一見、たいした違いがないように見えるかもしれませんが、
実はそこに、デザイナーの細かなこだわりが隠されているのです。
そのため、使い勝手とコンパクトさのバランスが課題です。
小銭入れのデザインや設計は、どのように考えられているのでしょうか。
写真左から、 コンフィオ ヌメ革二折財布 (sold out) / ビークル センタージップポケットパース / ユニックリベルタ マスターLファスナー
多くの小銭入れは二折の三角マチを付けて、口が広がるようにしています。また「ビークル センタージップポケットパース」では蛇腹式のマチを採用。このとき、硬貨が挟まれにくいようにマチの折込の具合を何度も微調整して、最適なサイズにしています。
また奥の硬貨が取りやすいよう小銭入れの底を上げたり、角を縫い付ける(「ユニックリベルタ マスターLファスナー」)といった細かな工夫が行われることもあります。
※ユニックリベルタ マスターLファスナーは 実店舗にて取り扱いしております。
写真左から、トーンオイルヌメ がま口長財布 / ウルバーノ コンパクトコインパース
小銭入れは口が大きく開き、底が広くなるほど中の視認性が高くなります。中でも「ウルバーノ コンパクトコインパース」のようなBOX型タイプはコンパクトながら箱型に開き、とても見やすいのが特徴。また、がま口タイプもパックリと大きく口が開く上、ふっくらとした形で中にゆとりが生まれるため、こちらも硬貨を探しやすくなっています。
小銭入れは使い勝手が良くなると厚みが増すので、スマートさを優先させる場合、バランスの取り方が非常に難しくなります。中でも「ビークル マネークリップウォレット」のようにフラットな状態でボディに埋め込むタイプは、最も薄さにこだわった仕様。片側だけにマチをつけることで薄さをキープしつつ、口が少しでも大きく開くようにしています。
携帯性に繋がる薄さのことも考えて調整をしています。
財布全体のコンセプトやバランスが大事なのです。
美しさと使いやすさを両立させた、良い財布をつくる。
そのために細部にまでこだわるのがデザイナーの仕事です。