突撃インタビュー
2021/07/27
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パオロ コトロネーオ氏 Mr. Paolo Cotroneo ヴィンチェンツォ メルクリオ氏 Mr. Vincenzo Mercurio
自社畑・土着品種・有機栽培で「ここにしかない」テロワールを鏡のように映し出す造り手!地元カンパーニャ愛が詰まった唯一無二のワインを生産する「ファットリア ラ リヴォルタ」突撃インタビュー
1997年の世代交代により、カンパーニャの固有品種に尽力して躍進を遂げた「ファットリア ラ リヴォルタ」
「自社畑」「土着品種」「有機栽培」で、“ここにしかない”ベネヴェントのテロワール全てを表現
ラ リヴォルタは、自社畑で土着品種のみの栽培にこだわり、かつ有機栽培で生産を行い、ベネヴェントのテロワールを100%表す稀有な造り手です。畑は、標高250~500メートルで粘土石灰質土壌。カローレ川に向かってなだらかに広がります。冬は厳しく夏は温暖で、1年通じて常に北風が吹き抜けるため、昼夜の寒暖差があります。これにより凝縮感がありアロマ豊かなブドウが栽培できる理想的なミクロクリマを生んでいます。ベネヴェント内でこの標高の高さを誇る畑は非常に少なく、川に向かってどんどん標高が低くなり粘土質が薄れていきます。このことから、ラ リヴォルタの畑が希少で恵まれていることがわかります。
土着品種というカンパーニャの財産、個性を引き出すことに情熱を注ぐラ リヴォルタ
現オーナーのパオロ氏に、カンティーナを受け継いですぐに土着品種に専念した理由を伺いました。
「イタリアほど多くの土着品種を持っている国は少ないです。その土着品種を生かさない手はありません。97年以前、自社畑には“イタリア”の土着品種も植えられていました。しかし、私がオーナーに就任して以来、それすらもやめてカンパーニャの品種だけに専念しました。私たちが、ここカンパーニャにいるという資産、財産を生かしたかったのです。私はワインの血(情熱)を持って生まれてきました。フランスなどを旅行していくうちに、ワインがどんどん好きになっていき、ワインの世界により情熱を持つようになりました。土着品種の財産を生かすことも情熱の一部なのです」
2009年からエノロゴを務めるヴィンチェンツォ氏のアイディアで、木樽の使用を極力避けています。これは、土着品種の個性をそのまま生かすため、自身の土地の特徴を最大限に反映させるためのものです。これにより、土着品種のそれぞれの特徴がワインに映し出され、この土地にしかない味わいが表現されています。グレコはとても明るい親しみのある味わい、フィアーノは熟成可能で複雑な香り、アリアニコはとてもなめらかでシルキー。どのワインにも共通する特徴は、酸味、ミネラル感、そして豊かな香りです。
「私の人生の哲学はビオです」と話す、薬剤の仕事をされていた過去を持つ現オーナーのパオロ氏
ラ リヴォルタを手掛ける前、現オーナーのパオロ氏はナポリで薬剤関係の仕事をされていたそうです。そういった過去をお持ちだからこそ現在の有機栽培があるのかと問うと、こう答えていただきました。
「そうですね。有機栽培のアイディアは自然と湧き出ましたし、化学物質の知識が高いこともあってすぐに思いつきました。私の人生の哲学はビオなんです。普段からビオ食品を食べていますし、何より健康が一番なので有機栽培は大事だと思います」
もう一つの哲学「ガストロノミア」。どんな食事にも合わせられるワイン造り
パオロ氏とヴィンチェンツォ氏は日本食にも興味を持っているようで、グレコを試飲する私たちに「このグレコには、どういう日本食が合うと思いますか?」と逆質問。私たちが「ナスの煮浸し」「天ぷら」「とんかつ」「チキンカツ」などと答えると、「なるほど」と納得している様子でした。
パオロ氏から以下のペアリングをお勧めしていただきました!
タブルノ グレコ
ロブスターやカニなどの甲殻類/野菜類全般/フレッシュチーズ
サンニオ フィアーノ
リゾット/冷製パスタ/乳製品(特にモッツアレラ)/蒸し野菜/デザート
ソーニョ ディ リヴォルタ ベネヴェンターノ
熟成チーズ/白身肉/魚スープ
ピエディロッソ
シンプルな料理/トマトソースパスタ/ピザ
ファットリア ラ リヴォルタ
どんなお料理にも合わせやすい!『サクラアワード2021』ゴールド受賞!
