TUSCANY イタリアワインとグルメ食材の店
Interview

突撃インタビュー

2019/03/06

カサノヴァ ディ ネリ社 ジャンロレンツォ ネリ氏

真のワイン愛好家がこぞって狙う世界最高評価ブルネッロ!不動の地位を築く新世代のリーダー「カサノヴァディネリ」

カサノヴァ ディ ネリ社 ジャンロレンツォ ネリ氏と
カサノヴァ ディ ネリ社は、モンタルチーノに畑を取得したジョヴァンニ ネリ氏によって、1971年に創設された家族経営のワイナリーです。1980年代中盤から新世代のブルネッロのリーダーとして活躍、現当主であるジャコモ ネリ氏の情熱と専門知識を活かして、収穫量を抑えた思い切った剪定により凝縮感ある素晴らしいブルネッロを産みだしています。単一畑「ブルネッロ ディ モンタルチーノ チェッレタルト 2001」は世界中のワイン評論家が手放しで絶賛し『ジェームズサックリング』『ワインエンスージアスト』両紙において共に100点満点、『ガンベロ ロッソ』トレビッキエリと、3誌において最高評価を獲得した伝説的なヴィンテージとして、今もなお2001年をめぐって世界中の愛好家やレストラン等での争奪戦が繰り広げられています。以降も「テヌータヌオヴァ」「チェッレタルト」で100点満点評価を連発し、真のワイン愛好家がこぞって狙う「世界最高評価のブルネッロ」として今や不動の地位を築いています。3代目のジャンロレンツォ ネリ氏に世界最高評価を叩き出す偉大なブルネッロが産まれたワイナリーの歴史についてお話を聞きました。

1971年に祖父のジョヴァンニ ネリがワイナリーを設立

カンティーナ1971年に祖父のジョヴァンニ ネリがワイナリーを設立
1971年に祖父のジョヴァンニ ネリがワイナリーを設立しました。父のジャコモ ネリ、私と兄の代で3世代目になります。カサノヴァ ディ ネリという名前は、この地で新しくネリ家が始めたCasa Nouva(新たな家)であり、ここで新たに立ち上げたという意味が込められています。ロゴに描かれた家のマークは私達のCasa(家)です。祖父がワイナリーを始めた時からずっとこの家に住んでいます。2階は住まいで1階は試飲スペースになっていて、1年365日ここで暮らしています。ワイナリーに外部の大きな資本等が入った事はありません。祖父の代からずっと家族経営でワインを造り続けています。

Q.ジョヴァンニ ネリさんは何歳でワイナリーを始めたのですか?

「祖父はブドウ栽培に非常に向いている良い土地だと確信していた」
祖父ジョヴァンニはフィレンツェ近郊の出身で1923年生まれです。48歳の時(1971年)にワイナリーを始めました。ワイナリーを始める前、祖父は小麦や果物、畜産を売買する仕事で生計を立てていました。その仕事の中でモンタルチーノを訪れた時、その素晴らしさに惹かれていきました。そして元々祖父はワインがとても好きでしたから。

1960~1970年代当時、今とは状況がかなり違っていました。トスカーナでも南部エリアのモンタルチーノは特に貧しいエリアで、経済的に豊かなになるような仕事がモンタルチーノには無い時代でした。一方でフィレンツェ、シエナといった大都市では工場があり働き口がいっぱいある中、あえて祖父は経済的に貧しかったモンタルチーノで畑を買って新しいチャレンジをした訳です。そこには非常にリスクもあり、祖父はある種「犠牲」を払ってブドウ栽培を始める事になりましたが、祖父は(この地が)ブドウ栽培に非常に向いている良い土地だと当時から確信していましたね。

「これぞ」と見込んだ土地をモンタルチーノ中から探しサンジョヴェーゼを植えていく

ジョヴァンニネリ氏「これぞ」と見込んだ土地をモンタルチーノ中から探しサンジョヴェーゼを植えていく
祖父はモンタルチーノで常に新しい事に挑戦し続けた人物でした。それがカサノヴァ ディネリの哲学になっています。当時カンティーナの周辺の畑でブドウを栽培、ブルネッロを造るのが一般的な考え方であったのに対して、祖父は素晴らしいワインが出来る「これぞ」と見込んだ土地をモンタルチーノ中から探し歩きサンジョヴェーゼを植えていくのです。

