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精油のお話

精油蒸留に興味をもったきっかけはねむの木の花でした

こちらはひのきの葉です

養蜂は春から秋にかけてはバカみたいにいそがしいのですが、寒くなってくると少し時間ができます。 その時間に何かできないかと、色々考えていたところ、ふと「ネムノキ」のことを思い出しました。

ネムノキってご存じですか。マメ科の樹木で、日本に広く自生しています。6月になると濃淡のあるピンク色の美しい花を咲かせます。その花が咲いている時期に木の下を通ると、えも言えぬ甘い香りが漂ってきます。

花が香りを出すときは、受粉期到来ということ。香りに誘われてたくさんの虫がやってきて、受粉を促します。

このネムノキの甘い香りはずっと心に残っていました。
「あの甘い香りを凝縮して手に入れることはできないものだろうか」 色々調べていくうちに、樹木やハーブなどの香りの発する油部分を精油(エッセンシャルオイル)と呼び、それを抽出する方法もあることがわかりました。
一番簡単な抽出方法を「水蒸気蒸留法」といいます。

原理は焼酎の蒸留と一緒で、釜の中に蒸留したい樹木と水を入れ、密封して熱を加えると香りがついた蒸気が発生します。この蒸気を冷やして集めると、油部分と水部分に分離します。
この油部分が精油、水の部分が芳香蒸留水(ハーブウォーター)です。

原理はわかったので、一度やってみよう。
家にある鍋を改造して、山からとってきた杉の葉を入れて、一度蒸留してみました。

すると部屋中いっぱい「もうまるで森林の中!!」

といわんばかりの、とてもいい香りで部屋が満たされました。

そうです。せっかく蒸留された精油が、すべて部屋に飛散してしまったんです。だから部屋はとてもいい香りになったのに、まったく精油は溜まらず。

「これは、ちゃんとした蒸留器を買ったほうがいいね」
そこで、蒸留器を一つ買ってみることにしました。ひのき風呂に入りたいし。

ひのきの葉をていねいにカット

ひのきの蒸留をしてみた

蒸留器でひのきを蒸留

水蒸気蒸留法で抽出する精油。
そのキットを購入して、自分ちで蒸留してみることにしました。少々値のはるものでしたが、興味のほうが勝りました。

初めての蒸留は、裏山に自生しているヒノキの葉を使ってみました。

ただ、すべてが見よう見まね。
使い方もよく分かりませんし、いったいどれくらいのひのきを釜に入れて、どれだけの量の水がいるのか、また蒸留時間はどれくらいか、そういうマニュアルはありません。蒸留をしてみようと思う人が少ないのもあって、そういったレシピめいたものは出回っていないのです。

今でこそ、どのハーブはどれくらいの蒸留時間が必要か。どれくらいの量を入れればいいのかは一応、マニュアル化していますが、それもすべて一つずつ実証してみて得られた結果によるものです。

たとえば蒸留時間を 長くすれば、より多くの精油は取れますが、精油と一緒に取れる芳香蒸留水(ハーブウォーター)にはエグミのある香りが混じってしまいます。焦げ臭くてあまり品質はよくありません。また、抽出される精油成分にも様々な雑味が混じってきます。

かといって蒸留時間を短かくすると、「軽い香りの部分」しか取れなくなります。アロマセラピーの世界ではトップノートという言い方をするのですけど、香りの最初の部分でふわっと香ってきて、さっと消えていく。そんな香りだけが取れるようになってしまい、香りに深みがなくなるのですね。

だから蒸留時間は非常に大切なのですが、大切だからこそ、インターネットで調べてもなかなか分からなかったのではないかな。と今では思っています。

とは言っても、それでも蒸留器で蒸留すると精油は取れました。
初めての蒸留でも、立派なひのきの精油がとれました。

さっそくお風呂に垂らしてみると、、、

それはそれは。まさに森林の中にいるような気分。とても気分がリラックスして。
やはり日本人には日本の樹木の香りが心を落ち着けるのでしょうか。

ひのきの精油には、木の部分と葉の部分がありまして、かぎ比べると香りの違いがよくわかります。木はまさにひのき風呂のような、新築の家のような香りなのに対し、葉のひのき精油は繊細でハーブのような香りです。

ただ、木の部分に比べて、葉の精油は抽出量がとても少ない。それでも、ひのきの葉の部分の香りを気に入ってしまい、それ以降ずっとひのきは葉の部分の精油を抽出しています。

よい香りの精油がとれる自生する樹木。
私たちが住む兵庫県の中腹では、ひのき・杉・クロモジがあることが分かってきました。

ささやまビーファームのエッセンシャルオイル