Vol.8検品　〜目で手で確かめる〜

今回は靴作りの最終工程、職人も細やかな神経を要する作業、「検品」のお話をしてみたいと思います！実際の検品の流れに沿って説明していきますね。

検品の流れ

1. 1.左右のサイズが違っていないか？靴の高さにズレがないか？汚れがついていないか？糊がはみ出ていないか？etc…
   職人が靴をあらゆる角度から見たり、靴の内側に手を入れたりしながら、念入りなチェック作業が行われます。
   汚れはクリーナー等で落とし、はみ出た糊は小型のバフという工具で削り落とします。その素早くも丁寧な手さばきは、プロだからこそ、成せる早技！


検品する職人の真剣な表情！

2. 2.靴ひもを通します。 ただし、すべての穴には通していません。 お客様によって靴ひもの通し方・結び方が様々なため、 そして型崩れを起こさないようにするためです。
3. 3.防型紙（クシャッと丸めた薄紙）を靴の中に詰め、形を整えます。
4. 4.カンガルー製品等にはタグをつけます。
5. 5.靴を薄紙に包み、箱に詰めます。
6. 6.箱ごと金属探知機にかけます。 箱の中、ましてや靴の中に 小さな部品など危険なものが紛れ込んでいないかをチェック！ でも、この最終段階で 金属探知機が「ピーーーー！」と反応することは滅多にありません。 というのも、実はもっと前の製造工程段階、 ゴム底がつく前の、革（生地）だけ縫い上げられた アッパーのみの段階（右の画像参照）で、 金属探知機と職人の目で、１度目の検品が行われているからです！ ２度にわたる検品で、より確実に スピングルムーヴのクオリティーが守られるわけです。


ゴム底がまだついていないアッパーのみの段階で
1度目の検品にかける！



金属探知機の下をくぐるスピングルムーヴ

7. 7.出荷用の段ボールと、中に収める製品が間違っていないかチェックし、 梱包します。あとは出荷を待つのみ！

以上が検品の流れになります。

金属探知機という機械も使いますが、それ以上に熟達した職人による厳しい目で、何度も見て、手で確かめた上で送り出してやるわけです。
もちろん時間も手間もかかりますが、だからこそ靴たちに対して愛情が湧くんでしょうね〜。

それはまさに手塩にかけて育てたわが子をお嫁に出す親の心境と似てるのかも…（涙）

お客様の手元にスピングルムーヴが届き、その箱が開けられた時、私たち作り手の愛情がどうか伝わりますように…☆

梱包され、出荷待ちのスピングルムーヴ。
愛情こめてます！