祖父が見つけた畑はブドウも植えられていない、つまり「畑になっていない」荒れた場所もありました。例えば羊と羊飼いだけがいるような場所であったりとか。祖父はそのような土地で偉大なブドウが出来ると信じて畑として開拓していったのです。

ブルネッロ3種畑の場所、気候、土壌の異なる3種類のブルネッロを生産
モンタルチーノは非常に小さなエリアですが畑の場所によって土壌、気候も異なり出来上がるワインのキャラクターも異なります。同じサンジョヴェーゼクローンを植えたとしても、土地(テロワール)異なれば出来上がるワインは全く違う表情をみせます。そして、サンジョヴェーゼはとても繊細なブドウである事からカサノヴァ ディ ネリではタイプの異なる3種類のブルネッロ(ホワイトラベル、テヌータヌオヴァ、チェレッタルト)を造っています。3つのブルネッロは畑の場所、気候、土壌も異なります。それぞれの独立した個性が持っています。

地図モンタルチーノ北東部、南部、東部に畑を所有
1971年にブドウを植樹し、1978年にブルネッロを初リリースしました。当初は7ヘクタールの畑から始めました。現在は70ヘクタールに広がっていて、その畑はモンタルチーノに点在しています。「ホワイトラベル」と呼ばれるスタンダード ブルネッロはワイナリーの近く、モンタルチーノ北東部の畑から造られています。「チェッレタルト」はモンタルチーノ東部にある小さな丘にある畑で1975年に購入、1981年が初リリースです。「テヌータヌオヴァ」の畑はモンタルチーノ南部にあり、1985年に購入、1993年が初ヴィンテージです。2017年には4番目のブルネッロを造る予定の新しい畑も購入しました。

「リリース後直ぐにでも楽しめて長期熟成も出来るポテンシャルを持つブルネッロ」
私達がブルネッロを造り始めた時からのポリシーは「リリース後直ぐにでも楽しめて長期熟成も出来るポテンシャルを持つ」ワインを造っています。10年、20年、30年と寝かせて頂いても十分な力を備えています。この事は「ホワイトラベル」「チェッレタルト」「テヌータ ヌオヴァ」全てのブルネッロに言える事です。それは私達が最上の畑を選んでワインを造り続けてきたからです。同様に畑とカンティーナにどちらにおいても「丁寧な仕事」を続けてきたからです。

私の父のジャコモ ネリは1980年の終わり頃から祖父と一緒に仕事を始めました。祖父は1991年に亡くなりましたので、実質「テヌータヌオヴァ」の畑に関しては父がメインで手掛けて始まりました。

「私達の仕事の95%は畑にある。ブドウが本来持つバランスを壊さない」

畑畑の栽培からカンティーナに至るまでは全て手作業
畑の話をしましょう。畑の栽培からカンティーナに至るまでは全て人の手で作業を行います。数年後にはビオロジック認証が取る予定です。カンティーナ内はブドウに余計なストレスを掛けないように汲み上げポンプを使わない自然な重力を利用したグラヴィティシステムで設計されています。上の階で醗酵が終わったら、下層階で熟成、更に下層階でボトリングをしています。醗酵時はルモンタージュも行いません。

醗酵「私達の仕事の95%は畑にある。ブドウが本来持つバランスを壊さない」
つまり出来るだけブドウに手を加えずに、ブドウが本来持つバランスを壊さないように扱っています。私達の仕事の95%は畑にあると思っています。素晴らしいブドウを育てる事が何よりも大切だと考えています。折角できた素晴らしいブドウの特徴を出来るだけ活かすようにカンティーナではなるべく手をかけないワイン造りを行っています。

ブドウのセレクションについては厳しく選別します。収穫時の選別に漏れるような品質のブドウを他のキュヴェに廻す考え方はカサノヴァ ディ ネリにはありません。これは3種類のブルネッロ全てにも共通している事です。70ヘクタールの畑を所有していますが、生産量は20~25万本しか造っていません。収量を落し、品質の高いブドウのみを使っています。