ファットリア ラ リヴォルタ
リンゴやハチミツを思わせる果実のニュアンス!甲殻類との相性が抜群!
試飲
コメント
非常に濃い黄金色。抜栓後の香りは繊細でしたが徐々に力強さが現れます。白い花、ミント、柑橘系の皮、レモン、アーモンドの香り。レモンなど柑橘系のフレッシュな酸味とミネラルが豊富な味わい。
ファットリア ラ リヴォルタ
完熟系果実と美しい酸が際立つ「サンニオ フィアーノ」2017年!
ラ リヴォルタが造る長期熟成ポテンシャルを秘めた白!
試飲
コメント
黄金に近い麦わら色。桃やハチミツ、完熟系果実の香り。口あたりは柔らかくエレガント。味わいはとても複雑で、フレッシュでありながら日本の柑橘系(ミカンやデコポンなど)の奥行きのある旨味を感じます。
ファットリア ラ リヴォルタ
複雑な香りとしっかりとしたボディ!
ファランギーナを主体にフィアーノとグレコをブレンドして造る「ソーニョ ディ リヴォルタ」
試飲
コメント
麦わら色に近い美しい黄金色。香りは複雑です。第一にフローラルと完熟系のフルーティな香りがあり、後から追ってスパイスやハチミツなどの甘い香り、白コショウ、石などのミネラルも現れます。しっかりとしたボディでまろやかな飲み口、ハーブやハチミツを感じる風味です。香りと味わいのバランスが非常に優れています。
ファットリア ラ リヴォルタ
年々生産数が減少するカンパーニャの古代品種ピエディロッソ100%!
プラムなどのベリー系果実にほのかなスパイスの香り
試飲
コメント
プラムやチェリー系果実のフレッシュな香り。白コショウなどのスパイスもあります。香り同様、フレッシュな果実味を感じる軽やかな飲み口。香りと味わいのバランスが非常に優れているクオリティの高いワインで、シンプルなトマトソースパスタと合わせたい逸品。
ファットリア ラ リヴォルタ
アリアニコ種由来の果実味とスパイスの余韻が溶け合う味わい!
試飲
コメント
透明感のあるルビー色。香りはとても複雑です。プラム、チェリー系果実、木樽由来の甘いスパイス、ジャスミン、白い花、ハーブ、白コショウ、石などのミネラルな香り。「タブルノ ファランギーナ」2019年のように、口に含むと直線的でフレッシュな酸味が舌上を走ります。調和のとれた味わいで、果実味とスパイスの余韻と程よいタンニンが溶け合います。
ファットリア ラ リヴォルタ
リヴォルタがベネヴェントの“土地”を表現した最高級赤ワイン「テッラ ディ リヴォルタ」
「私たちの土地と品種の力全てをこのワインに注ぎ込む」
試飲
コメント
透明感のあるルビー色。「アリアニコ デル タブルノ」2017年に力強さと複雑さがさらに増した香り。プラム、ジャム、凝縮した果実、木樽由来の甘いスパイス、ジャスミン、白い花、ハーブ、白コショウ、石などのミネラルな香り。パワフルかつまろやかな味わいで、豊かな風味の余韻が長く続きます。
インタビューを終えて
山の麓で標高が高く寒暖差があり、粘土質を豊富に含んだエリアに位置するラ リヴォルタ。そのカンティーナ周辺にはあまり造り手がいないそうです。そう考えると、今回、ラ リヴォルタのワインを試飲し、“ここでしか生まれない”ベネヴェントのテロワールを感じることができたのは、非常に貴重な体験だったと思います。
パオロ氏は、オーナーに就任してすぐに土着品種のみの栽培を開始しました。木樽の使用を極力減らすなど、品種の特徴をそのままワインに反映させています。また、品種の成分を分析したり、直近では他の造り手のフィアーノ(83年ヴィンテージ)を試飲したりするなど、土着品種に対して非常に研究熱心だと感じました。
ラ リヴォルタは、カンパーニャ州ベネヴェントのテロワールの特徴を表現する数少ない造り手です。飲み頃の早さと長期熟成を併せ持ち、地元愛が詰まったラ リヴォルタのワインをぜひお楽しみください。
試飲
コメント
輝きを持った麦わら色。香りは力強さと華やかなアロマがあります。アーモンド、白い花、柑橘類、桃、ハーブ、後から仄かにムスクの香り。口に含むと鮮やかな酸味がスッと舌の上を駆け上がり、際立つミネラルを感じるキリっとした飲み口。存在感のある柑橘系の味わいが口中に広がります。