SKRUF / La Pomme シードルグラス

アイスシードルメーカーの
アイスシードル用グラス
La Pomme / Made in Sweden

デザイナーのアトリエを訪れたからこそ、出会うことができるアイテムもある。2017年2月、久しぶりにスウェーデンにあるインゲヤード・ローマンのアトリエを訪ね、そこで見せてもらった、このグラスをスコープのラインナップへ加えた。それはアイスシードル用という少し変わったグラスだ。Brannland Cider社という、スウェーデンの若い会社から依頼を受けたデザイナーのインゲヤード・ローマンが、Brannland Cider社やソムリエと打ち合わせを重ね、アイスシードルをより引き立たせ、かつBrannland Cider社のアイスシードルボトルとの相性も考えたフォルムに作り上げた。生産はスコープユーザーに馴染みのスクルーフなのだけれど、スクルーフからは販売されておらず、アイスシードルの会社からのみ発売されているだけに、なかなかコレと出会うのは難しい。アトリエを訪れたからこそ出会えた物、である。もちろん、すぐにインゲヤードが僕たちを先方に紹介してくれたから可能になったのだけれど。また面白いことに、もう一つの出会いが生まれている。それはアイスシードルというお酒との出会いである。アイスシードルと聞き、シードルという言葉から、長らく発泡性の酒をイメージしていた。けれど、よくよく調べてみれば、それは別物でありデザートワインの類の酒であった。アイスワインの作り方を応用し、凍らせて水分を減らし甘味を凝縮したリンゴを絞り、その果汁を発酵させて作る酒のことをアイスシードルと呼ぶ。甘みが強くデザートワインに分類される、馴染みの薄い、新しい酒、である。とはいえ食後のデザートより、食後のチーズとデザートワイン、そんな締めくくりが好みであり、洒落ていると思い込んでいる最近であるから、このグラスが身近にいてくれる事は、一つの楽しみが増えてくれるに等しい。アイスワイン、貴腐ワイン、ポートワイン。それらを食後に飲むなんてのが、心地よいお年頃なのである。そして、このグラスは、それなりに長い脚と、少し狭く上品に窄まった口とがとても上品な佇まいを備えているから、それらを飲みたいと思わせる。赤ワイングラス、白ワイングラス、シャンパングラスと色々あるけれど、僕の場合はシャンパングラスより、このアイスシードル用グラスの方が重宝する日々が増えそうだ。デザートワインにチーズ、特にブルーチーズ。これが楽しみの一つになりつつある。また、デザートワインは糖度が高いため開栓後も劣化しにくく冷蔵庫保存できるので、数日に渡り少しずつ飲む事もできる。男性がウイスキーやブランデー、コニャックなどを飲むようなタイミングで、女性がカルバドスやラムを飲むのもシャンであるけれど、デザートワインの類を、こんな上品なグラスで飲むというのもよりモアシャンではないだろうか。このグラスを手にする事で新しいお酒の扉が開き、新しい楽しみが生まれるのなら、そんなに素敵な話はない。ただ、そんな沢山は必要のないグラスでもあるから、思い切って人数分揃える必要はない。

残念ながら近くのワイン屋にはアイスシードルは置いていなかったので、店員が勧めてくれたアイスワインを買った。通販すれば手に入りはするけれど、どこでも売っている物ではない。だからという訳でもないのだが、これは用途をアイスシードルに絞る事もないだろう。デザートワイン用のグラスと捉えればいい。また、このグラスを手にしたからには、Brannland Cider社のアイスシードルを飲みたいと誰もが思うことだろうけれど、日本ではまだ流通していないようだから、入手は極めて困難であることは、前もってこちらにてお伝えしておく。グラスと併せてアイスシードルも輸入出来たらよかったのだけれど、そんな能力はスコープに備わってはいない。

SKRUF (スクルーフ)
Ingegerd Raman (インゲヤード・ローマン)