フルートの上達にもつながる!?篠笛とフルート比べてみました



日本の伝統的な横笛「篠笛」と「フルート」は実は同じ木管楽器なのです。 では、篠笛とフルートはどのようなものなのか比べていってみましょう。



価格の比較

入門(初心者)用の価格目安
入門(初心者)用の篠笛(プラスチック) 入門(初心者)用のフルート
約1,900円
※竹製の量産タイプは5000円前後
約15,000円
※プラスチック製もありますがほぼ同価格

ワンランク上、若しくはプロ用の場合の価格
篠笛 フルート
舞台で吹く場合や、プロ用になると竹管が基本で、約1万円前後となります。竹が人口煤竹で約4万円前後となり、煤竹になると15万円〜30万円前後となります。また巻の種類(籐、紐、ビニールなど)で価格が変わってまいります。 一部のみ銀が使われている(頭部管銀製)量産タイプで10万〜13万円前後、手作りタイプで18万円前後、総銀製で40万円位、管体が14Kのものが200〜300万円、総金製(14K)で400〜500万円、総プラチナ製で500〜600万円となります。


複雑な作りの分、フルートの方が高いのでしょうか・・・。 篠笛はプラスチック製になると作り方はシンプルなのでお安めですね。
※竹製で調律している篠笛は内側に手を加えたりしているのでプラスチックと比べると高くなります。



歴史・特徴の比較

フルートの歴史・特徴

■フルートって金管楽器じゃないの?
フルートって金属出てきているから金管楽器と思われると思いますが、 管楽器は材質ではなく「リップ・リード(唇の振動)」によって鳴らす管楽器が金管楽器、 それ以外が木管楽器と分類されるそうです。



■初期のフルートは篠笛に近い作りだった?
初期のフルートには、キイ(指穴をおさえる部分)が付けられておらず、 1本の円筒型の本体に唄口と指穴が7つ開いているだけの簡素な構造で、 出せる半音にも限りがありました。



■19世紀に劇的に進化!
17世紀後半になってから、本体のかたちが円錐形になり、キイが1つついたフルートが作られ始めます。 この工夫によって初めて、ほとんどの半音を吹奏できるようになりました。 そして、19世紀にドイツ人フルート奏者あり、管楽器製作者でもあるテオバルト・ベームによって 金属製の管でキイが沢山つけられるなど、フルートは大幅に改良され、正確な半音階と大きな音量が出るようになった。 テオバルト・ベームの大改良によって、現代的なフルートはほぼ完成されました。



篠笛の歴史・特徴

■シンプルな作りが特徴
篠笛の起源は、中国大陸から伝わった「龍笛」だと考えられていますが、 篠笛と龍笛は、基本構造や音階が異なり、龍笛が簡素化しただけの楽器ではないようです。 奈良時代の遺跡や正倉院の宝物にも横笛があるので、長い歴史がありそうです。 

篠笛は、篠竹という女竹からつくられた横笛のことで、構造はいたって簡単で、 唄口と指穴があり、漆(カシューや人工塗料の場合もあります)を塗っただけのものです。 音階をつくるための指穴の数は六つや七つが一般的です。



■大正時代までは竹笛といわれていた
篠笛はおもに祭り囃子など各地の民俗芸能に使われ、大正時代のころまではただ単に竹笛と呼ばれており、 長唄(三味線音楽の1つ)の福原流の福原百之助(五世)が篠竹でできたこの笛を篠笛と呼んだことが始まりです。



■昭和初期にドレミの音階に近い調律笛が登場
篠笛には昔ながらの民俗芸能に使われている「古典調」あるいは「お囃子調」と呼ばれるものと、 ドレミの音階に近い音が出せる「唄用」と呼ばれるものがあり、この唄用の篠笛も、福原百之助(五世)と 福原百之助(六世)が指穴の位置と大きさを調節するなど、古典調に改良を加えてつくったものです。




音の比較

フルートの音色の特徴

音色は鳥の鳴き声を連想させるため、楽曲の中でしばしば鳥の声として用いられます。 オーケストラや吹奏楽では軽やかな高音や主旋律を担当する、華のある楽器です。

ソロやアンサンブルでも幅広く活躍し、透き通るような清涼な音色は聴く人に安らぎを与えます。

その昔、ヴァイオリンは一般の平民を象徴し、トランペットは天国、 フルートは王を象徴する楽器と見られ、実際フルートは王侯貴族の人々に好まれて演奏されていようです。



篠笛の音色の特徴

篠笛はなんといってもその響きの良さに魅力が有り、澄み切った音色は竹笛ならではです。 竹の持つ独特な音の響きは日本人の心に和の素晴らしい響きとして聞こえてきます。
 
広い音域とすばらしい音色で、独奏、合奏を存分に楽しむ事が出来る笛です。 
また、篠笛は音域ごとの特徴もあります。 最高音域である大甲(だいかん)音は甲高く鋭い音色で、遠くまで響く祭囃子のような音色。 中音域の甲音(かんおん)は非常に澄んでいて美しく、篠笛の最大の魅力です。

低音域である呂音(りょおん)は暖かく柔らかい、竹らしい音色です。




むずかしさの比較

フルートのむずかしさ

指で直接穴を押さえるのではなく、キイによって フタが押さえられる仕組みになっています。このキイのお陰で半音が正確確実に出せ、半音を多用しても音質が変わりません。反面、指使いが複雑になっています。



篠笛のむずかしさ

指穴を直接押さえるので半開が使え、歌口がフルートに比べて大きめなので、音程と音色を調整できる幅があります。ただ、半音は指穴の半開と唇の調整が必要でフルートより難しくなります。




フルート奏者が篠笛をやり始めても問題ないのか?

フルーティスト宮川悦子氏のオフィシャルブログより

『他の笛を吹く事で、自分の体をデジタル的にこの笛はこのくらいの圧力で、、、とコントロールできるようになってきた気がします(目盛無いけど、、) そうするとフルートだけ吹く時にも、高音と低音のコントロールスイッチが新たに出来上がった感じで、結構な発見!!です 篠笛を始めて半年位の時 フルート先輩から、 ねーねー最近、響きが変わったねと言われました すっご響くけど頭部管変えた??と。 えー!変えてませんよーー!!って話していて 和楽器の響かせ方をすっごい練習したから その息の使い方がフルートにも反映されたかもーーー うれしーーと思ったのでした!!』


慣れるまでは大変とのことですが 篠笛をやり始めたことでフルートの上達にもつながっているようです。




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