変圧器とは?
変圧器とは、交流電力の電圧を変換する器具です。トランス、トランスフォーマー、変成器、変電器などとも呼ばれます。
※当店ではメーカー商品名と合わせるため、「変圧器」と呼称いたします。
より正確には、「交流電力の電圧の高さを電磁誘導を利用して変換する電力機器」となりますが、厳密に解説しようとすると電気関係の専門用語のオンパレードになって、難しくなってしまいますので、ここでは基本的な項目を、できるだけ簡単にご説明したいと思います。
- ダウントランス
ダウントランスとは、海外の電源電圧を日本の電化製品の電圧に合わせるための変圧器です。降圧変圧器などとも呼ばれます。
海外の電源電圧は110V〜240Vで、日本の電源電圧(100V)よりも高圧なので、海外で日本の電化製品をそのまま使うとショートしてしまいます。これを避けるため、海外の電源電圧を日本の電化製品の対応電圧まで下げる機械が必要となります。これを行うのがダウントランスです。
- アップトランス
アップトランスとは、日本の電源電圧を、海外の電化製品の電圧に合わせるための変圧器です。昇圧器やステップアップトランスなどとも呼ばれます。
日本の電源電圧は100Vで、海外の電源電圧(110V〜240V)よりも低圧なので、日本で海外の電化製品は電圧不足のため使用できません。使用するためには、日本の電源電圧を海外の電化製品の対応電圧まで上げる機械が必要となります。これを行うのがアップトランスです。
- トランス式変圧器
本体に内蔵した金属線(コイル)で変圧するタイプの変圧器です。コイル式とも呼ばれます。
トランス式変圧器は、容量が大きくなればなるほどコイルの量が増えるため、大きく、重くなっていきますが、構造がシンプルなため、容量さえオーバーしなければ、大半の電化製品を使用することができます。
- 電子式変圧器
電子回路によって通電量を調節するタイプの変圧器です。熱器具専用変圧器、ドライヤー専用変圧器といった商品もこれに該当します。
トランス式変圧器に比べて軽く、容量も大きいため便利に思えますが、構造上、電圧そのものを変圧しているものではない(電子回路で通電量を調節し、見かけ上の電圧を一定に調節している)ため、パソコンやデジタルカメラなどのAV機器、炊飯器や空気清浄機などのマイコンを内蔵している家電など、精密機器に使用した場合、変圧器も電化製品も、両方とも故障してしまいますので、注意が必要になります。
変圧器の選び方(海外で日本の電化製品を使う場合)
海外で日本国内で市販されている電化製品(100V仕様)をお使いいただくには、ダウントランスが必要です。
ダウントランスは、海外のおおよその電圧に合わせて、120V→100V、220V→100V、240V→100Vの3種類に分かれています。さらに、それぞれの変圧器には電力容量(W=ワット数またはVA=ボルトアンペア)があり、その電力容量を超える消費電力の電化製品には、ご使用いただくことはできません。
■Point1 入力電圧の確認
まず、海外でご使用になる日本製の電気機器の入力電圧をご確認ください。
対応電圧(入力電圧)は、主に電化製品本体の定格表示シールや、取扱説明書の仕様欄に記載されています。定格表示シールでの代表的な記載例は、下記の3種類があります。
![]() 渡航先の電圧に合わせた変圧器(※ダウントランス)が必要です。 |
![]() アメリカなど120Vまでの電圧には対応します。それ以上の電圧(220/240/250V)を使用している国ではダウントランスが必要です。 |
![]() 変圧器なしで、ほぼ世界中でご使用いただけます。ただし、ノートパソコンや充電器などのACアダプターを使用する電化製品では、ACアダプターから先の電源ケーブルが日本仕様のため125Vまでしか対応していない場合があります。その場合は、高電圧対応電源ケーブルをご使用ください。 |
■Point2 お使いになる国の電気事情を確認
ご使用になる国の電圧と電源プラグのタイプをご確認ください。
なお、ご渡航先の国・地域によっては、同地域によっても電気事情が異なる場合があり、その実情を完璧に把握することは出来ません。可能であれば、現地の方に電源電圧とプラグの形状をお伺いすることのが最も確実な方法なのですが、それが難しい場合には、弊社にて編纂いたしました海外電気事情一覧ページをご参照ください。
※地域によっては、記載内容と異なる場合も想定されます。記載内容と現地の電気事情が異なる場合も当方では責任を負いかねますので、予めご了承下さい。
■Point3 消費電力を確認
最後に、海外でご使用になる日本製の電化製品の消費電力(W=ワット数またはVA=ボルトアンペア)をご確認ください。
消費電力も入力電圧と同じように、機器本体の定格表示シールや説明書の製品仕様欄に記載されています。
次に、その容量以上の変圧器をお選びください。
モーターを使用しない電化製品の場合は、変圧器の電力容量の80%(消費電力×1.2でも計算できます)を目安に、モーターを使用する電化製品の場合は、モーター使用の機器類は起動電流が高いため、変圧器の電力容量の30%(消費電力×3でも計算できます)を目安として、使用する電化製品の消費電力が、上記の目安とする電力容量を超えない範囲でご使用ください。
★それでは、これらのポイントをふまえて、実際に「イギリスで日本の炊飯器(消費電力800W、モーター未使用)を使う場合」に必要な変圧器を選んでみましょう。
