岩手にワイン文化を!!エリアジャック
第3回 夏に飲みたいイタリアワイン、三本開けます

  • sugars
  • 2015.09.01

イタリアワインと夏だね、TUBEだね

アッキー 今日のテーマは『夏に飲みたいイタリアワイン』です。ゲストは齋藤さんです。
山田 一本目は、イタリアの中でも有名な銘柄、ソアヴェです(※1)。
齋藤 香りがいいな~。
田村 軽くて飲みやすい。ガブガブいけそう。
山田 軽く感じるけど、ソアヴェの中では比較的味がしっかりとしたタイプです。で、ソアヴェの中でもピエロパン、イナマ、アンセルミっていうのが有名な生産者です。これはイナマ。ソアヴェは本当にピンキリで、もっと水っぽくて色も薄いものもあるけど、今回みたいな良いものになってくると果実の。ミネラルもすごく乗ってるので味がしまってます。
田村 確かに、苦いといえば苦い。この人の作る赤も好きだな。
齋藤 でも香りは甘いね。
山田 蜂蜜チックな香りがしますよね。それだけ濃縮感がある。
齋藤 すごいねーどうしてそんなに詳しいの。尊敬する。
山田 ええと、仕事ですから(笑)。イタリアワイン、品質のばらつきがなく日本に輸入されるようになってきたのはここ10年くらいって言われてます。
齋藤 ええ意外。もっと長―い歴史があるのかと思ってた。
山田 ワイン法が厳しくなったのもここ最近。ちなみに日本もこれから似たことをやろうとしてますね。

TAKASHI YAMADA


(株)山田酒店代表取締役。
(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー。フランス食品振興会認定フランスワイン<コンセイエ>などの資格を持つ専門家。


EIJI TAMURA


(株)田清取締役専務。
紫波にエスプレッソマシーンとワシントン州ワインのワインを揃えた『シュガーズカフェ』を構える。岩手のワイン文化をもっと豊かにするべく奮闘。

ワインは原料の酒 日本酒は技術の酒

アッキー 続いて二本目です。(※2)
齋藤 赤にはちょっと苦手意識があるんだけど…ものすごくスッキリ。
田村 これピノ・ノワールですね。中でも軽いやつ。
山田 暑いときにボリューム感たっぷりの赤ワインを飲むと、口の中がモワモワするし疲れるので、軽いのがいいかなぁと(笑)。
齋藤 ワインの温度ってどうなの? 赤は冷やすのは邪道ってイメージ。こっそり氷とか入れちゃう。
山田 あんまりキンキンにしないで、軽く冷やす分には問題ないですよ。特にこれくらい軽いのは。
齋藤 これはどこで作ってるの?
山田 北です。ヴァッレ・ダオスタっていう地方の標高の高いところで造られたワイン。
アッキー イタリアって南北に長いので、土地でワインの味も違いますか?
山田 そうですね。南の方は肉厚。
齋藤 日本酒も土地で違うよね。
山田 どちらかというと日本酒は技術の酒で、ワインは原料の出来に左右される酒だと思います。酒造好適米の中で一番といわれる兵庫の山田錦は、岩手でも他県の蔵元でも使われています。なので日本酒の地酒の違いってのは、原料じゃなく、醸造の技術とか酵母や水によるところが大きいんでないかと。
アッキー じゃあワインはその土地のブドウを使わなきゃいけない?
山田 他の地域のブドウを使用してもいいんですが、地域の特徴を出して原産地呼称を掲げようとすると色々問題がある。例えば「もりおか」という原産地を謳うワインを造りたいとすると、盛岡以外のブドウは使えない。花巻のブドウが少しでも混じれば『いわてけん』というワインになってしまう的な…。
齋藤 秋田を使えば『とうほく』だ。
山田 そうそう。それはイタリアもフランスも一緒です。
田村 それだけ産地にこだわる…
山田 農産物に近くて、原料に由来するお酒ってことですね。
アッキー 一本目は白、二本目は赤でした。この順番がいいっていうのはあるんですか?
山田 基本的には、白から赤にいったほうがいいですね。何本か飲むときは軽いものから重いものにいくのがいい。あとは新しいものから古いものにいくのが定石です。温度分けて出すソムリエもいますよ。
齋藤 えーそこまで?
山田 同じワインでも温度変えると味ががらっと変わっちゃうんで。お客さんの好みがわかってればそういうこともある。ソムリエがいるところなら「今日はこういう料理を頼んで、○種類くらいワインを飲みます。オススメの順番で出してください」って伝えるのがスマートかな。