カンティーナ内「樽の要素をなるべく与えずにワインの持つ果汁を引き出す」
醗酵は開放型のステンレスタンクに入れて果皮と共に接触期間を長くしてゆっくりと果皮に含まれた要素を抽出しています。熟成に関しては「ホワイトラベル」が20年程使用したスロヴェニア産の70へクトリットルの大樽で熟成させます。極力木の影響を与えないように樽使いを行っています。「チェッレタルト」「テヌータヌオヴァ」は2~5年程使った500リットルのトノー樽を使っています。樽の要素をなるべく与えずにワインの持つ果汁を引き出す事を心がけています。

ブルネッロ史上初!『ワインスペクテーター』で年間ベストワインに選出「テヌータ ヌオヴァ」

100点満点その2ブルネッロ史上初!『ワインスペクテーター』で年間ベストワインに選出
テヌータ ヌオヴァはモンタルチーノ南部に位置していて1985年に購入した畑ですが、そもそもこの場所にはブドウは一つどころか、何もない場所で羊飼いと羊がいた場所でした。畑は15ヘクタールの広さで約8万本を生産しています。収穫時期は大体9月中旬頃です。

「モンタルチーノエリア全体にとっても歴史的なニュースとなりました」
世界的に知られるようになったのは、テヌータヌオヴァ2001年が『ワインスペクテーター』で2006年の年間ベストワインに選ばれた事がきっかけの一つだと思います。ブルネッロとして初めての年間ベストワインにテヌータヌオヴァが選ばれた事も大きいと思います。私達の受賞はモンタルチーノエリア全体にとっても歴史的なニュースとなりましたから。つまりテヌータヌオヴァは私達が新しい考えのもとに造ったブルネッロと自負していたので、とても満足のいく受賞でした。テヌータヌオヴァは新しい考えの下に造られてきましたが、今ではそれが「伝統」となっています。

賞を獲得する為にワインを造ってはいませんが、2006年が『ジェームズサックリング』で100点満点、2010年が『ワインアドヴォケイト』100点満点を獲得しました。信念をもって新しいブルネッロのスタイルを追求してきたからこその結果だと思っています。

テヌータヌオヴァからしか出てこない独特の個性
飲み比べて頂くと北東部のホワイトラベルのブルネッロとは味わいのタイプが異なります。南のブルネッロの特徴である濃密感のあるアロマです。土壌もごつごつした石が多い場所で、リッチさや力強さがハッキリと感じられます。バルサミックでローズマリーやユーカリのニュアンスはテヌータ ヌオヴァからしか出てこない独特の個性だと思います。このワインの強みは入手困難なレア ブルネッロではなく、生産量が安定していて非常にハイレベルにある事だと思います。

テヌータヌオヴァ~テヌータ ヌオヴァはまさにこのヴィンテージに主役だ~
ブルネッロ ディ モンタルチーノ テヌータ ヌオヴァ
『ワインアドヴォケイト』100点満点(2010ヴィンテージ)
「2010年のテヌータ ヌオヴァはまさにこのヴィンテージに主役だ。果実味はエキス分、強度、風味の点でリッチなレベルにあり深く濃厚だ。プラムケーキ、スパイス、ベーコンで包んだプルーンにチェリーやブラックベリーのニュアンスは、あなたが考える一般的なレベルを遥かに超えているだろう。
このワインに関しては明白さや単一的な印象は存在せず、全ての要素が精妙に溶け合っている。テヌータ ヌオヴァはまた、畑の特徴である直線的に伸びるミネラルの風味が際立っている。2010年においてはこれらの特徴がくっきりと存在し顕著に感じられる。
タンニンはしなやかなレベルに達していて、時折サンジョヴェーゼに見られるようなとげとげしい酸はこのワインから見出す事はほぼ不可能だ。ジャコモネリ氏が会得している事の一つに、最適な成熟を経たブドウを収穫する技能がある。彼は殆どのブドウの特性を知り尽くしている。

ワイン収集家はテヌータ ヌオヴァ2010年をきっと10年、いやそれ以上の期間を手元に留めておきたい事だろう」

素晴らしいブドウ、手作業によるワイン造りが産みだした卓越した見事なワイン「チェッレタルト」

チェレッタルト僅か8000~9000本!最高峰チェッレタルト」
チェッレタルトはモンタルチーノ東部に位置する小高い丘の名前から付けられています。テヌータヌオヴァと全く同じサンジョヴェーゼクローンから造っていますが、味わいは全く異なります。

