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アロマボトルのお話

山に行って木を採るところから作るアロマボトル

アロマボトル全景

ビーファームでは「アロマボトル」も製造販売しています。

アロマボトルの商品一覧はこちらです。

これは「精油を入れて持ち運びできるアクセサリー」で、アロマペンダントとも呼ばれます。

本体部分が木、ボトル部分がステンレスです。ボトル部分には、キーホルダーかペンダントをつけることができ、お買上の際にはどちらがいいかを選ぶことができます。

ステンレス部分に小さな穴があいており、そこから香りが外に出る仕組みになっています。木の部分は中がくりぬいて、そこに綿が入っています。綿に染み込ませるように精油を数滴入れると、10日から2週間ほど香りが持続します。

実はこのアロマボトル、すべて手作りです。どこから手作りかというと、山に行って木を採ってくるところからです。
山から採ってきた木は、いい大きさにカットしたあと、半年ほど乾燥させます。もちろん、慌てて乾燥したいときには乾燥機も使いますが、できるだけ自然乾燥をしています。

山から採る材木は、山桜、ブナ、クロモジ、竹(根の部分)、けやきなどで、それぞれ材質の触感や硬さ、色など様々です。
また、山から採った木以外にも「唐木」と呼ばれる造形用の樹木もあります。ビーフウッド、ボコーテ、ウォルナット、パープルハート、縞黒檀、パロサント、花梨などです。こちらは、板を材木屋さんで買ってきます。

このそれぞれの木の特徴などは、今後順を追って紹介していこうと思います。

実はこのアロマボトル、夫(麻伸)が夜な夜な、一人でアロマボトルを作っているのですけども、養蜂が忙しくなると、とてもアロマボトルにまでは手が回らなくなります。
春までにストックしていたものがどんどんと売切れていき、秋の終わりに一番売切れが多くなります。

冬は、真夜中でも夫の部屋から「ガーーーーー」と大きな音が聞こえます。
木を削っている音で、まわりに民家があったり、都会のアパート・マンションとかだと騒音問題で大騒ぎになるんだろうなあ、田舎の一軒家でよかったなあ、とこの音を聞くたびに思います。

クロモジ

丹波篠山にはクロモジが比較的多く自生しています。
ささやまビーファームでは山を借りたり、山の持ち主から許可をいただいたところの木を伐採して、それをチッパーなどで砕いて蒸留し、クロモジの精油や芳香蒸留水を抽出しています。

このクロモジ、チッパーでみじん切りにした枝や葉を煮出すと、クロモジ茶になります。和精油の王様と呼ばれるほどの、甘くて深い香りが広がるお茶はとても飲みやすく、ビーファームでも作業の休憩時間によく飲みます。
このお茶、最近ではテレビで「インフルエンザ予防に」などとうたわれたこともあって、けっこう人気があるみたいですね。

クロモジのアロマボトル

このクロモジの木は、ほかにもいろんな使い方ができまして、たとえば細く切ると楊枝になります。和菓子の爪楊枝のことを「クロモジ」というのは、このクロモジの枝を細く切って使っているからなのですね。
楊枝に使えるということは、けっこう硬くて細工がしやすい、ということです(硬い木ほど木工細工はしやすい)。

ですからアロマボトルにもクロモジがあります。
ささやまビーファームの精油蒸留で使うチッパーは、比較的細い枝でないと粉砕できず、太い幹は残ってしまいます。そういった幹を使ったり、あるいは原木のいい形の部分を使って、アロマボトルに加工します。
クロモジで加工をすると、木工部屋がほんのりとクロモジのいい香りに包まれます。

様々な細工がしやすいので、どんり型やストレート型、原木型など、様々なタイプのアロマボトルがあります。

クロモジのアロマボトルはこちらです。

原木型は、よく売切れになります。
売切れになったら次作られるまでお待ちください。
夫の「やる気」次第ではありますが、がんばってつくります。

根竹

根竹のアロマボトルもあります。

白い根竹アロマボトルはこちら
黒い根竹アロマボトルはこちら

この根竹は竹の根っこの部分です。
とても硬くて、昔からいろんな工芸品に使われてきました。
最近でも、釣りの疑似餌などにもこれで加工した商品も出ているようです。

この根竹、じつは一番採るのが大変なのです。
竹の生育エネルギーはすごくて、地上にグングン伸びますが、同時に地中にもグーーーンと入り込んでいきます。どんな固い地盤でも、ぐいぐいと入っていくものだから、それを掘り出すのは至難の業です。

根竹のアロマボトル

よく、自然薯掘りに行く人が「自然薯を掘るのは大変やでー」っておっしゃいますが、それ同様に掘り出せません。だからこそ竹林はなかなかつぶれないのでしょうけど。

それで、時折近くの建築屋のおじさんが、自分の山を少し広げる時があって、その時に竹林を少しつぶしたりするのですけど、その現場で待ち受けて「根っこくれーー」といってもらってきます。
これが一番の早道。まるでカラスになった気分ですが。

おじさんも笑って、根っこ部分をその重機でささやまビーファームの家の前まで運んでくれます。
ただこれは、おじさんが竹林を壊している時にしか使えない荒業なので、ふだんはゆっくりと根っこを採る作業の繰り返しではあります。

こうやってして採った竹の根の、使えそうなよい部分を切り取って、丁寧に磨いて、ビーファームのミツロウを塗って作ったのが、この竹アロマボトルです。

あまり商品として、出回らないのですけど、ときおりビーファームの商品棚に置いてあるので、またご覧になっていただければと思います。

山桜

春になると美しいピンクの花を咲かせる
お花見でよく見る桜はソメイヨシノといって、江戸時代にできた園芸品種です。雑木林や山に自生している桜は、その原種で大きく何種類かに分かれるのですけども、総じて「山桜」と呼んでいます。

花が咲く季節もマチマチで、4月の初めから遅く咲く花は5月くらいに咲くのもあります。花の色も赤いのから白に近いのまであります。花の量も園芸品種と比べると、むちゃんこ少ないです。遠くでピンク色だー、と思って近くとかなりションボリするくらい花は少ないです。

この桜の木の枝を裏山から少しいただいて、それを半年ほど乾燥させます。その乾燥した木を使っています。

桜の木って、表面は黒っぽくて少しツルツルしています。
この木の感触がとてもいいので、そのまま原木をアロマボトルにしているタイプがあります。

山桜の原木アロマボトルはこちらです。

山桜のアロマボトル

桜の木は少し茶色っぽ黄身がかっていて、ツヤがあります。
少し硬めの木です。

硬めの木は使いこむほどにツヤが出てきて、いい感じになります。

こちらが、裏山の山桜で作った、どんぐり型のアロマボトルです。

実は山桜の花は、ミツバチさんの貴重な蜜源になります。お花見用の桜じゃなく咲く時期もバラバラなので、長い間の蜜源となるのです、 また、桜の木をチッパーにして蒸留すると、ほんのりと甘い桜の香りのする蒸留水がとれます。