フィンランドのイッタラとアラビア、この2つのブランドを取扱開始したのはスコープが開店した2000年です。その頃はまだティーマもアラビアだった時代、スコープはティーマ、カルティオ、アイノ・アアルトからスタートし、徐々にラインナップを増やしていくなかで、国内定番外シリーズの取扱を開始しました。それがコンスタンチン・グルチッチ、マーク・ニューソンが参加したリレーションズだったり、アルフレッド・ハベリのキッズスタッフだったり、ハッリ・コスキネンのオマだったりです。その新作群はブランドの中心にあり続ける過去の名作シリーズに負けず劣らずな素晴らしい内容で、新進気鋭のデザイナーとイッタラ・アラビアが融合した新製品群は圧倒的にオリジナル!僕はとっても心惹かれていました。そんな国内定番外でも僕の記憶に特別深く残っているのがサルヤトンの前身、ハッリ・コスキネンのオマシリーズです。ハッリ自身がスコープでの販売をアラビアへ強く押してくれた事もあり、輸出不可となっていたシリーズながら、スコープだけは特別に許可が出て販売することができました。そして、その頃からスコープの別注・復刻が始まります。スコープが最初に別注したアイテムはティーマプレート12cmホワイトだと思われていますが、実はその前にティーママグにアーティストHIMAAのグラフィックを転写した、初代スコープ別注マグが存在します。2007年に1000個限定で作りました。そして、日本の食卓には小皿が必要という考えから、ティーマプレート12cmホワイト5,000枚を別注したのですが、その数量に腰が引けてしまい、考えに考えまして誕生したのがお得な10枚セットです。それが好評となり即完売に至ります。そう、この時から別注と企画の二輪駆動がスタートしたわけです。そして2009年にはスコープのメインプレートともいえる、パラティッシオーバルプレート25cmブラックの復刻を果たします。これは1万枚のオーダーをもってやっと実現したのですが、新たに型から復刻することがいかに大量オーダーを必要とするかをシミジミ実感することになります。結果として、苦労しながらも2年かけて完売。それに懲りる事なく重ねるようにして、2010年には24hアベックのブルー、ブラウンを復刻、2011年には24hアベックのグリーンを復刻するのですが、ここで別注した物がスコープに届くより先に何故だか並行輸入ショップで発売されるという大事件が起こります。そこで交渉したのが代償として24hアベック柄のhouse towelハンドをノベルティとして生産してよいという権利を獲得することです。つまり、この時に現在のノベルティ企画が誕生したわけです。そして同年2011年には、カステヘルミプレート10cmという新製品を生み出す結果に至ります。本当はヴィンテージにある直径8.5cmのコースターを復刻する予定だったのですが、それをそのまま生産するのは難しいということでイッタラ側が提案してくれたのが、プレート10cmでしたから、復刻のつもりが新製品誕生という結果を生み出します。そしてヌータヤルヴィガラス工場閉鎖の決まった2014年にはフローラ6アイテムを復刻、2017年にはFrutta復刻へとオイバ・トイッカデザインのガラス食器群の復刻企画が続きます。2019年からはイッタラの定番ティーマを、スコープ的生活にマッチする別注中心のラインナップで構築することを始めました。そして、2020年冬には念願のRunoフロストベリーをスコープ冬企画としてリリースし、毎年アイテムを増やしながら、冬の定番食器として販売を続けていく予定です。それ以外にもキビやカルティオの別注色も度々リリースしていますし、エエヴァやアアタミを復刻したつもりからのアラビアカラーズ、スンヌンタイにも別注アイテムを作っています。つまりスコープの歴史というのは、イッタラやアラビアとの歴史でもあるわけです。ただ、イッタラやアラビアでのスコープ別注というのは、発売当初はスコープのみでの販売となりますが、発売から1年もしくは2年が経過しましたら、イッタラやアラビアからも発売される可能性はあります。数量限定と明確に書いていない別注というのは、追々他から出てくる可能性は非常に高い物ですから、そこはご理解ください。でも、スコープ的には普通に買えなくて日々愛用できないから、別注してラインナップしているわけなので、それが普通に買えるようになるというのは良いことでして、それはそれでいいと思っています。