ンドは世界一の紅茶生産国で、年間80万トンの紅茶を生産しています。

インドの紅茶は、大きく分けて三種類。生産地の名前からそれぞれ
ダージリンアッサム、そしてルギリといい、季節、各地方の地理的条件、あるいは農園により、実にたくさんの個性的な紅茶が生産されています。

この3種の代表的紅茶を以下で少しご紹介したいと思います。






ダージリン紅茶は北方のヒマラヤ山脈の麓で生産され、日中と夜間の大きな気温差から出る山霧に茶葉が刺激を受け、他に類のない独特の香り、渋み、苦味、コクを備えています。
まさに紅茶の王様といえるでしょう。
紅茶の生産は天候、緯度、茶樹の種類、土壌、あるいは空気まで、あらゆる自然環境に影響されます。どれが違っても味に違いが出るのです。従って同じダージリン紅茶でも、茶園、収穫時により大きな違いがあり、このバラエティーの豊かさもまたダージリン・ファンを魅了してやまないのです。


ダージリンの茶樹と茶葉

茶樹の多くはは中国原産種、中国改良種、アッサム交配種です。中国種はアッサム種に比べ生産量は少ないのですが、よりよい香りの紅茶を生産します。

茶葉は茶色が基本で、緑の葉や白い小片が混じります。葉の裏側、つぼみ、時には茎にまでとても小さな産毛が沢山あり、このように産毛のある葉がいわゆるTIPで、これを摘んで作られるTIPPY TEAは高級品とされます。

「紅茶」というと濃い紅を連想される方も多いと思います、本当のダージリンは水色は薄く、透明感ある明るいオレンジ色です。
◆ 茶摘の時期
ニルギリ紅茶と違い、ダージリンは冬の間摘まれることはなく、休閑期があります。摘まれた時期により、異なる名称で呼ばれます。

●ファーストフラッシュ:
冬の終りに降る少量の雨から10〜15日後の、3月末から4月始めにかけて、その年最初の茶摘が始まります。これがいわゆるファーストフラッシュです。若々しさあふれる味わいが魅力。

●セカンドフラッシュ:
5、6月に摘まれる紅茶です。成熟し、独特の渋みや苦味ものった力強い味わい。ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュともに、類まれなおいしさです。

●オータムナル:10月から摘まれる紅茶、これもおいしい味の収穫となります。
ダージリン紅茶はダージリン地方でしか生産されません。世界中のいかなるところでも真似て生産することができず、それゆえ金の重さにも匹敵するともいわれ、オークションでは常に最高値で取引されます。

インドの全紅茶収穫量の2%(去年まで3%と言われていました)、20000ヘクタールの茶畑で、年間1200万キロという生産量を考えても、うなずけますね。





アッサムはインド紅茶の発祥の地。
1823年にロバート・ブルースによって発見され、1839年に8チェストがロンドンのオークションに出品されて以来(注:これはティーボード・インディアの見解。他に1838年という見解もあります)、イギリスの紅茶シーンにもなくてはならない存在です。アッサムの茶樹の発見無くして、イギリス紅茶は語れません。
ヒマラヤ山麓を流れるプラマプトラ川の流域の、限りなく広がるこの地方は自然環境、気象条件ともに理想的な世界最大の紅茶生産地。見渡す限りどこまでも、ビリヤード台のように緑が続き、象、一角サイ、水牛、沼鹿が生息し、狩猟好きには格好の場です。そこでアッサムのロゴには一角サイがモチーフとなっているのです。

年間生産量は約360000000kg。


◆ 茶葉と茶摘の時期

茶葉は黒っぽく、上質のアッサムは薄茶色〜明るいオレンジ色の小片(ティップ)が混じります。

アッサム地方は年間を通して雨が降り、特に7〜9月は多くの降水量があります。乾季は1・2月のみ。3月〜12月半ばまでが収穫時期です。75%は7・8・9月の大雨の時期に摘まれ、レインティーと呼ばれるこの茶葉のほとんどはCTCにされます。CTCはミルクティーを飲む国には好まれます。

水色は吸い込まれそうに美しいルビー色で、ストレートで味わうと、甘い香りがします。また、アッサムと言えばミルクティー、というように、最もミルクティーに向く紅茶でもあります。







ニルギリとは「青い山脈」の意味。雨の多い、南インドのアラビア海寄りに走るニルギリ山脈の丘陵地帯で「ニルギリ紅茶」が生産されています。

イギリス入植者によって1853年に初めて茶園ができますが、同時にコーヒーの大産地でもあります。多くのスパイスが自生する原生林を切り拓いてできた茶園は、鉱物の含有量が多いといわれてます。
茶葉と茶摘の時期

決まった収穫時期のあるアッサムやダージリンと異なり、年間生産が可能ですが、2度の雨季があるため、年2度のクオリティーシーズンがあります。茶葉は濃い茶色で、緑の小片が入ることも。

青い山脈の豊富な滋養分に恵まれ、スロープ、崖、高原、隅のあらゆる生産可能な場所に茶園が広がり、25000ヘクタールの茶園で、年間5万6000トンの生産量を誇ります。

はっきりして安定している味わいのため、ブレンド用に重宝されています。ブレンドティー、ミルクティー、スパイスティーなどに向いていますがあっさりした味わいはストレートでもおすすめ。

また、ニルギリも水色の美しさは、見事!!上質のニルギリはかすかにバラの香りがします。


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