発売以来、当店で大人気の電子チェンバロ「Roland C-30」。

チェンバロは、馴染みの深いピアノの祖先として、何となくピアノと同じ感覚で弾けそうな気がしますが、実際に演奏してみるとその音はもちろん、細かな演奏法も大きく異なる楽器であると感じます。チェンバロを綺麗に演奏するには、「チェンバロタッチ」と呼ばれる独特の軽やかな奏法があるのだとか。C-30はそうした弾き方をも受け止められる「本格的な」チェンバロの様です。

それならばまず、実際のチェンバリストの演奏を聴いてみるのが一番!
という訳で、タイミング良く池袋で開催された「楽器フェスティバル」内のコンサートに、当店スタッフ中山が乗り込んできました!

ローランド 電子チェンバロで奏でるバロックの調べ@池袋サンシャインシティ

10月25日、土曜日。池袋サンシャインシティ内は盛大なお祭りのような雰囲気。30周年を迎えたからなんですね。噴水広場の向かいのお店からは売り子さんの掛け声が聞こえてきます。

そんな賑やかな雰囲気の中、まさに今からコンサートが始まろうとしています。



チェンバリストの水永牧子さんは鮮やかなピンクのドレスを纏って登場。
電子チェンバロを奏でる水永さんの気持ちよさそうな表情!水永さんと私達観客との間に、心地よく幸せな空気が満ちていきます。

思わずお客さんも真剣な表情に・・・。

演奏が始まるや否や、荘厳なバロック時代の音色が周囲を包み込みます。

実は、C-30には開発の段階から協力されていたという水永さん。優しく、軽快な鍵盤タッチで奏でられるチェンバロの音色は、だんだんと観客を惹きつけていきます。

続いてバイオリンの今村亜里子さん登場。


お二人の息はピッタリ!さすがですね。お二人は中学校の同級生で、今年10年ぶりにご連絡を取られてこのコンサートに至ったそうです。素敵ですね!
(途中、あまりに真剣なお客さんをバイオリンの今村さんがMCで和ませる一面も・・・)

元々、音量の小さなリコーダー等とのアンサンブルで使われるのが主だった古楽器チェンバロは、小さな音量の楽器です。しかしC-30はこうしたバイオリンやフルート等の音量の大きな楽器とのアンサンブルも考慮して、アコースティック・チェンバロよりも大きな音量で演奏することが出来ます。こうしてアンサンブル相手に合わせて音量を調節できるのも、電子楽器ならではのメリットですね!

手軽に様々な音色を切り替えられる点も電子楽器ならではの魅力。

C-30にも、2種類のチェンバロに加え、古典の楽曲演奏のために厳選されたオルガン、フォルテピアノ、チェレスタ等の音色が収録されています。また、調律が不要なばかりでなく、瞬時に平均律以外の古典調律に切り替えたり、バロックピッチやベルサイユピッチに変更できたり、更に他の楽器に合わせてチューニングの微調整が簡単に行えます。

「妥協した」平均律ではなく、その曲、その時代の調律で本来の美しい響きを味わえること。このメリットは何物にも代え難いですね(実際音楽教育に関わる方からの問い合わせも受けています)!
チェンバロはもともと撥弦楽器と言われ、弦を爪(プレクトラム)で引っかくような独特の感触を持っています。鍵盤から指を離す際に爪が再び弦に触れる音もチェンバロの特徴。もちろんC-30ではこうした感触や余韻までも忠実に再現しています。
何と、鍵盤を弾いてすぐに指を離したときと、音が減衰した後で指を離したときでその独特の余韻が違うという芸の細かさ。

徹底的にこだわったこうしたディテールに、お二人も弾いていて癖になるとおっしゃっていました(笑)
バロックの調べから、がらりと雰囲気を変え、今度はジャズの曲目へ。

「そうだ京都へ行こう」のCMでもお馴染みの「My Favorite things」です。
ジャンルを越えても、意外にもマッチするチェンバロの音。さまざまな曲の「チェンバロ・アレンジ」が聴きたくなります。

そして、タンゴへ。
ギターの発音形式に似ている為か、ピアソラの「リベルタンゴ」はチェンバロでの演奏にも素晴らしくマッチ。

こうして、圧巻のステージは無事、終了。

チェンバロの持つ伝統的なスタイルと音色を受け継ぎつつ、現代の音楽にも視野を向けられた、C-30の可能性が最大限に発揮されたコンサートとなりました。
私は幼い頃からクラシックピアノを習ってきたのですが、チェンバロはピアノに比べるとなかなか弾く機会の少ない楽器でした。

