観葉植物の用語集1
お手入れ 殖やし方 肥料 環境 病害虫 性質他
観葉植物のお手入れ
観葉植物の水やり

水やりの詳しい説明はそれぞれの観葉植物の項で見ていただきたいのですが、夏は多めに、冬は少なめ(但し暖房の強い部屋は意外と乾きます)にというのが基本です。また観葉植物を枯らしてしまう原因の多くが水やりの間違いによるものです。特に夏の水枯れ、冬のやりすぎが多いです。水やりは毎日少しずつではなく、与えるときはたっぷりと与えて次の水やりまでの間隔で調整してください。とりわけ冬季は受け皿に水を溜めないように注意してください、根が呼吸できなくなり根腐れをおこします。冬は乾燥気味に育てるのが上手に育てるコツです。

鉢上げ
苗床から植木鉢に移植すること。また、庭植えの木や草を植木鉢に移植する場合にも使われる言葉です。
植え替え
根をそのままにして、より大きい鉢に植え替えること。また根詰まりした不用根を取り除き、適当な大きさの鉢に植え替える事で、いずれも観葉植物にとっては一般に4月〜6月頃が良いです。逆に冬は注意が必要ですので、不必要な植え替えをしないほうが無難ですよ。
切り戻し
姿を整え新しい芽を出させるため、不要な茎を、付け根、または茎の途中で切ること。5月ごろベンジャミナやドラセナなどを切り戻し、環境の良い場所で育てると新芽がきれいに生え揃います。
剪定(せんてい)
姿を整えたり、樹勢を調整するなどの目的で、枝を切ること。
鉢回し
植物には「屈光性」といって光に向かって伸びてゆく性質があります。
窓辺で鉢をそのままにしておくと明るい方に向かって伸び、葉や花も明るい方に顔を向けるのでバランスが悪くなります。ときどき鉢を180度回してあげて下さいね。
霧吹き
植物は根からだけでなく、葉からも水分を吸収します。その際、霧吹き等で葉に水を与えます。冷暖房中や乾燥した室内では、特に有効です。
葉水(はみず)
植物全体の葉に霧状の水を散布し葉に湿り気を与えます。空中湿度を必要とする植物などに有効です。高めの湿度を好む植物には有効で、冷暖房のかかった部屋では特に効果があります。葉の表面にはホコリもたまりますので、濡れたやわらかい布で拭いてやっても良いでしょう。また、葉の裏にも散水することで、ハダニの予防に大変効果があります。
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観葉植物の殖やし方
挿し木
植物の枝、葉、茎の部分を切り、水はけの良い土に挿して発根させること。親株と同じ性質の株を簡単に増やすことができます。ただし、すべての植物で行えるわけではありませんし、観葉植物の場合ある程度の温度があることが条件です。ベンジャミナ、パキラ、ホンコン、ストリクタ、ドラセナなどで可能です。
葉挿し
葉一枚から再生すること。葉柄の付け根を中心に放射状に葉を数片に切り挿したり、葉脈のところどころに切り傷をつけた葉を土につけておくと、発芽、発根して一固体に成長します。ベゴニア、サボテン、多肉植物などはこの方法で簡単に殖やせます。
根伏せ
切った根を伏せて土をかけておきます。1か月もすれば新しい芽や根が出るので、鉢に植え替えます。コルディリネ、サンセベリア、アロカシアなどがこの方法で殖やせます。
取り木(高取法・たかとりほう)
枝に傷を付けるなどし、その部分から発根させて殖やす繁殖方法。樹皮の茎に直径約1.5倍の幅に環状剥皮し、発根処理をする。この部分を中心に上下湿ったミズゴケで包み、その上をビニールで覆いテープで巻く。その後発根したものは、母株から切り離し土に植え替える。多くの果樹、花木に応用されている。観葉植物の場合背が高くなって、下の葉がなくなりバランスが悪くなったゴムノキ、ドラセナなどなどを、低くして仕立て直す場合に有効です。
株分け
株を2つ以上に分割し、それぞれを1個体として生育させる方法。分割したときはそれぞれが自根をもち、その後の生育も順調で安全確実な繁殖方法です。サンスベリア、シュロチク、カンノンチク、ヤシ類、アナナス類などに有効です。
鱗茎(りんけい)
球根の種類で、葉の変形したものを「鱗茎」と呼びます。リュウビンタイがこれにあたります。
実生(みしょう)
タネを蒔くこと。その結果得られる苗が実生苗で、実生苗や実生株を単に「実生」と呼ぶこともある。