Inama  Soave Classico 2013、Azienda Vinicola Carabretta  Nerello Mascalese 2003、Les Cretes  Pinot Nero 2011

(左から)Inama Soave Classico 2013 ※1
Azienda Vinicola Carabretta Nerello Mascalese 2003 ※3
Les Cretes Pinot Nero 2011 ※2

齋藤さん:「ワイン人口増えてきましたね」

肉厚が特徴のシチリア あえて軽くて爽やかな白

アッキー 続いて三本目です。(※3)
齋藤 土っぽい…?
田村 意外な軽さ。シチリアだと果実っぽいイメージが強いから。
山田 そうですね。さっきも言ったけど南は肉厚なのが特徴なんだけど、軽口でもいいものを作ってるギャップも楽しみたいなと思って。標高の高いところで作られてて、エレガントで酸がしっかりしてる。
田村 南だけど、あえて北のブルゴーニュ風ってこと?
山田 そうそう。
齋藤 詳しいね~田村さんすごいよね。ワイン飲み始めたのここ数年なんでしょう。
田村 俺、凝り性なんだよね。今はガールズ競輪にはまってます。
齋藤 女子競輪!?
(しばし女子競輪のトークが続く)

齋藤さん
本誌連載『大通りの齋藤』さんでおなじみ。
本日の対談場所、『オット』のオーナー。

ワイン×料理 マリアージュのチカラ

アッキ― では今回の感想を。
齋藤 今日の三本は夏だね、TUBEだねって感じ。
田村 ああ夏休み。
齋藤 最近のお客様って、お野菜を食べる方がすごく多くて。野菜にあんまり重いモノは合わせづらいし、そういうときに今日のワインはいいかも。酸味のある料理にも合うし。
山田 そうですね。軽いワイン=安い=マズイと思われがちなんですけど、決してそんなことはなくて。TPOに合わせればいいんです。
田村 料理も美味しかった。対面式のお店だと、今日こういうワインが入ったのでこのメニューを合せてみませんかって、そういう提案ができるからいいですよね。
アッキー ワインから食が広がって行くこともあるんですね。
山田 そうそうそう。だからワインは面白いんですよ。

今回お世話になった店 盛岡市菜園 イタリア小料理屋l compleanno(イルコンプレアンノ)

1)「このお店を開いてから、岩手のワイン人口が想像以上に多いことに驚きました」と齋藤さん。キノコのグラタン風
2)本日の一本目のような、酸味のあるスッキリしたワインとも好相性のピクルス

シェフ・長澤さんの本場イタリア・ボローニャ仕込みの料理で人気を呼ぶイタリアン。カジュアルで気楽なのに、立地のせいもあり隠れ家感があるのもいい。素材を大切にしたメニューは、温かみのあるちょっと素朴なものが多い。カウンターにテーブル2卓の小さなお店だが、ワインの揃えも豊富。黒板に書かれた季節のメニューも必見。このワインに合う料理は? カウンター越しの会話も楽しみながら、楽しい夜を。

お店オススメの一本
Salice Salentino Rosso Natalina delp
無堆肥で栽培されるブドウから生み出される

■otto(オット) 019-651-8878
(住)盛岡市大通1-11-20
(営)11:30~14:00(月~木)・17:30~22:00(LO)
(休)金・土・祝前日~24:00・日祝