日本酒の用語

ここでは、日本酒のラベルなどに記載されている、基本的な用語の説明を行っています。よく目にする「日本酒度」「アミノ酸」などについての説明となっていますので、ラベルを見るときなどの参考にしてみてください。

日本酒キーワード

日本酒度  (+・−)(甘い)(−) ← (±0) → (+) (辛い)

「日本酒度」とは、酒の甘辛の目安となる数値のことです。日本酒度は、水(±0)に対する酒の比重を「日本酒度計」で測定したもので、清酒の比重を表すものであります。

糖分が高い甘口の酒は比重が重くなり日本酒度は「−」に、糖分が少ない辛口は比重も軽くなり、日本酒度は「+」の傾向になります。但し、飲んで感じる甘辛には酸度や仕上げの手法も関係してきますので、日本酒度が「−」だから甘ったるいということはありません。したがって、あくまでも目安程度で受け止めてください。


酸度  (淡麗)(−) ← (±0) → (+) (濃醇)

「酸度」とは、日本酒に含まれるコハク酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸の量で、味の濃淡をみるために使われる数値です。現在、日本酒全体の酸度の平均値は1.3〜1.5で、これより低いと淡麗、高いと濃醇とみられます。

また、適度な酸味は酒の旨味、飲み口の良さに大きく影響します。日本酒の甘い・辛いは日本酒度だけでは、正確に判断できず、この酸度の数値もふまえて判断されます。日本酒度がマイナスの酒は、酸度が高い方が、味に旨みと爽快感が出ますし、日本酒度がプラスに切れる酒は、酸度が低いと淡麗辛口になると見られています。


精米歩合

「精米歩合」とは、原料米をどのくらい精米して磨いたかを表すものです。例えば精米歩合60%は米の表層部を40%削って精米した米を使用しているということです。

精米歩合の数値が小さいほど、「雑味」が減る傾向にあります。


アミノ酸度

「アミノ酸度」とは、お酒に含まれる酸の1つで、清酒の旨味を構成し、コクを引き立てるアミノ酸の度数を言います。日本酒にはアルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸など約20種類のアミノ酸が含まれています。

また、飲み口の良さや、のど越しの爽やかさは、このアミノ酸により決定されます。例えば、酸度が低い場合でもアミノ酸が高いと辛口で重たい酒となります。アミノ酸も低い場合は、淡麗で口当たりの良いお酒となります。


酵母

米のでんぷんは、麹によって糖分となりますが、それをアルコールにするのが酵母です。日本酒の香りを左右する酵母には多種類ありますが、酒の質や味に合わせて酵母を使い分けます。

有名なのが「協会9号」酵母です。ほとんどの蔵元がこの酵母を使用したことがあるといっても過言ではないくらいです。日本酒醸造協会が頒布しているのは全て○○酵母とつきますが、最近では県単位で独自に酵母を開発しています。

いくつかあげますと、長野県の「アルプス酵母」、福島県の「うつくしま酵母」、秋田県の「花酵母」、別名「AK-1」といわれ、最近では、石川県で開発された協会14号があります。酵母の種類によって香りが変わってきますので、意識しながら飲んで選んでみてください。(参考:「うわさの名酒新200」講談社)


杜氏

酒造りの総責任者が杜氏です。また、技術者は酒造技能者と呼ばれ、そのほかは蔵人と呼ばれています。杜氏の資格は酒造技術検定で一級技能士を取得したものです。杜氏集団がその出身地に形成され、現在20以上あります。


原料米(酒造好適米)

日本酒を造る米は、食用米を酒造用に品種改良した米で「酒米」と呼ばれます。その中でも産地や品種銘柄などについて得に農水省の指定を受けた米を「酒造好適米」と呼びます。代表的なものに「山田錦」「雄町」「八反錦」「美山錦」「五百万石」などがよく使用されています。

代表的な原料米「酒造好適米」
◆山田錦 : すっきりで底はしっかりとした味わいになる兵庫県産がもっとも多い
◆美山錦 : 独特な香りとスマートに仕上がる長野県産
◆雄町 : しっかりとした形があり、芳醇なタイプになる
◆五百万石 : あまり自己主張しないが、おとなしく仕上がる
他にも、「玉栄」「豊錦」「オオセト」などは良く見かける種類だと思います。