大雪時のタイヤチェーン装着義務化へ2018.12.14

最近、“異常気象”というワードを多く耳にするようになりました。

夏場には最高気温が40度を超えるような"猛暑"が例年のこととなり、熱中症の対策は、屋外だけでなく、駐車した状態の車内でも十分に注意する必要があります。
一方、四季のある日本では、冬場の厳しい寒さや寒気とともにやってくる"大雪"でも大きなニュースになることがあります。

記憶に新しい件としましては、今年2月に北陸エリアで降り続いた記録的な大雪により、国道でおよそ1500台の車が数日間動けなくなり立ち往生してしまうことがありました。
国土交通省の調べでは、立ち往生車両は平成27年度で年間500台以上。このうち、全体の約6割が大型車とのことです。また、冬タイヤを装着していても、縦断勾配5%を超える区間では立往生が多く発生したとのことです。

さらに特筆すべき点としましては、立往生した車両の75%が冬タイヤを装着していましたが、そのうちタイヤチェーン未装着車は9割弱を占めていたという結果があります。
条件によって異なると思われますが「雪道も4輪冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)だから大丈夫」とは、言い切れないようです。
『近年の積雪状況および平成29年度豪雪の状況について 資料2』(国土交通省)をもとに作成
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/toukidourokanri/pdf04/02.pdf

上記のような大雪による大規模な立往生を防ぐため、今年12月に国土交通省より、大雪時のタイヤチェーン装着を義務づける全国13区間が公表されました。
実際には、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時の規制で、勾配の大きい峠部等でこれまでに大規模な立ち往生が発生したような場所を規制区間とし、13区間が特定されたようです。
『大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)』(国土交通省)をもとに作成
http://www.mlit.go.jp/common/001264475.pdf

この規制が行われている際は、ノーマルタイヤ・冬用タイヤともにチェーンをつけずに道路を通行することはできません。もし、チェーンをつけずに規制された道路を通行した場合は、道路交通法違反で警察の取り締まりの対象になるとのことです。
なお、今回特定された区間には中国・四国地方まで含まれており、無縁だと思っておられるドライバーも実は対象予備軍かもしれませんのでお気をつけください。

いずれにしても、規制の有無や交通違反であるかないかに関わらず、大規模な立ち往生も元をたどれば1台の自走できない車両から引き起こされることが多いようです。
本格的なウィンタードライブを前に、降雪の多いエリアにお住いの方はもとより、お車での移動の多い方、遠方への旅行を予定しておられる方は、お持ちのタイヤチェーンのサイズが適合したものかどうかをはじめ、タイヤチェーンに不備や不足している備品がないかどうか、さらには、確実に取り付けができるかどうかを確認する意味も込め、取り付けと取り外しの試着をしてみてはいかがでしょうか?

また、タイヤチェーンをまだお持ちでない方は、タイヤチェーンを選択する基準として、JASAA認定の商品(JASSA=一般財団法人 日本自動車交通安全用品協会 http://www.jasaa.jp/ )をお選びいただくことをお奨めいたします。
JASSAは優れた自動車交通安全用品の普及を図るため、その性能に関する基準の作成、性能の審査等を行い、交通の安全と円滑に寄与することを目的とした協会です。JASSAの認定を受けた商品は、タイヤチェーンに必要な耐久性や登坂性など各種の実車走行試験で性能を有した商品となります。

タイヤチェーンは大多数が緊急時での使用が想定されます。JASAA認定品には、耐久性や性能だけでなく、ジャッキアップが不要で、車の移動さえなく取り付けられる商品も多くあります。
緊急時だからこそ、取り付けやすく、バッドコンディションでも十分に効果を発揮する商品をぜひお選びください。

冬季関連の商品は、販売予定の在庫が完売しても、追加での製造がないことが多いものです。タイヤチェーンに関しては人気のタイヤサイズの品番から先になくなってしまい、いざ必要な時に在庫がないことがあります。
気に入った商品を見つけたら、早めにお求めくださいますことをおススメいたします。