コラム一覧 >  羊からの贈り物。メリノウール

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メリノウールって? 普通のウールと何が違うの?

最近ちょっとずつ名前を聞くようになってきたメリノウール。
でもまだまだご存じのない方も多いと思いますので、今回はメリノウールについてのお話。

メリノウールとは主に「オーストラリア」「ニュージーランド」「フランス」などで飼育されている
「メリノ種」の羊の毛を原料にしたウールです。他の羊よりも繊維が細く繊細で優れた肌触りを持っています。

メリノウールを着たことがない
スタッフに聞いた

spanスタッフが詳しく解説します。

チクチク知らずの快適素材。

柔らかい

ウールと聞くとまず一番に、冬に着るセーターを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
確かにウールのセーターを素肌に着るとチクチクします。そのイメージからか

【ウール=チクチク】
というイメージを持たれる方も少なくありません。

人の肌は一般的に太さ30マイクロン以上の繊維が5%以上含まれるとチクチクと不快感を感じると言われています。

同じウールでも一般的なセーターのウールとメリノウールはまったくの別物。
セーターなどのウールは素肌に直接着る想定で作られていないため、太い繊維を使用しています。
それは太い繊維のウールのほうが安価だからです。

それに比べメリノウールの繊維は13〜20マイクロンと細いため肌への刺激が少なくチクチク感を感じにくくなっています。

年中快適。「天然のエアコン」

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冬は暖かいのに夏は涼しい。そんな魔法のような素材のメリノウール。 その驚きの秘密は毛の縮れにありました。

ウールの繊維はその他の繊維に比べても毛の縮れ(クリンプ)が多い繊維です。このクリンプが多いほど繊維の間の空気の層が多く高い保温力を持っています。

また、ウール繊維の表面はうろこ(スケール)状になっており、湿度によってうろこが閉じたり開いたりして、繊維内の水分量を自動的に調整します。
夏場のじめっとした時期に過剰になりすぎた水分を排出し適切な水分量に保つことで、べたつかずさらっと快適に着用できます。
このスケールが多いのもメリノウールの特徴となっております。

メリノウールはコットンの2倍、ポリエステルの30倍の水蒸気を吸収・放出し
余分な水分は蒸発させ、適度な水分を繊維内に蓄えることで、蒸れないのに乾燥しないほど良い水分量で快適な肌心地が続きます。

寒い時期は魔法瓶のような高い保温力で暖かさを保つ暖房効果。

暑い時期は不快な湿度をちょうどよく調整して快適に保つドライ機能。

デメリットもメリットに。

速乾性を謳った化学繊維などに比べると、メリノウールの乾くスピードは確かにゆっくりです。ただゆくっりなことはデメリットだけではなく、デメリットを覆すほどにメリットが大きかったりします。

【乾きが悪いのにメリット?】

一般的な速乾素材は、毛細管現象という液体の付着力と表面張力を使用した作用で、生地の肌側についた汗を外側に移動させてから、素早く拡散させてしまうといった構造です。

すぐ乾くので洗濯の際などうれしい面もたくさんありますが、反面デメリットもあります。
速乾素材を利用し汗をかいた状態で、風が吹くと寒いと感じたことはありませんか?
これは汗が蒸発する際に体温も一緒に奪われる気化熱効果の為です。これは【汗冷え】と言われ、冬など寒い時期の大敵です。

一方メリノウールは高い吸湿性を備える素材のため、体から吸収した汗を繊維の中に一度吸収し、断続的に蒸発させます。その為に乾くスピードが遅くなります。ですが素早く蒸発しないので体の体温が奪われることもなく、汗冷えが発生しません。乾くのは遅いけれど汗はしっかり吸収してくれるのでさらっと快適なのも嬉しいポイントです。

キレイが続く【清潔素材】

ウールは構造上、繊維の表面に水分が残りにくいため、臭いの原因となるバクテリアや菌の繁殖を防ぎ、さらにニオイ分子そのものを吸着し閉じ込める性質があり天然の抗菌・防臭性能を備えた素材です。

ニュージーランドで行われた試験ではウールはポリエステルに比べて66%、コットンと比べて28%も着用後のにおいが少ないという結果が出ております。

防水

メリノウールは天然の撥水作用があり、汗や汚れがつきにくく、表面に付いた水分もサッと拭き取ればシミにもなりません。食事の時の「汁はね」や、夏場の大敵「汗ジミ」の悩みも解消できます。

