TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2019/03/11

デルテット社 カルロ デルテット氏

エレガントで華やかさに富む模範的なアルネイス&美しきネッビオーロ!実力派若手生産者「デルテット」

デルテット社 カルロ デルテット氏と
『ベーレベーネ』2016でアルネイス「ダイヴェイ」がオスカーを受賞し、若手ながらイタリア国内で大注目されているデルテットはピエモンテ、ロエロ地区で3代続家族経営のワイナリーです。バローロやバルバレスコ地区に勝るとも劣らないとワイナリーが自負する優れたテロワールを有するデルテットのワインはエレガントさと華やかさあり、プロフェッショナルからも信頼を得ています。特にピエモンテの一流リストランテ「ピアッツァ ドゥオーモ」「イル チェントロ」等でも評判が高く、一番厳しい目を持った地元のプロフェッショナル達にバイザグラスとして選ばれ、ブドウの豊かな味わいと要所を抑えたミネラル、酸味がバランス良く感じられる実に優美な味わいがあります。ロエロで産まれロエロで育ったこの地を知り尽くすカルロ デルテット氏にお話を聞きました。

1953年ロエロ地区カナーレにワイナリーを設立

家族1953年ロエロ地区カナーレにワイナリーを設立
まず私達の家族についてお話しましょう。ワイナリー名になってる「デルテット」とは私達家族の名前で、代々ブドウ栽培や果樹、畜産などを行っていましたが祖父のカルロ デルテットが1953年にワイン造りに専念し、ロエロ地区カナーレにワイナリーを設立しました。以降代々ワイン造りを行っています。1977年に2代目で父アントニオ デルテットがワインの仕事に従事し始め、3代目の私が2003年にワイナリーに参画しました。

収穫「先代が造り上げた伝統と自分達の土地をリスペクトする」
今は私と両親、2人の妹とワイナリーを運営しています。妻はバルバレスコの名門カ デルバイオ社のパオラです。子供たちが4代目になると思います。祖父は2017年に亡くなりましたがそれまでずっとワイナリーを牽引してきました。ワイナリーの哲学は「先代が造り上げた伝統と自分達の土地をリスペクトする」事を第一に考えています。

ロエロのシンボルである車輪をロゴに使う
現在所有する21ヘクタールの畑は本拠地ロエロを中心に広がり、この地区を代表する白ブドウのアルネイスや黒ブドウのネッビオーロを主体にバルベーラやスプマンテ用のピノ ネロ、シャルドネを栽培しています。ロゴに車輪のマークが描かれていますが、これはロエロのシンボルです。かつてこの地を治めていた伯爵家の紋章(3つの車輪)から由来しています。ロエロにある多くの生産者も車輪をロゴに使っていますね。私達はごく普通の家柄なので車輪を3つ付ける事はおこがましいので、一つにしています(笑)畑大

偉大な赤ワインと白ワインがある産地DOCG「ロエロ」

地図偉大な赤ワインと白ワインがある産地DOCG「ロエロ」
地図をみましょう。ランゲ地方の地図です。中心にアルバがあって、バローロ、バルバレスコエリアの北にロエロ地区があります。ロエロ地区のカナーレの南東にデルテットのワイナリーは位置しています。カナーレはロエロで一番大きな街になりますが、それでも人口は僅か5000人程です。

貝殻ブドウ栽培に適した特別な砂質土壌
ロエロというDOCGは特別、ある種「変わった」特徴のあるDOCGだと思います。偉大なワインは赤がまず想像されます。ロエロには赤ワイン、そしてアルネイス、赤白のワインがある事です。偉大な赤ワインと白ワインがある産地はとても稀だと思います。イタリアの中で同じ名前で白と赤のDOCGがあるのはロエロだけです。それはロエロにはブドウ栽培に適した特別な砂質土壌があるからです。畑を掘り返すと貝殻がいっぱい出てきます。元々海だった場所です。このようなテロワールから産まれるロエロのワインはエレガントさがあります。砂質土壌が白ワインにも赤ワインにもエレガントさを与え、豊かな香りを産み出します。

最も古いアルネイスが植えられた畑「ダイヴェイ」

畑小砂質最も古いアルネイスが植えられた畑「ダイヴェイ」
アルネイスが栽培されているカナーレ村の畑「ダイヴェイ」はワイナリーの目の前ある、カナーレ村のアーチ状に広がる4ヘクタールの畑です。「ダイヴェイ」はピエモンテの言葉で「古くからの」という意味です。ワイナリーで最も歴史のある白ワイン「アルネイス」が植えられています。土壌は砂質がより多く含まれていて、香りの豊かさや味わいのシャープさを最大限引き出しています。また、より凝灰岩が多く含まれる土壌では「サンミケーレ」という名のワンランク上のアルネイスも造っています。「サンミケーレ」よりミネラリーで骨格の確りとしたワインとなっています。