畑は4ヘクタール程の広さで標高300~350メートル、急斜面に位置しているおかげで昼夜の寒暖差が非常に大きいです。収穫時のブドウの房も小さく皮が厚いのが特徴です。近くには川が流れ、川がもたらした土や石が堆積して出来た場所で、マンガンやミネラルを豊富に含む赤土の土壌で、ブドウがゆっくりと熟すテロワールです。

収穫時期は10月初旬中旬です。ミネラルを多く含む土壌の影響がワインに現れています。しっかりと「チェッレタルト」になるブドウが熟した良い年にしかボトリングせず、リリースしても8000~9000本です。(2002、2003、2005、2009、2011年はボトリングしていません)

ジャコモ&ジョヴァンニ畑をくまなく廻りブドウの状態を確かめ収穫のタイミングを決める
収穫に関しては、機械による糖度の分析も行いますが、最終的には父ジャコモと兄のジョヴァンニが実際に畑をくまなく廻り、実際に食べてみてブドウの状態を確かめ収穫のタイミングを決めます。2015、2016年は素晴らしくファンタスティックなブドウが収穫出来ましたので楽しみにしてくださいね。

100点満点その1~素晴らしいブドウ、手作業によるワイン造りが産みだした卓越したワイン~
ブルネッロ ディ モンタルチーノ チェッレタルト
『ワインアドヴォケイト』100点満点(2010ヴィンテージ)
「素晴らしいブドウ、手作業によるワイン造りが産みだした卓越した見事なワインだ。人間と自然の力により完璧な精妙さとハーモニーがチェレッタルト2010年には感じられる。バランスの点ではこの上なく素晴らしい。
チェリーやブラックベリーの力強さにミネラル、リコリス、スモーキーで仄かに香る杉のニュアンスが続く。ワインには一種の説得力とボリュームというものがあり、口中均一に広がっていく風味の強さは数分にわたって数える事が出来るだろう。チェッレタルトは実に美しく凝縮感がありリッチだ。しかし決して重厚で濃密なスタイルではない。

チェッレタルトは現時点でも楽しめる味わいのイタリアにおける象徴的ワインであるが、熟成を経たその先には興奮に満ちた世界が待っている」

超一流ブルネッロ「カサノヴァディネリ」が造る極上の完成度を誇るお値打ち赤「イロッソ」

イロッソは毎日家庭で楽しめるワインです。「イロッソ」の名前の由来ですが、フィレンツェの方言で赤ワインの事を「irroso」と呼びます。バールやトラットリアで「イロッソください!」のような感じですね。造り方の哲学自体は他のワインと同じです。イロッソは飲みやすさ、どんなお料理とも合わせやすい特徴があります。
イロッソ ディ カサノヴァ ディ ネリ2015

試飲
コメント

入門編でありながら惚れ惚れしそうな美しい完成度。レッドチェリーやダークチェリーが入り混じるフレッシュで豊かな果実香にスミレの花や涼し気なミネラルが綺麗に寄り添います。ジューシーで豊かな果実味の柔らかいタッチがありながら伸びやかな酸とミネラルがボディを締める目の詰まった隙の無い美味しさ。飲み心地も極めてスムーズ。超一流ブルネッロ「カサノヴァディネリ」が造ると「こうも違うのか」と納得の素晴らしく調和の取れた優雅な出来映えです。

力強くも優雅かつ高貴な味わい!

