たくさんの樽が並ぶ醸造所の部屋に、セッコベルターニのボトルが飾られていました。1800年代の終わりにアメリカへ輸出されたときからのボトルデザインの変遷をたどるようになっているのですが、よくよく見ても、あまりデザインの変化が見られません。サヴォイア家の紋章が入った、黒と金のシックなラベル。案内のマテヤさんいわく「ひと目でセッコベルターニとわかってもらうためにほとんどデザインは変えていないんです。現に、古くからの顧客の方々の中にはデザインを変えたことすら気が付かなかった方もいらっしゃるんです。それを聞いて私たちはとても満足しました。」とのこと。
さて、セッコベルターニというワイン名の由来。セッコというのは辛口という意味なのですが、実は、このワインが造られ始めた1800年代終わりごろは、発酵を完璧に終わらせて辛口にする技術をもっていないところがほとんどだったんです。つまり、途中で終わるので糖が残り「甘口」に仕上がるわけです。ベルターニはその当時から発酵を完了させるノウハウを持っていたため、「辛口=セッコ」に仕上げることができた。他のワインとは違うという意味を込めて「セッコ」という名前を付けたとのこと。100年以上もの長い歴史がこのワインの中には詰まっているんですね。