天然の抗菌。防臭作用と併せて、メリノウールが清潔素材といわれる理由はここにあります。

高品質をお手頃価格で。

メリノウールは数ある素材の中でも高級素材に分類されます。
インナーでも桁違いのお値段を見ることも多々あります。spanで使用してるメリノウールも有名ブランドが使用しているメリノウールと引けを取らない上質なメリノウールを使用しています。

【じゃあ高いんじゃ・・・?】


spanのメリノウールの商品は
企画・製造・発送まで全て社内で行っています。
その為、他店さんに比べて中間のマージンを抑え、お安く提供できます。
また私たちspanはウールの産地【尾州】から商品を発信しております。
地域の生地屋さんと手を取り「もっとメリノウールを知ってほしい」そんな思いよりできる限り手の届きやすい値段設定としております。

防水 防水

私たちがメリノウールをお勧めする理由

私たちspanがある岐阜市は尾州産地の端に位置します。
古くからの伝統や技術の継承、雇用の確保、そして地場産業の振興に取り組む一環として、尾州のウールを使用したメリノウールを使用しています。

世界的に有名なウールの産地【尾州産地】の素材を使い

ファッションの街として栄えた【岐阜】でのモノづくり、発信を大切にしています。

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木曽川の清流で育まれた、世界トップクラスの品質を誇るウール

愛知県一宮市、稲沢市、津島市、愛西市、江南市、名古屋市、岐阜県岐阜市、羽島市、各務原市を中心に栄える、国内生産量の8割を占める一大毛織物の【尾州産地】。
尾州はイギリスの「ハダースフィールド」、イタリアの「ビエラ」と共に”世界三大毛織産地”のひとつと称されるほど世界的に知名度が高く、トップクラスの品質を誇る繊維の一大産地です。
木曽川の豊かな水と肥沃で温暖な濃尾平野の恩恵を受け、各分野の職人の匠な技を掛け合わせて尾州ウールは生まれています。
是非私たち尾州産地が誇る最高品質をお試しください。

長くご利用いただくために

メリノウールは汚れに強い(水をはじく)特性があることをご説明しましたが、それでも使い込むにつれて汚れが目立つようになりますし、身に付けるものを常に清潔に、長くご利用いただくためにも洗濯は欠かせません。

手で優しく洗ってください。

私たちが販売するメリノウールは全てご家庭での洗濯が可能です。洗濯機でバシャバシャ洗えないこともありませんが、洗濯機をご使用されますと他の洗濯物との摩擦などにより繊維やお洋服への負担が大きいために30℃以下のお水で手での押し洗いをおススメします。
もし洗濯機をご利用の場合は必ず30℃以下のお水で裏返して単独でネットに入れて洗ってください。

洗濯洗剤を選ぶ

洗剤には、ウール専用の洗剤もありますが、どこのスーパーでも気軽に買える物ではありません。ウール専用洗剤をお持ちの場合はそちらを使って頂くのがベストですが、通常は一般の中性洗剤もしくは天然素材の洗剤をおススメします。
漂白剤、蛍光増白剤の入った洗剤の使用はお控えください。
洋服を洗濯する前に洗剤の原液をほんの少し目立たない部分につけてみて、色落ちや縮みをチェックする事をおススメします。

乾燥について

お洗濯の最後に洗濯機の脱水機能にかけると素早く水が切れて簡単ですが、長時間行うと素材が痛んでしまう可能性があるため、極力、自身の手で、バスタオル等で挟んで水気をとるなどしましょう。

ある程度水分をを取ったら、次は干して乾燥させましょう。
干す際は、風通しの良い場所で干します。干す際はハンガー等での吊り干しよりも平干しをおススメします。ハンガーで干すと一部分に負荷がかかり伸びたり型崩れの原因となります。干す際に扇風機やサーキュレーターで風を当てるのも工夫の一つです。

spanのメリノウール

メリノウールは優れた吸湿性や汗冷えの少なさなどから、アウトドアのシーンで良くご利用されています。
spanのメリノウールも名だたるアウトドアブランドに引けを取らない品質なので、もちろんアウトドアシーンでもご利用いただけます。

ですが、メリノウールは本当に素晴らしい素材なので、アウトドア以外での日常のシーンでもご利用頂きたいと思っています。

普段使いしやすいデザインとサイズ感の商品を多く取り揃えておりますので是非ご覧になり、メリノウールの良さを実感頂けますと幸いです。

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