20年程使用したスロヴェニア産の70へクトリットルの大樽で約4年間熟成後ボトリング、瓶熟成を経てリリースします。開けてすぐ楽しめる味わいですが、ボトリング後も熟成をしていきます。モンタルチーノ北東部にあるカンティーナの側の畑のブドウを使います。冷涼な土地が造っているブルネッロらしい「エレガントさ」が感じられます。祖父が1971年に植樹した最も古い樹齢のブドウが今も残っています。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ2013

試飲
コメント

レッドチェリーのやラズベリーの赤い果実、スミレの花の洗練された美しい香り。力強さやタンニンが感じられますが重々しさは皆無で均整が取れていて実にエレガント。果実感、酸味、タンニン等味わいを構成する各要素が格段に高い次元で絶妙なバランスを成し、非常に優れたポテンシャルを持っています。

新しい考えの下に造られた「改革的ブルネッロ」テヌータヌオヴァ

モンタルチーノ南部の畑です。新しい(ヌオヴァ)という意味があり、新しいスタイルを追求したプロジェクトから名づけられています。私達にとってテヌータヌオヴァは「改革的なブルネッロ」という位置づけです。濃い色調の印象がありますが、味わいはエレガントでとても円やかです。エレガントさと力強さが共存していますね。それでいて直ぐにでも楽しめる味わいが感じられます。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ テヌータ ヌオヴァ2012

試飲
コメント

濃いルビーの色調にブラックチェリーのジャムやヴァニラ、葉巻や墨の複雑な香りのニュアンスが感じられます。開けたてから力強くクールで逞しいボディの奥行きとメリハリを感じます。タンニンもしっかりと感じますが、非常に緻密で滑らか。別格の存在感を誇る濃密で豊かな余韻が長く続きます。

別次元の完成度!細部に至るまで全く隙の無い緻密な味わい

モンタルチーノ東部に位置する小高い丘の名前から付けられています。テヌータヌオヴァと全く同じサンジョヴェーゼクローンから造っていますが、味わいは全く異なります。畑は4ヘクタールの広さで標高300~350メートル、急斜面に位置しているおかげで昼夜の寒暖差が非常に大きいです。近くには川が流れ、川がもたらした土や石が堆積して出来た場所で、マンガンやミネラルを豊富に含む赤土の土壌で、ブドウがゆっくりと熟すテロワールです。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ チェッレタルト2012

試飲
コメント

濃密で円やかな果実の深みがありながら、細部に至るまで全く隙の無い緻密な味わい。アルコールの粗さやブレというものが皆無でタンニンもウルトラスムーズ。中盤から酸とミネラルが肉厚なボディを美しく締め上げていて実に優雅。凛とした美しい味わいに、時折魅せる艶やかな深みある味わいには、ため息が出る程の完成度。まさに別次元のワイン。特別なひと時にゆっくりとグラスを傾けたい世界最高評価を得る極上の1本です。

インタビューを終えて

真のワイン愛好家がこぞって狙う極上ブルネッロ「カサノヴァ ディ ネリ」。試飲した全てのブルネッロは圧倒的なブドウの濃密さがありながら、口当たりは極めてエレガントで上質。試飲ではどれもため息ものの美味しさでした。

世界が絶賛するブルネッロが産まれた歴史のお話では、初代ジョヴァンニ ネリさんが1970~1980年代にモンタルチーノのありとあらゆる場所に出向き、「これぞ」と思った場所にブドウを植えた事に因るのですが、今や100点満点を次々に連発する「テヌータ ヌオヴァ」の畑が元々ブドウが植えてられていた訳ではなく、羊と羊飼いくらいしかいないような場所だったと聞いて大変驚きました。ジョヴァンニさんの土地を見抜く素晴らしいまでの先見の明、その革新的なポリシーをしっかりと引き継ぐワイナリー。カサノヴァディネリの揺らぐことの無い「偉大さ」を感じた瞬間でした。

2001~2010ヴィンテージの間、3度も100点満点を叩き出した最上の単一畑ブルネッロ「チェッレタルト」はグラスに吸い込まれるような美しく深い香り。飲むと、別次元のブドウの厚みと伸びやかな酸味が重なる艶やかな味わい。開けたてから完璧なバランスの良さがあり、世界最高評価ブルネッロにふさわしい極上の1本。

ジャンロレンツォさんも「私達のブルネッロはリリース後、直ぐにでも楽しめて、数十年長期熟成も出来るポテンシャルがあります」と話してくれました。先代が選び抜いた最上の畑で造られる珠玉のワインは今飲んでも、寝かせても楽しめます。特別なひと時にゆっくりとグラスを傾けたいワインです。
カサノヴァ ディ ネリ社 ジャンロレンツォ ネリ氏とトスカニースタッフ

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