コラム一覧 > 優しさで纏う。オーガニックコットンの話。
最近何かと耳にする機会が多くなった「オーガニック」。
何となく「優しそう」や「環境によさそう」とイメージを持たれている方も多いと思いますが、
実際に「オーガニックの本当の意味はよくわかっていない。」そんな方も見えるのでは無いでしょうか?
かく言う私もspanでオーガニックコットンを取扱うまでは詳しい意味は知りませんでした。
今回はオーガニックの中でも私達の取り扱う衣類で多く使用されている「オーガニックコットン」に関して
お話させて頂きます。
オーガニックコットンは「これからオーガニックコットンを作ります」と言っていきなり作れる物ではありません。綿花を栽培する土が基準をクリアしていないといけません。その基準とは、
オーガニックコットンを作るための "土を作るために" 3年もの月日が必要です。
なぜ下準備に3年もかかるのか?それは、土中から農薬の影響が消えるのに約3年かかるからです。
3年経過した農薬や化学肥料の影響を受けていない土壌に【遺伝子組み換えをしていない綿花の種】を植え、ようやくオーガニックコットンの生産が始まります。
化学肥料や殺虫剤、除草剤を使わず牛糞や堆肥、てんとう虫等の益虫を活用して、通常の綿の栽培より手間をかけながら育てていきます。
栽培の際も綿花に葉っぱなどが混ざらないよう、人工的に枯れ葉剤を使用して、茎や葉を枯らして綿花を摘み取る通常のコットンと比べ、オーガニックコットンは、 自然に葉が落ちるのを じっくりと待ってから収穫します。
通常のコットンと比べると、時間も手間もかかるオーガニックコットンを何故わざわざ使うのか?
コットンは元々繊維の中でも肌への刺激が少なく肌触りが良い天然繊維です。
通常ののコットンは着る人に優しい素材です。
では「オーガニックコットンの優しさとは?」
通常のコットン栽培では、農薬や化学肥料を大量に使用するため、栽培に関わる人々の健康被害や、地下水の汚染・枯渇が大きな問題となっています。
化学肥料を使わずに、てんとう虫やカゲロウなどの益虫などの自然をうまく利用し、土壌や水質の環境に配慮して栽培されるオーガニックコットンは、環境だけでなく現地で働く人々にとっても優しい素材です。
オーガニックコットンを使用した製品を選ぶことは、私たちの地球を守ることにつながるだけでなく、現地で暮らす人々への配慮にもなるのです。
毎日着る服にオーガニックコットン製品を取り入れれば、おしゃれを楽しみながら、生産地域の人々の暮らしや地球の未来を支えることができます。
ここまでオーガニックコットンの良さを説明してきましたが、肌にも環境にも人にも優しい素材ですが完ぺきではありません。しっかりオーガニックコットンの事を知ってもらいたいから少しだけデメリットのお話も。
通常のコットンに比べ生産に手間がかかるため、生産者も少なく生産量も綿全体の1%未満と希少性の高いものです。その為どうしても通常の綿に比べると値段が高くなってしまいます。
オーガニックコットンの表面にポツポツと黒っぽい点が見られることがあります。これは取り切れなかった枯れた葉等です。
オーガニックコットンは漂白剤なども使用していない為に通常のコットンよりポツポツが目立つことも。洗濯を繰り返すことでだんだん見えづらくなってきます。
それにこれがオーガニックの証と思って見てるとだんだん可愛らしくも見えてきますよ。