性の衰え―間違った食生活がみすみす精力を弱めている。

だれでも年齢とともに性的な機能が衰えてくるのは否定できないだろう。セックスに 対する欲望も弱くなり、回数も減る。この点に関して、医者はとかく口を閉ざしてあまり 多くを語りたがらない。が、セックスの衰えは、肉体全体の老化の明らかな黄色信号である。この場合、主に男性についていうのだが、性機能の低下は早い人なら二十代後半から、 遅い人でも四十代には現われてくる。

人間の身体は、まず二十歳でピークを迎え、それからは、徐々に、それこそ表面的には 目立たぬにしても、衰えていく一方なのである。セックスも例外ではない。 「人間のあらゆるエネルギーの根源には、性的な衝動が隠されている」というのはドイツの心理学者ジグンド・フロイドの言葉である。彼の説をとるなら、性的な能力の低下は 本人にとってたいへん深刻な問題である。セックスの衰えが肉体的、精神的な活力さえ 逆に萎えさせてしまうというのだから。しかも、精力の衰えが同年代の人と比べて著しい 場合、悩みはいっそう深刻になる。

しかし、そのような人は性生活を悩む前に、ちょっと考えてほしいことがある。毎日の 食生活である。意外にも、間違っている食生活が、肉体的エネルギーの低下の原因になっている場合が少なくない。そして性的な不能にまで至っていることも決して珍しくない。 飢饉などで、極度に栄養状態が悪化した時は、その地域の出生数は落ちてしまう。 これらは、流産したり、死産したりする以上に、性的な能力が栄養不足のために低下したからにはかならない。

少し話はそれるが、あらゆる生物は、劣悪な。環境では、自分一個の生命を生き長らえさせるのに精一杯で、子孫を繁殖させることでは、とても手がまわらない。栄養状態が悪い アメーバ―は細胞分裂をストップしてしまうし、狐やライオンも子どもを生まなくなる。 それはそうだろう。子どもが増えたところで、無事にいきられるかどうかもわからない。 それよりも自分の生命さえ危ないのだ。人間も飢饉状態のときにはそれらの生物とかわらない。自分のことにかまけてとても性欲などおきるはずがないのだ。

現代人はそこまで栄養状態が悪化しているとはうえないが、栄養学的に見た食生活の欠陥は、自分たちで気づいているよりはるかに深刻である。カロリーは足りていても、身体が 必要としている栄養素が決定的に欠落していることがあるからだ。

性的な機能に関係する栄養素はきわめて多いが、とくに重要なものをあげると、核酸、タンパク質、
そしてビタミンB1、Ⅽである。

精子の栄養素 核酸タンパク質 各種ビタミン

タンパク質は、男性の精液の主成分であると同時に、体内のホルモンの原料にもなる。

そのホルモンはおもに副腎皮質から分泌されているのだが、この機能を促すのがビタミンⅭである。核酸はそれらのホルモン分泌をコントロールする役目を担っているし、ビタミンB1はそのためのエネルギーを供給するときに欠かせない物質である。

つまり、これらの栄養素がどれかひとつでも欠けると、連続プレーがさまたげらて、性機能はぐっと弱くなってしまうのである。一般的に菜食主義者は、肉を食べている人間に くらべて性的なエネルギーはおだやかであるといわれるが、これは、野菜が肉にくらべて、 核酸やタンパク質が少ないからである。スタミナをつけ、性生活を豊かにするためにも 核酸をぜひ摂取したいところである。

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