• 刺しゅう作家 青木和子さん スペシャルインタビュー!
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今日は、フリー刺しゅうデザイナー 青木和子先生に、お話を伺いたいと思います。青木先生の、繊細でナチュラルなモチーフに魅了されたファンの一人として、とても楽しみにしておりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。

−−−お庭に咲く四季折々の草花や、そこにやって来る虫、小動物など、日々の暮らしの中のモチーフ刺しゅうは、見る者を優しい気持ちにさせ、癒してくれます。その作品から、青木先生のお人柄を感じますが、刺しゅうには、何時ごろから、どのように携われていらっしゃったのでしょうか?また、そのきっかけは?

その頃は仕事にするとは思ってもみませんでしたが、小学生のころから本を見ながら、独学で刺しゅうを楽しんできました。 仕事として刺しゅうを選んだのは、スウェーデンに留学したり、結婚、子育てをしながら、仕事を始めようと思ったとき、家でやれるものをと考えて…。そうするうちに、展覧会をしたり、雑誌社からお仕事をいただいたりするようになりました。

−−−青木先生の刺しゅうには、みずみずしい季節感があふれており、日々の感動が込められているように、お見受けします。長靴であったり、カゴであったり…。焼き芋や石までも!いろいろな素材を作品にされる時は、どのように思いつき、作品になっていくのでしょうか?

まずは、自分の好きなものをモチーフにします。庭仕事の中から、花や身近なものを…。 また、普通刺しゅうしないようなものは、面白いと思います。絵に描けるものは、すべて刺しゅうできますので…。 美術大学時代からデザインをやっておりますので、絵を描くのは日常ですが、絵から刺しゅうのデザインを起こす場合と、デッサンせずに直接刺しゅうを刺していくこともあります。

青木和子先生の作品
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−−−今回の花の図案集を何冊か拝見させていただきました。素晴らしい観察力は、毎日のガーデニングとの関わりがあってのことと思います。お庭の様子など、お話いただけたらと思いますが…。

12〜3年ぐらいは、バラに夢中でした。最近では、アジサイやハーブ、季節で咲くものを中心に植え、農薬を使わないナチュラルガーデンにしています。オーガニックにしたことで、はち、ちょう、とんぼなどの虫や、イモムシなども増えて、庭が賑やかになりました。 これらの虫や植物は、私の刺しゅうと切っても切り離せないものになっています。

−−−フリーステッチは、より絵画に近い感覚と申しますか、同じステッチで刺すクロスステッチと比較して、ステッチ選びやステッチの向きにより、素材感やデザインが生きるのを感じます。例えば、どんぐりのつるんとした感じはサテンステッチ、セーターの編み目はチェーンステッチなど、思わず納得します! フリーステッチは敷居が高い…と感じておられる方も多いと思うのですが、そのような方に、アドバイスをいただけますか?

私にとりましては、クロスステッチもフリーステッチも区別なく、先人が残してくれたものという感じです。 なるべくシンプルに表現することを心がけることで、刺しゅうに専念できます。難しいステッチを使うということでなく、ふさわしいステッチを選ぶことがコツだと思います。 簡単なステッチを少し覚えるだけで、いろいろなものを刺すことができます。

青木和子先生の作品
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−−−青木先生の作品の、何とも言えない上品で素敵な色合いが好きな方、多いと思います。刺しゅう作品には、色のイメージもとても大切だと思いますが、糸選びのコツなどありますか?また、青木さんご自身は、どんな色目が好きですか?

糸は、ピンとくる色を選びます。メーカーによっても微妙に違いますし、色にはこだわります。おかしいなと思ったら、何度もほどいてやり直したり、差し色を入れたりと工夫したりします。 好きな色は、ブルーがかったピンクや紫など、どちらかと言うと、クールカラーでしょうか。

−−−このインタビューを読み、講習に参加したい、こんな暮らしをしてみたいと、憧れを持たれる方も多いと思います。ファンの方へメッセージなど、ございましたら、お願いいたします。

暮らし自体がシンプルで、日中は主に、アトリエで仕事をしたり、ガーデニングをしたりしています。 庭仕事や、時に訪れる旅、展覧会など、刺しゅう以外のことから、刺しゅうのヒントをもらいます。良い刺激を得て、きれいだなと思い、感じることが大事だと思います。

−−−本日は、お忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございました。

青木和子先生の作品
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青木和子

刺しゅうデザイナー
武蔵野美術大学卒業後、日本カラーデザイン研究所にて、カラープランナーとして、リサーチ&マーケティングに関わる。その後スウェーデンに留学し、自然とデザインの美しさ、友人のデザイナーたちのライフワークバランスを学ぶ。 現在、刺しゅうの表現の可能性を多くの人に届けるよう、多くの書籍およびキットをデザインしている。 書籍は、フランス、中国、韓国、台湾の翻訳され、フランスDMC社より、世界中に向けキットが販売されている。
広告制作も刺しゅうデザイナーとして、数多く手がけている。