秋の健康的な過ごし方。

薬師のコラム
2016年10月01日(土)

夏の暑さが過ぎて涼しくなると、秋の訪れを感じますよね。今回は「秋の健康的な過ごし方」についてお話ししましょう。

 

 

秋の健康的な過ごし方

 

古来中国には「四気調神大論」という文献の中で、秋の過ごし方について記述があります。

 

大雑把に説明すると……

「秋は収穫の季節で、風が吹き、厳しい秋気が草木を枯らす気配が漂うので、心を安らかにして秋気の影響を和らげましょう。さらに秋の養生法として、鶏のように早寝早起きするべき。」と書かれていました。

 

要するに気温の変化に負けることなく、生活習慣を整え、リラックスした気持ちで秋を過ごすことが最良という解釈で良いのでしょう。

 

いかに規則正しい生活を送り、体調管理ができるかということが大事になります。

 

 

冬に備える秋の過ごし方

 

「夏太り」という言葉があるように夏に体重が増え、太ってしまう人もいることでしょう。太るのが悪とは言いませんが、もし秋に痩せることを考えるのであれば、少し頑張らないといけないかもしれません。

 

動物は冬に冬眠し、秋に栄養を蓄える習性を持ちます。これと同じように人間も、冬に備えて体にある程度栄養を蓄えておく必要があると考えます。

 

脂肪を蓄える必要はありませんが、秋は空気が乾燥し、鼻やのど、肌のトラブルが起こりやすく、風邪をひきやすい季節……。

 

余計な体力の消耗は避けて、運動などで基礎体力を身に着け、万全の体調で冬を迎えるのが良いとされています。これらは、東洋医学の「陰陽五行」を使った秋の健康的な過ごし方として考えられています。

 

 

また、夏の疲れを残さないことが大切です。

 

夏場の熱や冷えが体に残っていたり、夏バテによる体力の消耗、夏場に弱った胃腸などの回復が必要です。

 

夏場の熱や冷えが残るというのは、クーラーや冷たいもので体を冷やすことが原因。生き物は暑くなると汗をかくことで体温調節をしますが、クーラーに当たりすぎて汗をかかないでいると、体内に夏場の熱を残してしまう場合があります。

 

熱を発散しきれないと、体内の熱が肺などの臓器にダメージを与え、免疫力の低下を招いてしまいます。

 

また、クーラーなどで体を冷やすことは熱を発散しないだけではなく、体に冷えをためてしまうことに。体の内部から冷えてしまうと体調不良を引き起こし、様々な病気の原因となってしまいます。どちらにせよ、クーラーや冷たいものの飲食は控えるほうが良いでしょう。

 

 

 

今回のお話の結論は「夏場の疲れをいかに溜めず、そしてしっかりと栄養を取って、基礎体力を身に着けて秋を過ごし、冬を迎える」のが理想的な秋の健康的な過ごし方と言えます。

 

季節感がなくなりつつある現代ですが、だからと言って本来の気候に合わせた体調管理ができてないと、すぐさま体調不良になってしまい、残念な状態で季節を迎えることになりかねません。

 

今回のお話を少しでも思い出して、体調を整えて季節を過ごしてくださいね。