豊満で朗らか、絹のようにしなやか
しかもフレッシュで輝かしい
ボジョレのぶどうは畑では収穫が終わり、騒々しさは畑から醸造所へと移った。収穫の最盛期は9月
上旬で、これは生産者にとって理想的なタイミングとなった。夏の強い暑さはおさまっており一方で
昼間はまだ長く、太陽が降り注いでいた。
2017年は予想外の悪天候によって強く記憶される年となるだろう。春にはわずかではあったが霜が降
り、夏の初めには激しい雹の嵐があり、その後は乾燥が広がった。収穫の直前に雨が降り、これが救
世主となった。特に水分不足が懸念された区画においてぶどうが最適に熟すために欠けていたみずみ
ずしさを取り戻させ、ガメイはその果実味とアロマのポテンシャルを存分に発揮することができた。
2017年は一方で、病気の広がりはまったく見られない年だった。ぶどうは水不足のために「喉がカラ
カラ」の状態だったが、衛生状態には何の問題もなかった。収穫されたぶどうはとてもよい品質で、
凝縮しており、酸とのバランスもよい。
収穫が開始された時に枝はすでに硬くなっており、種は軽く木質化していた。これは、ぶどうのすば
らしい熟度を示す典型的なサインだ。果皮は厚く引き締まっていて、結実不良の果粒と、また果汁の
比率も少ないことから、よい凝縮感が保証される。
最初の試飲では、ワインは酸、果実味、タンニンの完璧なバランスを示している。ぶどう樹は栄養分
を得るために根をいっそう土中深くまで張らなければならなかったため、ワインは傑出したテロワー
ルをいっそうよく映し出している。
2017年ヴィンテージの品質を正確に形容するには時期尚早だが、いずれにしても品質のすばらしさが
見てとれる。Sicarex(ボジョレの栽培醸造の研究機関)の幹部であるベルトラン・シャトレ氏は、
「熟度ネットワークで示されたぶどうの成熟の進み具合の曲線は、2015年を思い起こさせた。最初の
醸造で我々はそれを確信できた。しかし、2015年よりは弾けるようなニュアンスあり、一層エレガン
トな側面もある」と述べている。さらに、「最初のワインは輝きと爽やかさを増しているようだ」と
付け加えた。
2017年の品質が高いことは間違いなく、しかし唯一の懸念事項は数量で、フランスの他の産地と同様
にボジョレでも収穫量は少ない。多くの地域において、今年の自然は容赦の無い厳しさを見せた。
11月16日のボジョレ・ヌーヴォー解禁において、2017年の実りの詳細が明らかとなる。
2017年10月5日 ボジョレワイン委員会プレスリリース