《1.入力電圧を確認》 日本の電化製品なので、対応電圧は100V、電源周波数は50/60Hz、電源プラグはAタイプ(平型2ピン)です。 |
《2.使用する国の電気事情》 イギリスの電源電圧は240V、電源周波数50Hz、電源プラグはBFタイプ(角型3ピン)です。 |
《3.電化製品の消費電力と、必要な変圧器の容量》 800W×1.2=960Wとなるので、960W以上の電力容量のある、240V→100Vへの変圧が可能なダウントランスが必要となります。 |
以上で、必要な変圧器は「960W以上の容量の240V→100Vへのダウントランス」ということがわかります。なお、多くのダウントランスの電源プラグはCタイプですので、BFタイプに変換するための変換アダプターが必要となります。 |
■ご使用を推奨できない電化製品
次の電気製品は、変圧器を用いての海外でのご使用はおすすめできません。
- ドライヤー、掃除機、洗濯機、冷蔵庫などの、モーターを使用する電化製品
- 電子レンジ、アイロン、電気調理機器などの、消費電力が非常に高い電化製品
また、電子レンジなどはもともとの消費電力が非常に高いわけですから、いずれも大容量の変圧器が必要となります。
大容量の変圧器は、重量も重く、費用も海外向けモデルを購入されるよりかえって高額になる場合がございますので、コウベサコム・海外電気CLUBでは、海外対応モデルのご購入をお勧めしております。
日本で海外の電化製品を使う場合
日本国内で海外の電化製品(120V〜仕様)をお使いいただくには、アップトランスが必要です。アップトランスは、海外のおおよその電圧に合わせて、100V→120V、100V→220V、100V→240Vの3種類に分かれています。さらに、それぞれの変圧器には電力容量(W=ワット数またはVA=ボルトアンペア)があり、その電力容量を超える消費電力の電化製品には、ご使用いただくことはできません。
■Point1 入力電圧の確認
まず、ご使用されたい海外の電化製品の入力電圧をご確認ください。入力電圧は、主に機器本体の定格表示シールや説明書の製品仕様欄に記載されています。おおまかに、アメリカやカナダなどの120V、中国やヨーロッパなどの220V、イギリスやオーストラリアなどの240Vがあります。
■Point2 電源周波数の確認
<重要>変圧器では電源周波数の変換はできません!
変圧器は、電圧の変換はできますが、周波数の変換はできません。
しかし、日本国内は関東(50Hz)と関西(60Hz)では電源周波数が異なっています。日本国内で販売されている電化製品のほとんどどは50Hz/60Hz共用の仕様となっておりますが、海外では50Hzのみ、あるいは60Hzのみであることが一般的であり、電化製品もどちらか一方の電源周波数にしか対応していない場合があります。
仮に220V/50Hz仕様の海外の電化製品を日本国内で使用する場合、電源電圧はアップトランスを用いて220Vへ昇圧することは可能ですが、変圧器はその構造上、電源周波数を変更することができません。そのため、50Hz仕様の製品を関西以西(60Hz)の地域でご使用いただくことはできません。
50Hz/60Hz地域の境界線は、下記の電源周波数マップをご参照ください。
■Point3 消費電力の確認
消費電力も入力電圧と同じように、機器本体の定格表示シールや説明書の製品仕様欄に記載されています。次に、その容量以上の変圧器をお選びください。
モーターを使用しない電化製品の場合は、変圧器の電力容量の80%(消費電力×1.2でも計算できます)を目安に、モーターを使用する電化製品の場合は、モーター使用の機器類は起動電流が高いため、変圧器の電力容量の30%(消費電力×3でも計算できます)を目安として、使用する電化製品の消費電力が、上記の目安とする電力容量を超えない範囲でご使用ください。
■Point4 電源プラグ形状の確認
ご使用になる電化製品の電源プラグが、変圧器の出力プラグ形状に対応しているかをご確認ください。例えば、出力プラグ形状がCタイプのアップトランスの場合、イギリスの電化製品(電源プラグがBFタイプ)をそのまま使うことができません。一旦、Cタイプに変換するための変換アダプターが必要になります。
参考資料・電化製品別消費電力目安
商品名 | ワット数 |
電気カミソリ | 10W |
トランジスターラジオ | 10W |
コンタクト煮沸器 | 20W |
テープレコーダー | 30W |
パーソナルコンピュータ | 70W |
ビデオテープレコーダー | 50W |
ミニコンポ | 100W |
アイロン | 1200W |
★ジューサーミキサー | 300W |
★冷蔵庫 | 300W |
★洗濯機 | 300W |
ジャーポット | 900W |
ジャー炊飯器 | 1000W |
ホットプレート | 1300W |
★衣類乾燥機 | 1400W |
電子レンジ | 1500W |
※上記の表は、あくまで目安としてご使用ください。
※★印が記入されている商品にモーターが使用されています。
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https://www.rakuten.ne.jp/gold/sacom/trans_faq.html
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