real clothing vol.001

giab's ARCHIVIOのシャカウール

real clothes =「上質で価値のある現実的な服」を現在進行形でアップデートしていく。それが【real clothing】、ringの提案するスタイルです。

皆様こんにちは。
ring通販担当の猿渡です。 ringで大人気(?)のコンテンツfukuonseiが一旦終了し、新しく始動する「real clothing」。
real clothingとは、ringのコンセプトテーマにもなっているワードで、「上質で価値のある現実的な服」を現在進行形でアップデートしていくという意味です。
今までringを長年見ている私猿渡から「コレ!」というreal clothingに合致するアイテムを不定期にご紹介するコンテンツです。
記念すべき第1回のお題は皆さま大好き「giab's ARCHIVIOのシャカウール」のお話です。

シャカシャカした質感のウール?
それともお釈迦様のようにありがたいウール?
今度、名前の由来をクリエイティブディレクターである中新井淳平氏に聞いてみます。・・今更かもですが。

1953年、イタリア/フィレンツェの地でジャンカルロ・バレリーニ氏によって創業を開始したgiab's(ジャブス)社は、フェラガモ、ロロピアーナ、ブルックス・ブラザーズ、ヴァレンティノ、トムフォードといった数々のメゾンブランドのトラウザーズを60年以上にも渡って作り続けています。

2012年、その確かな技術のもとに、ジャブス社3代目であるコジモ・バレリーニ氏と、弟のロレンツォ・バレリーニ氏によって新感覚のトラウザーズプロダクトとして始動したのが“giab's ARCHIVIO(ジャブスアルキヴィオ)”になります。腕に覚えのあるファクトリーが自身のブランドを立ち上げるというのは良くある話しですが、giab's ARCHIVIOが成功した理由はやはり2014年の中新井淳平氏がディレクションに加わったことが非常に大きかったかと。

若くして渡伊し、日本人でありながらミラノのセレクトショップ“Eral55”でキャリアを積み、その後もイタリアを拠点に数々のブランドのディレクションやバイヤーを務めた「生産と売場」を知るスペシャリスト。勿論、日本のマーケットにも精通しており、当たり前ですが日本人バイヤーや代理店とのコミニュケーション能力も高く「聞く力」も持ち合わせたナイスガイです。

giab's ARCHIVIOが特に大きな広告や宣伝もなく日本のマーケットを最速で駆け上がって行った要因は、間違いなく中新井氏のバイヤー陣を唸らせる常に新しい生地を提案する力、そして新しい生地をしっかりと縫い上げ製品にするジャブス社の力が合わさった結果ではないでしょうか。

ringでは2016年の春夏から取り扱いを開始。スリムシルエット全盛の時代でしたが、1プリーツで腰回りに程よくゆとりを持たせたgiab's ARCHIVIOの創初期から存在する代表モデル“VERDI(ヴェルディ)”が店頭でどんどん売れていき、慌ててオンラインショップに出品したことを今でも鮮明に覚えています・・。

giab's ARCHIVIOの人気を不動のものとしたファブリック“シャカウール”

2017年ごろ(おそらく)に初登場した“シャカウール”。
それまでもストレッチを用いたコンフォートなパンツを得意とするブランドとして名を馳せつつあったgiab's ARCHIVIOを、業界内で一躍トップブランドに押し上げる要因となった大大大ヒットアイテムです。ブランドの特徴であるストレッチ性能を持ちながらも、ウールのようなドレスライクな艶感に、ナイロンを混紡した強捻糸を使用することでシワになりにくく、またシワが取れやすいという、今でこそ当たり前に思える特徴ですが当時としてはそんな生地は他にはなく非常に斬新で画期的な提案でした。

シャカウールはドライタッチで、やや薄手な生地でしたが通年提案の為、ringでは春夏/秋冬の両方でオーダーし、期中で追加オーダーも何度となく行っていましたが、それでも足りないという状況が3年ほど続きました・・忖度なく、ringで一番のヒットアイテムだったのではないでしょうか・・・。

そんなシャカウールですが、生地のサプライヤーがシャカウールの生産を終了してしまったことで2020年秋冬を最後に惜しまれつつも姿を消してしまいました。

しかしながら、店頭でもオンラインショップでもお客様より「以前購入したこれと同じものないですか?」とのお問い合わせを多数頂くため、バイヤー宮本が展示会の度に「シャカウールってもう復活しないんですか?」と言い続けた結果、何とジャブス社の倉庫にまだ少しシャカウールの生地が残っていたことが判明。カラーによっては少ししか残っていなかったこともあって、どうせなら「全部ringでオーダーします」と慎重な男として名高いringのバイヤー宮本を即決させるに至りました。

