職人の手仕事によって、革製品をつくる土屋鞄。分野は同じでなくとも、ものをつくることや製品に対する想いに対して共感することに、日々たくさん出会います。ものづくりにまつわる日本各地の出来事や、古くから伝わる日本の美意識、お話をうかがってみたいと心惹かれる方についてなど。今日のコラムでは、土屋鞄のスタッフが共感し、多くの方と共有したい話題についてお届けします。

今日のコラム/ギフトカタログ印刷

カタログがだんだんと形になる場所、印刷工場へ。


TUESDAY, 7 OCTOBER, 2014

1冊のカタログは、たくさんのひとの力が集結して、完成します。どんな内容にしようか考えるところから、撮影・デザイン作業を経て印刷工場へ。完成が近づくにつれて、「もの」が生まれる実感がわいてきます。今回は、そんな様子を体感すべく、カタログの印刷現場を訪れました。

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「スミ(黒インク)を入れて、もっと深みを出しましょうか」 「全体的にもう少し黄色を落として」 「青みが強いので、商品部分だけ色を整えたい」
凸版印刷川口工場の担当者と土屋鞄のカタログ制作担当との間で、そんなやりとりが飛び交います。カタログに載せる写真の色が希望通りに表現されているか、何度も確認を行っているのです。

今日のコラム/ギフトカタログ印刷


今日のコラム/ギフトカタログ印刷


工場内は、大きな機械がいくつも並ぶ、広い空間。大きな音を立てて、いたるところで機械が絶え間なく動いています。カタログの印刷に使われているのは、新聞の印刷にも使われる輪転機。大きな筒が高速で回転しており、ずっと見ていると目が回りそうに。
出したい色に仕上がっているか、刷った用紙を何度もチェック。ライトの下で見る角度を変えながら、厳しい目が光ります。
「私たちは、お客さんの求めている色合いを出すのが仕事です。校正(仮刷りと原稿を比べてチェックすること)の段階で修正が入ったところは、特に気をつけて見ています」

今日のコラム/ギフトカタログ印刷


今日のコラム/ギフトカタログ印刷


刷る色を希望の色に近づけるためには、C(青)・M(赤)・Y(黄)・K(黒)4色のインク量を、微調整します。このインクをあとこれくらい足したら、求める色になるだろうという判断は、機械的に数値化されているのではなく、経験に基づくもの。そのどこかアナログな作業がとても意外で驚くと同時に、間近で繰り広げられる「プロの仕事」はとても頼もしくもありました。私たちの「このような色にしたい」という希望に、的確に応えてくれます。

今日のコラム/ギフトカタログ印刷


「1ページごとはいわゆる“部品”ですが、1冊の本になることを意識して、全体を考えながら色を整えています。最後の調整は、やはり人間の目。経験やセンスが大事になってきますね」
こうした方たちに支えられて、今回のXmasギフトカタログは仕上がりました。

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取材先:凸版印刷川口工場

取材日:2014年9月
掲載:2014年10月7日

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