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観葉植物の肥料
緩効性化成肥料
一度与えると長い期間、おだやかに効き続ける肥料で、粒状の化成肥料や有機肥料を鉢のふちに置いたり、用土にまぜたりして用います。
液体肥料
液状のものか、溶かして使う粉状の肥料で水やりや葉水の要領で与えるとすぐに効果が現れる肥料です。
有機肥料
植物質(油かすなど)や動物質(骨粉など)を原料にした肥料で、土の中で分解された後、ゆっくりと効果が現れ、土質も良くなります。発酵が不十分なものだと異臭を伴うことがあります、また虫が発生しやすく室内では取り扱いに注意が必要です。
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観葉植物の設置環境
エアコンの冷風、温風
植物そのものの90%ぐらいは水であるため、「エアコンの冷風、温風」によって乾燥し、水分を失ってしまいます。風が直接当たらないように注意しましょう。
遮光
強い光線を嫌う植物のために、室内等の管理する場合レースのカーテン等を用いて日よけをすることです。
葉やけ
葉の日焼け。観葉植物には強い光を好んだり、耐える種類もありますが、特に葉の薄い植物は強い光に弱い傾向があり、日照不足の室内で管理しているものを、急に強い光にあてると葉やけをおこし葉の色が悪くなって、観賞価値が下がってしまいます。葉が大きくてやわらかいものは、直射日光にあてるとまず葉やけを起こすと考えてくださいね。
夜間の室温
冬季など急激に夜間の室温が下がる場合がありますが、寒さの害を受けた植物は葉が変色したり、さらに進むと茎の基部から枯れたり、根腐れを起こし枯れてしまいます。一般的に観葉植物は寒さに弱いですから、十分注意してください。
光線不足
日当たりが悪いなどの光線不足になると、葉色が薄くなったり、葉が大きくなったり、茎間が間伸びしてしまいます。また、病菌、害虫が増えやすくなりますよ。
半日陰(はんひかげ)
木漏れ日の差す場所や、レースカーテン越しなどの、柔らかな日光が当たる場所。午前中だけ日光が当たる場所を含めることもあります。
日陰
終日、日光が当たらない場所をいいます。
日なた
終日、日光があたる場所をいいます。
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観葉植物につく病害虫
注意!!
防除のための薬剤を購入する際は、くれぐれもお店の方に状況を詳しく説明し、使用するようにしてください。また添付の使用上の注意をよくお読みになり、濃度や回数等を間違えないようにして、使用後の注意事項も守るようにしてください。薬剤の使用にはくれぐれも注意が必要です。
下記薬剤は一般的なものです。また保管にも注意し、お子様の手の届くようなところには置かないようにしてくださいね。
ナガオコナカイガラムシ(ワタムシ)
ドラセナ、クロトン、アレカヤシ、ベンジャミナ、マングーカズラなど多くの観葉植物の新芽、葉裏、葉の付け根に長さ3〜4ミリ、白色、ワラジ状の虫が群生して吸汁します。排泄物にすす病が発生し、虫の周囲はいつも黒く汚れます。
一般にカイガラムシ類は移動することはありませんが、コナカイガラムシ類には脚があり自由に歩きまわることができます。
防除
体の上にいつも殻を背負っているので防除の難しい虫で、薬剤が効きにくい。発生に気づいたらピンセットや歯ブラシで虫をこすり落とすのが最も効果が高いです。
ハダニ
葉裏に寄生し汁を吸います。被害が進むと葉の葉緑素がぬけ白っぽくカスリ状になります。高温で乾燥した環境で発生しやすくアイビー、ストリクタ、ドラセナ(幸福の木、アオヒロバなど)、チャメドレアなどにつきやすい。
極微小な虫ですが、繁殖力が強く薬剤に対する抵抗力がつきやすいため、数種類のダニ退治薬を交互に散布して防除することが必要です。
防除
発生初期にオサダン水和剤25、サンマイトフロアブル、ケルセン乳剤40等を散布する。夏季は屋外で上から水をかけたり、上記の薬剤を霧吹きするのも有効です。
予防策
風通しの良い涼しい環境を作ることが必要です。
カイガラムシ類
庭木や果樹などに寄生して大きな被害を与えます。