モデルはやっぱり・・“リングっちょ”

giab's ARCHIVIOの初期を支えたのは間違いなくモデル“VERDI”ですが、ジワリジワリとその差を詰めていつの間にやら“VERDI”を追い越した、今やgiab's ARCHIVIOを代表するモデルの一つとなった“MASACCIO(マサッチョ)”。

VERDI同様に程よく腰回りにゆとりを持たせつつもテーパードを効かせた美しいシルエットに、センタークリースにステッチを施した半永久クリースによる少しドレスライクな面構え。さらにドローコードを内側に隠せる仕様によりベルトを付ければちょっとしたビジネスにも対応できるという、今では様々なブランドが取り入れている仕立てをどこよりも早く提案し、当時としては画期的なオン・オフ兼用スタイルを確立しました。

そんな完成されたモデル“MASACCIO”に対して、ring OSAKA店長である葭が発した「MASACCIOって1プリーツとかにできないんですか?

その一言から端を発したring別注MASACCIO企画。社内では「ドローコードにプンターレ付けましょう!」、「お直しなしで穿けるように日本人に合わせたレングスで仕上げてみたら?」などかなり盛り上がり、代理店に確認すると「別注なら◯◯◯本からできますよ〜。」

「え、◯◯◯本(白目)・・え、◯◯◯本(白目)・・・あの〜本数どうにかなりませんか?」

「これは工場の生産性の問題もあるので、何ともならないんです・・。」

「・・シャカウールなら・・・シャカウールでなら大丈夫でしょう!!!」

と、当時のringにとっては清水の舞台からビニール紐でバンジージャンプするぐらい思い切ることとなり、2018年春夏シーズンに別注MASACCIOこと通称“リングっちょ”、正式名称“ring”は産声を上げました。

ちなみに、ringスタッフは一人として“ring”のモデル名で呼んでいませんが・・。

この別注企画、失敗に終わっていたならばバイヤー宮本は今頃ただのring TOKYOスタッフになっていたかもしれません。しかし、これが大ヒットとなり、シーズン中に完売。お客様に受け入れられるかどうか、2018年秋冬のオーダー時点では分からなかったため秋冬シーズンはお休みとなり、翌2019年春夏シーズンからは通常のMASACCIOを辞め、全て別注MASACCIOに変更することで何とかオーダー本数をクリアーするという荒技を使い、今日までアップデートを繰り返し今やringを代表するアイテムの一つとなっています。

今回のシャカウール限定復活。giab's ARCHIVIOには今や沢山のモデルが存在していますが、やっぱり頼れるのは苦楽を共にしたリングっちょしか考えられません!

カラーによって生産できる本数が違います

シャカウールの生地が再生産されたのではなく、あくまでジャブス社に残っていた生地を買い取ることで限定的に復活することとなりました。そのため、残っていた生地の長さがカラーによって異なっており生産できる本数がバラバラなんです。

カラーは全6色、具体的には・・

グレーべージュ(10):22本
ダークブラウン(20):15本
グレー(41):90本
ミディアムグレー(42):47本
ダークグレー(43):11本
ダークネイビー(80):15本

*()はメーカーカラー表記

この本数からさらにサイズを42〜50で振り分けると、一番本数の少ないダークグレーで各サイズ1〜2本。一番本数の多いグレーでも各サイズ10〜20数本といったところでしょうか。

あとがき

いかがでしたでしょうか?
ジャブスの圧倒的な魅力を少しでもお伝えできていれば幸いです。

過去の実績を考えればあまりにも少ない本数です。正直、冬に穿くには少し心許ない厚さの生地ですが、春から秋にかけては大活躍間違いありませんので、ご英断は早めがよろしいかと思います。

今回のアイテム

giab's ARCHIVIO ring別注MASACCIO マサッチョ シャカウール ストレッチ 1プリーツ パンツ A8132

¥36,300

今回のブランド

giab's ARCHIVIO
giab's(ジャブス)社はイタリア・フィレンツェの地にて1953年にジャンカルロ・バレリーニ氏によりトラウザー専業ファクトリーとして創業。
60年以上もの間トラウザーズのみを作り続けることにより磨き抜かれた高い技術と品質を誇り、フェラガモ、ロロピアーナ、ブルックス・ブラザーズ、ヴァレンティノ、トムフォード等、老舗メゾン系ブランドからの信頼も厚く、長きにわたりフィレンツェの地にてトラウザーズの生産を手掛けています。 ジャブスアルキヴィオはジャブス社3代目の、コジモ・バレリーニと弟のロレンツォ・バレリーニにより新感覚のトラウザーズプロダクトとして始動。
半世紀以上にわたり培ってきたアーカイブとノウハウをベースに先鋭的なエッセンスを注入。クラシックの要素を残しつつも、モダンであり、メゾン系のブランドと比べても遜色のないハイエンドなトラウザーズを展開。
パンツ専業ブランドがひしめくイタリアで斬新なトラウザーズを生み出し、目下、熱い視線を集めています。
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