直売所に行列ができる鮎

あの頃の天然鮎を目指して
「天然よりも天然な鮎」を

さくらフィッシュの養殖場は、お世辞にも便利な場所にあるとはいえません。さくら市でも端の方、山裾の田んぼと川に挟まれた場所に位置します。

その養殖場の直売所には、季節になると営業時間の8時よりも前からお客さまが並び始めます。

「焼き鮎12本」「焼き鮎10本」「昨日、予約した〇〇だけれども」と、皆さん、慣れた様子で注文されます。

お客さまたちが口々に話すのが「ここの鮎は味が違うから」「身の付き方が違うんだよね」「ここの鮎を食べたら、ほかのところの鮎は食べれないよ」と。

これらの言葉を頂くたびに、私たちは、心から嬉しいと思うと同時に、より一層その味を高めていこうと身が引き締まる思いになります。

世の中には、「天然の鮎は、やっぱり養殖の鮎と違って、臭みがなくて、身が締まっておいしい」といわれる方がいらっしゃいます。

私たちもそう思います。

確かに、『昔の』天然の鮎はおいしかったのだろうと。

私たちが目指しているのは、当たり前のように川の水を手ですくって飲めた時代の天然の鮎です。

祖父は、自分が子ども時代に川で獲って食べた鮎の味が忘れられず、その味を目指して昭和46年に鮎の養殖業へ参入しました。

すでにその頃は、自然環境が変化し、天然の鮎を楽しむということは到底難しい状況でした。

本来、自然の風味をたっぷりと含んだ鮎の身は、臭みもなく、それをじっくりと炭火で焼くと頭から丸ごと食べることができるほど柔らかいものでした。高度経済成長や農業の近代化などで変化した自然環境によって、天然鮎は身のつき方もまばらになり、臭みがあり風味を損ない、どんな餌を食べてきたかを疑うような味がするようになっていました。

しかし、養殖であれば、自分が子どもの頃に食べたあの天然鮎の味を再現できるはずだという想いがありました。なぜならそこには、ほかにはない美味しく良質な伏流水が豊富にあるからです。

私たちの養殖場があるさくら市喜連川は、町の名前に川がついていることからもおわかりのとおり、荒川・江川・内川・岩川の4つの河川が南北に貫流する緑豊かな喜連川丘陵と呼ばれる河岸段丘に発展してきました。その荒川の上流の先には全国37都道府県のおいしい水で全国第一位になった「尚仁沢湧水」があります。喜連川にはおいしく良質な伏流水が豊富にあるのです。

祖父は、鮎を育てるのに河川の水は一切使用せず、その伏流水を汲み上げた水のみで育てることとし、今もさくらフィッシュの鮎は養殖場で汲み上げられた地下水のみで育てられています。

そして、環境変化に敏感でストレスを感じやすい鮎で、おいしい天然鮎の味を再現するためには、自然から与えられた水質だけではなく、良質で安全な餌の開発はもちろんのこと、病気を持ち込まない防疫体制の徹底や水中酸素量のチェック、経験豊かなベテランスタッフによる目視調査、 ボイラー設備による温度管理、酸素を直接水中に注入できる装置の導入など、独自に研究・開発しながらさまざまな管理体制と設備を導入しました。

それらと合わせて、どのような条件で味や姿・形が変わるのかを徹底的にトレースし、管理することで天然鮎の風味を追求し続けました。その結果、安全で健康な魚の成育は厳重な安全管理体制を構築することにもつながっております。

ぜひ、荒川養殖漁業生産組合インターネット直売店で、私たちの自慢の鮎をお買い求めください。