ContentsTOP 細部に宿る、職人のこだわり フォーマル クラシックハンド


フォーマルクラシックハンド
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クラシックハンドの製作で重要な工程のひとつが、ハンドルをカブセに取り付ける作業。まず気をつけるのは、ハンドルとカブセの色。黒い革は同じようにみえるが、艶の出方が微妙に異なり、わずかに表情の差がある。それを違和感なく組み合わせていくことも、大事な作業だ。

カブセ側にのりをつける際には、接着させるハンドルパーツからはみ出さないように、ていねいにのりづけを。最終的には隠れてしまう裏の部分のため、のりが多少はみ出ていても支障はない。
しかし、こういった細部にも意識を向けていると、自然とほかの部分もより厳しい目で製作することができ、精度が高まるのだ。

なお、のりづけを行う際は、室温にも気を配る。寒いからといって室温を上げてしまうと、のりや革の状態が悪くなってしまう。製作途中で影響が出ないように温度管理に気をつけたり、カバーをかけて慎重に扱っている。




フォーマルクラシックハンド

のりを塗ったあと、よく乾かしてからカブセにつける作業を行う。このときに使うのが、玄能(げんのう)と呼ばれる両端が平らな金づち。革に傷をつけず、そしてしっかりと接着するための手段を試行錯誤した結果、玄能を使うことに。より繊細な力の加減ができるよう、あえて柄をはずして直接頭部をもって作業している。

ハンドルは、鞄のなかでも使用中に大きな負荷がかかる、大事なパーツ。ぐっと力を込めて手早くハンドル部分をたたき、しっかりと接着して強度を高める。




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「バネ材」と呼ばれる鉄のパーツを、ハンドルの付け根部分を覆うように接着。バネ材があると、かぶせのトップ部分の革をピンとはることができる。この鞄はシンプルなデザインのため、小さな形のゆがみでも目立ってしまう。だからこそ、形を美しく整えるための工夫を施している。


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