メンテナンス その6 シフトワイヤーの調整(フロント編)
第2回のリアの変速調整でも少し説明しましたが、自転車の変速は、ワイヤーを引っ張ったり緩めたり、という動作で変速機を動かします。それはフロントでもリアでも同じ。そしてワイヤーが伸びてくるとやっぱり正しく変速しないようになってきます。(もう少し具体的に述べると大きいギヤに変速しにくくなります。ワイヤーを引っ張ることで大きいほうへと変速するのですが、ワイヤーを引っ張りきれなくなるためです。)
今回の調整は非常に簡単。ワイヤーの張り具合を直すだけです。
まずはフロントディレイラー(前の変速機)を見てみましょう。 赤い矢印で示した部分にネジがついています。 ですが、今回はここはいじりません。 リアのボルトと同じように、ショップでしっかりと調整してあれば、よっぽどのことがない限りここはいじらなくても大丈夫です。 |
今回触るのはここのボルト。 一般的なロードバイクの場合、前のタイヤのちょっと上です。 |
ちょっと大きくして見てみましょう。 ワイヤーに直結しているため、このボルトをいじることでワイヤーの張り具合を調整することができます。 |
上の写真の位置にボルトがついていない場合もあります。 その場合はレバーのほうを見てください。 レバーから伸びたワイヤーの途中に左の写真のようにボルトがついていると思います。 こういったボルトで同じようにワイヤーの張り具合を調整できます。 |
マウンテンバイクなどのフラットハンドルバーの場合は左の写真です。 やはりシフトワイヤーに直結したボルトがついています。 |
それでは作業に移りましょう。 まずはフロントをアウターギヤ(大きいほうのギヤ)に変速します。 |
次にリアをトップギヤ(一番小さいギヤ)にします。 ようするに、チェーンが一番外側の位置になるようにするわけです。 |
この状態のときにチェーンがフロントディレイラーの外側のプレート(ガイドプレート)に当たってしまうようならワイヤーが伸びています。 クランクを回してみるとチェーンがプレートにこすれて異音がする状態です。 |
真上から見ると分かりやすいです。 (写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが…) |
ここで先ほど説明したボルトを回します。 たいていのボルトは反時計回りに回すことでワイヤーを張ることができます。 ちょっとボルトを回してクランクを回す、ボルトを回してクランクを回す、というのを繰り返すと、チェーンがこすれる異音が消えていきます。 異音が消えたらそこでボルトを回すのをやめてください。 回しすぎは厳禁です。 回しすぎるとインナーギヤ(小さいほうのギヤ)に変速したときにおかしくなります。 |
上から見るとプレートがチェーンから離れているのが分かります。 これで調整はOK! 実際にクランクを回しながらさまざまなギア位置に変速してみて、ちゃんと変速することを確かめてください。 |
ボルトを回すだけで特別な工具なども何も要らないので、非常に簡単です!
レースの途中など走りながら調整する人もいますが、慣れないうちはやめた方がいいでしょう。