はいせつ物は、炭ソ病やこうやく病などの病気を誘発させます。成虫は殻をかぶって防除が難しくなるため、比較的退治しやすい幼虫期(5〜7月)の薬剤散布が決め手です。
フィカス類(ベンジャミナやガジュマルなど)、ゴム、ケンチャヤシ、ストレリチア類につきやすい。
防除
ナガオコナカイガラムシ同様、発生に気づいたらピンセットや歯ブラシで虫をこすり落とすのが、最も効果が高いです。
アブラムシ
多くの種類があり、あらゆる植物に寄生します。体長は2〜4mm程度の小さな虫ですが、繁殖力が旺盛で、汁を吸って害を与えます。新葉を巻いてしまう種類もあります。またウイルス病の媒介をしたり分泌物でアリを誘引したりします。ホンコンカポック、フィカス類(ベンジャミナやガジュマルなど)、ショウナンゴム、アイビーなどにつきやすい。
防除
予防のため植え込み時にはモスピラン粒剤、アドマイヤー1粒剤、オルトラン粒剤などを土と混ぜ込む。発生が認められたらアドマイヤーフロアブル、オルトラン水和剤、アディオンフロアブルを散布する。
炭ソ病(たんそびょう)
葉・茎・花・果実と発生する箇所はさまざまです。円形の黒い病斑ができ、葉は古くなると穴があき、果実では落ちてしまいます。被害枝は早めに切り取り、薬剤散布して予防してください。またあらゆる植物に発生します。
防除
被害部分をすべて除去し、薬剤を使用。ベンレート水和剤、マンネブダイセンM水和剤などを散布します。
予防策
土の水はけ、通風を改善しましょう。
うどん粉病
若い葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように白いかびが一面に生えます。広範囲の植物に一年中発生しますが、一般には春と秋に多発します。定期的に薬剤散布して予防してください。高すぎない温度と高湿度、風通しの悪い状況で発生しやすくなります。ダイギンリュウ、トウダイグサ科の植物、ポインセチアなどに発生しやすい。
防除
被害部分をすべて除去し薬剤を使用。ダコニール1000、ベンレート水和剤、ミラネシン水溶剤などを散布する。
予防策
通風を改善し、十分な日照を確保します。できれば雨に当てないほうが良いですよ。
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性質他
根腐れ
鉢の中に閉じ込められた水や腐敗した水、また長期間受け皿に留まった水の影響で植物の根が腐ってしまう病害。多くは菌類などに侵されて起こりますが、水や肥料のやりすぎ、水はけ不良による根のまわりの通気不良、根詰まりあるいは乾燥や高温などで根が十分に呼吸できなくなるために起こります。植木を暗いところに設置した場合や、低温期には水のやりすぎに注意しましょう。植木鉢に鉢カバーをつけた状態で、受け皿のなかの水の状態が見えづらいときも水のやりすぎに要注意です。
徒長(とちょう)
日光不足などが原因で、通常の姿よりも間延びすること。光線不足は葉色が薄くなったり、葉が大きくなったり、また病菌、害虫が増えやすくなるなどあまり良いことがありません。
休眠状態
低温や乾燥など、環境条件が生育に適さないとき、植物が活動を一時停止すること。特に低温期は水や肥料のやりすぎに注意してください。
気根(きこん)(空中根、地上根)
根の重要な役割は「水」と「水に溶けた栄養分」の吸収です。水の吸収は根端細胞の近くの根毛部分で行われます。ポトス、モンステラ、パンダナス、フィカス類(ベンジャミナやガジュマル等)、フィロデンドロンなどの根は、しばしば地上の茎や幹から地上に伸びるため、空中根、地上根、気根などと呼ばれています。気根の状態によってはカッコよくなって観賞価値が高まることがありますよ。
先祖返り
変化した茎葉が、元の状態に戻ること。斑入り葉の斑が抜け、緑一色になるのがよい例。
貯水葉(ちょすいよう)
内部に貯水組織を持つ葉のこと。ビカクシダ(コウモリラン)に見られる。
仏炎苞(ぶつえんほう)
肉穂花序を包んでいる、大きな苞。サトイモ科の花によく見られます。スパティフィラム、アンスリウムの花など、また観賞価値は少ないですが、ディッフェンバキアやサトイモ科植物の花などによく見られます。
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