一方、北へ10キロ圏内にある僅か1ヘクタールのサント ステファノ ロエロ村は全く性格の違う石灰質の土壌。大地も白っぽくなっています。急斜面に植えられ太陽の受けが非常に良いです。ここでは長期熟成を目指したネッビオーロが植えられています。

キレとエレガントさが共存した模範的なアルネイス

ワイナリーの目の前ある、カナーレ村のアーチ状に広がる4ヘクタールの畑です。「ダイヴェイ」はピエモンテの言葉で「古くからの」という意味です。祖父が産まれた母屋があった場所です。ワイナリーで最も歴史のある白ワイン「アルネイス」が植えられています。土壌は砂質がより多く含まれていて、香りの豊かさや味わいのシャープさを最大限引き出しています。2017年からビオロジック認証が付きました。
ロエロ アルネイス ダイヴェイ2017

試飲
コメント

輝きのある明るい麦わら色。リンゴや西洋梨の清々しい香りに白い花や綺麗なミネラルのニュアンスが重なります。フレッシュな口当たりでシャープな酸味と滑らかな果実感が上品に溶け合い、実に清らかな印象です。クラシカルで落ち着いた旨味、軽やかながらも要所を外さない味わいの深さも感じられます。キレとエレガントさが共存した模範的なアルネイスのスタイルが十分に感じられました。

ロエロのエレガントさが感じられるバルベーラダルバ

ブラーメとはピエモンテ方言で、「望み」と意味があります。次のグラスも思わず欲しくなる、そんなワインである事を表現しています。通常のバルベーラよりも1年長く熟成させています。3500リットルの大樽(旧樽)を使いピエモンテの伝統的な造り方を踏襲しています。
バルベーラ ダルバ スペリオーレ ブラーメ2016

試飲
コメント

飲み心地が良くエレガントです。ピエモンテにおいてネッビオーロは男性的、バルベーラは女性的と味わいについて形容される時があります。このワインはバルベーラらしい「円やかさとエレガントさ」がありますが、もうひとつ重要な事として「繊細さ」を持っている事です。ロエロという土壌がもたらす繊細さです。複雑味もあるのですが、アロマとフレッシュ感がしっかりと感じられロエロの特徴が出てきています。

タンニン、果実味が綺麗に溶け合う上質なネッビオーロ

ネッビオーロ100%のワインです。ロエロの特徴である「エレガントさ」を感じて頂けると思います。ネッビオーロにとってタンニンは非常に重要な存在で、その要素が溶け合うには時間が必要なので、木樽で熟成させることが重要なのです。2015年は2年間大樽熟成後、6カ月間瓶内熟成を行いました。

※こちらの商品は終売となりました。ロエロ ロッソ ゴッリーニをお楽しみください。
ロエロ ロッソ ゴッリーニ2015

試飲
コメント

ダークチェリーに上品なカカオのニュアンスが綺麗に重なります。ふんわりとした優しい果実の深みとソフトでしなやかな酸と滑らかなタンニンが見事に溶け合い、非常にエレガントなスタイルです。ネッビオーロの素性の良さを感じさせる丁寧に造られた印象を受けます。赤みの肉料理と相性がよいですが、和食でカツオやマグロのヅケといった鉄分を感じさせる魚料理とも見事な相性を魅せてくれる非常にスムーズな飲み心地を有しています。

インタビューを終えて

2003年からワイナリーに参画した3代目カルロデルテット氏の「先代が造り上げた伝統と自分達の土地をリスペクトする」という真っすぐな思いが印象に残るインタビューとなりました。伝統的なロエロワインのもつエレガンス、華やかさがしっかりと感じられる真面目なワイン造りが魅力的な生産者で、試飲した模範的なロエロアルネイス「ダイヴェイ」は果実の深みと香りの表現力が豊かで、年々レベルが上がっている印象を受けました。

カルロ氏も「イタリアの中で同じ名前で白と赤のDOCGがあるのはロエロだけです。それはロエロにはブドウ栽培に適した特別な砂質土壌があるからです。このようなテロワールから産まれるロエロのワインはエレガントさがあります。砂質土壌が白ワインにも赤ワインにもエレガントさを与え、豊かな香りを産み出します」とロエロの素晴らしさを伝えてくれました。

同じピエモンテのバローロ、バルバレスコに隠れがちなロエロのエリアですが、試飲したワインは滑らかでエレガントさが光る美しい味わいでした。それでいてデルテットのワインは価格は非常に良心的。幅広く食事にも合わせやすい懐の深さもあり、デイリーで楽しむ素晴らしいピエモンテワインの一つだと思います。是非お試しください。
デルテット社 カルロ デルテット氏とトスカニースタッフ

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