新しく進化した電子チェンバロは、ピアノと同じ感覚で演奏できる鍵盤の幅を持っており、ピアノを習ってきた方にも抵抗感なく手軽に始められる楽器だと思います。それでいて、シンセや電子ピアノに内蔵されているチェンバロの音色とは違い、ちゃんとチェンバロの弾き方を要求される楽器としての奥深さを持ち合わせています。

また、ショパンの時代以降の金属フレームをそなえた現代的なピアノではなく、モーツァルトの時代のまだ金属フレームがなかったピアノ「フォルテピアノ」が収録されているのも大きな魅力ですね。当時偉大な作曲家の頭の中で鳴っていた、そして実際に演奏していた素朴で柔らかなピアノの音で演奏すれば、その曲の本質が見えてくるかもしれません。

古楽器の博物館とも言うべき貴重な音色の数々を内蔵し、古典音楽から現代の音楽まで対応する、幅広い表現力を持つ電子チェンバロ「Roland C-30」。是非とも、当店でチェンバロの繊細な音とタッチを試されてはいかがですか?
最後は、ちゃっかり水永さんと記念撮影!

水永さん、そして今村さん、素敵な演奏をありがとうございました!
おまけ・水永さんは鳥のさえずりのような可愛らしい声をお持ちで、チェンバロの音だけでなく声にも癒されてしまいました★
写真協力:ローランド

クローズアップ!ローランドC-30
国宝級、入ってます。
C-30の「目玉」音色は、何と言っても「French」。これは、静岡県の「浜松市楽器博物館」に収蔵されているフランスの名器「ブランシェ」を、同館の協力の元徹底的にサンプリング&解析して音色を構築しています。
「日本に存在することが奇跡」とも言われる、国宝級の貴重な楽器を最良の状態で収録した「C-30」。これだけでも弾く価値、大いに「アリ」です。

更には、チェンバロの維持には欠かせない調律の問題も解決。フル・デジタルで弦を持たないので、チューニングは絶対に狂いません。他楽器のアンサンブル時にも、繊細なアコースティック楽器のコンディションに合わせて手軽にC-30側のチューニングを微調整することが可能です。また、平均律以外の古典調律にもワンタッチで切替可能です。
チェンバロ・タッチ。
古来、チェンバロには決まった規格の鍵盤は存在せず、その時代、作り手によって鍵盤のサイズも形もまちまちです。C-30は現存する様々なチェンバロの鍵盤の徹底的なリサーチの結果、ほとんどの鍵盤楽器奏者が慣れ親しんでいるピアノと同サイズの白鍵幅とすることで、高い演奏性を実現しています。
一方黒鍵は、先端の形状やフラットな天面などチェンバロの鍵盤を再現しており、チェンバロ特有の奏法にも対応できる仕様になっています。
また、チェンバロ特有の「弦を引っ掻く」感触を再現するため、ストロークの途中に独特のクリック感が設けられています。

この結果、軽やかなタッチやレガート気味の独特の奏法などといった、チェンバロ特有の演奏テクニックは、C-30でもきちんと反映されるのです。
豪華絢爛。
演奏者の正面には、「音楽を奏でる天使」の絵。スタンド脇には綺麗なステンドグラス風パネルの装飾が施されています。
こうした装飾は別売のオプションによって簡単に取り替えて頂けます。

また、演奏に欠かせない譜面台は目立たない透明アクリル製。全体のデザインを損なわず、実用性を確保しています。
包み込む、弦の音色。
C-30は電子楽器ですから、本体のスピーカーから音が出力されます。このスピーカーも、鍵盤奥上面に2箇所、本体下面に2箇所、計4個のスピーカーが配置されています。この結果、床からの反射を含む、周囲に音を放射する生楽器独特の音場が演奏者を包み込みます。

また、鍵盤を強く弾くと「ゴトゴト」というノイズが聞こえるのですが、これはアコースティック・チェンバロのジャック(弦をはじく爪がついているもの)がジャックレールに当たるときの音を再現したもの。そのあまりに自然な箱鳴りは、電子楽器であることを忘れさせる臨場感。でもこのノイズはチェンバロ演奏には大敵ですので、演奏時はこの音を鳴らさないようなやさしい「チェンバロ・タッチ」を心がけて下さい。
インテリアに溶け込む高級感。
C-30のキャビネットは、高級感溢れる化粧版仕上げ。有名な「スピネット」タイプではありませんが、コンパクトなテーブル状のこのシルエットも伝統的な「パージナル」を現代風にアレンジした、チェンバロらしいデザインです。
直線を基調としたデザインは、モダンなインテリアにも、ミッドセンチュリーやアールデコ調等のオーセンティックなインテリアにも綺麗に調和します。
お部屋の中でも、一際目を引くシンボルとして、貴方の暮らしにバロックの彩りを与えてくれることでしょう。

繊細なのに、大胆。
こだわりの電子チェンバロ。
Roland 電子チェンバロ

C-30


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