力的なスタイルとなり、余韻かけてエレガントな風味が長く続きます。