〜お宝発見も!?クラシック界の雄『“Rota(ロータ)”工場見学 in PARMA』〜

〜  プ ロ ロ ー グ  〜

4月某日、PTショップに立っていた私、ringネット担当猿渡の元にring TOKYOからの着信。
ring TOKYOからの電話は95%はバイヤー宮本からの電話なのですが、
やっぱりこの日もバイヤー宮本からでした。
「(なんかまためんどくさい事頼まれへんかな・・)」と渋々電話を取り話し始めたものの、
すぐに私の目の色が変わります・・。

と言いますのも、今回“ネットチームの長”西出の代打で6月のイタリア出張に同行する予定だったんですが、
な、なんと!
代理店さんのご好意で“Rota(ロータ)”の工場見学が可能とのこと!!(喜)

遡ること丁度二年前・・・Stile Latino(スティレ ラティーノ)の工場見学を特集ページに起こした際は、
驚異のアクセス数を稼ぎ出しました。

ネットを検索してもRotaの工場見学なんて全くヒットしませんし「これはウマイな・・」という思いと、
純粋にあれだけのは穿き心地を誇るパンツの秘密が分かるという知的好奇心が揺さぶられ、いつも
クールぶっている私ですがやや興奮気味でバイヤー宮本と話をしたような気がします。




〜  そ れ で は 本 編  〜
何度見ても荘厳な佇まいのミラノチェントラーレ駅

朝7時、今回アテンドして頂く代理店の代表であるS氏と合流し、ミラノチェントラーレ駅を出発。いつものイタリア出張ですとringチームはこの日にミラノから帰国の途につくわけなんですが、今回は工場見学があるということで一日長い出張となりました。通常ですと朝一のアポイントは10時頃。
6時半からホテルを出発というのは出張の疲れがピークに差し掛かるこの辺りではかなり体に堪えます・・。しかしながら、工場見学に行けると言う興奮からか意外にもスッキリと起きてまずまずのコンディションで向かう事ができました!気持ちが体を凌駕した瞬間です。

工場はパルマ駅の一つ手前のフィデンツァ駅から車で約10分ほど。

御子息自らの運転で工場に到着です。PITTIブースでの商談時はスーツを着ていつも怖い雰囲気なんですが、普段着はとてもラフで親近感が湧きます。

なんとかギリギリカメラに収まるくらいの大きさの工場。
結構な大きさの絵画。
これ以外にも置物が多数飾られた不思議な部屋。

まずは二階の応接室?のようなところへ案内して頂き、エスプレッソを一杯。

さー、いよいよ工場見学のスタートです!まずは向かいの部屋にあります生地のストック部屋へ。

こちらは春夏生地メインのようです。

そして、お隣の秋冬生地のお部屋へ。

あるはあるは・・・
ロロピアーナもごろごろと・・・

もちろん、今の気分ではない少しパンチのある柄物などもありましたが、シンプルな生地も多くあり良いな〜と思う物が沢山あります!

お次はすぐ隣に立つ別館?へ。

こちらでは“Rota sport”で使用される製品染用の生地をストックしています。製品を縫い終えた後、外部の染色工場へ出すそうです。

33歳の時に普通免許を初めて取得した車オンチの私にはピンときませんが・・

この部屋の一角にはRota当代代表の趣味だと言うクラシックカーが。今も現役で走れるそうで、アテンドのS氏はかなり興奮気味で魅入っておりました。

続きまして本館に戻り、一階の裁断ルームへ。

4年ほど前に導入したドイツ製の裁断マシーン。裁断に関しては最新の機械の方が早くて正確なんだとか。

ちょうどカノニコの生地が裁断されていました。
綺麗にくり抜かれています。

裁断したそれぞれのパーツをサイズごとに纏めていきます。

そしていよいよ縫い場へ。裁断室とはガラスを隔てた隣にあります。

パーツごとに専門の縫い子さんがおり、1日中同じパーツばかり縫っているとのこと。その方が高いクオリティを維持できるそうです。

そしてプレス。

縫っては。

プレス。

縫っては・・。

プレス・・。

縫っては・・・・。

そう、プレス・・・・。

「普通はこんなにプレスはしないよ。でもここを妥協する訳にはいかないんだ。」

縫い場では4台のアイロンが稼動中でした。生地の癖を取り、ステッチを馴染ませる事で以後の縫い合わせに影響してくるのだとか。

まだあるんかい・・・。

一番奥の部屋には仕上げのプレス機が。

腰回り専用のプレス機。
脚部専用のプレス機。
腰回りも綺麗に仕上げていきます。
ちょうど今仕上げていたのがパーソナルオーダー品でサイズは60だとか62だとか・・・

ちなみに、こちらの工場で働いている人は地元の方が多く、しかも退職する際は自分の娘が受け継いで入社するのだとか・・。この方も母から受け継ぎ勤続30年だそうで(驚)

そして、隣の部屋で仕上げた物をこちらの女性たちが最終検品を行い。

出荷を待つといった流れになります。
それにしても、これすごい小ロットばっかり・・。話を聞けば、Rotaではオーダー数に関係なく細かな指定を行っても対応しているのだとか。なので基本モデルはいくつかあれど、各社が細かな指定を入れるためほぼほぼパーソナルオーダーのようになってしまうそうです。そんなパンツブランド聞いたことがありません(汗)。弊社も人のことは言えませんが・・・・。

出荷作業はいつもPITTIでオーダーを受けてくれる長男が行っていました。ファミリー企業って感じがしますね・・。これにて工場見学は終了です。それにしても、コンパクトな工場ではありますが、仕事に対する姿勢や製品への妥協のなさたるや・・・。
前日、PTのショールームでiPadを立ち上げた際に、大音量で長渕剛の「とんぼ」が流れたバイヤー宮本にも見習って欲しいところです。

オススメの生地を紹介して頂いて・・。

そして一同は再び生地ストックの部屋へ!なんでも、この部屋にある生地は残りが少ない為、普段のオーダーを取る際には出していないんだとか。なので通常よりもグッとお値打ち価格にしてくれるとのこと!!(興奮)

どうやら、バイヤー宮本のお眼鏡にかなうものが見つかったようです!

選んだ生地をすぐに切り出してスワッチにしてもらえるとのことで、一行は応接室でエスプレッソを頂きつつ過去のアーカイブ?的な昔のスワッチを見せて頂きました。

1980年に行われたPITTIの18回目のカタログです。この年のPITTIが96回目でしたので、PITTIって80年代より以前から年2回行われ続けているんですね・・。

中にはしっかりとRotaのページもあります。

そうこうしているうちに、生地が届きました!



〜  エ ピ ロ ー グ  〜

如何でしたでしょうか?
初パルマということで、美味しいパルマ料理や街の観光スポットを非常に楽しみにしていましたが、お昼過ぎから別のアポイントが入っていたため、電車待ちの間に駅の売店で買ったパンを昼食にするというオアズケを喰らいましたが・・・。

それでも、Rotaの包み込まれるような着用感の秘密はこまめにアイロンをすることで、結果体に沿った立体的な仕上がりになることが分かりましたし、何よりこんな少ししかオーダーしない我々を暖かく迎えてくれたRotaというブランドがますます好きになりました!!

Rotaの皆様、代理店のS氏、こんな貴重な機会を与えてくださり本当にありがとうございました!!

やはり、本当に良い物は沢山の人の手が掛かっているのだなと再認識した次第です・・・。


そして!!!

11/18(月)に今回の工場で発掘?した特選超超超お値打ちのRotaを出品いたします!

生地は、言わずもがなのイタリア服地メーカー“REDA”社のサキソニー!!

カラーは、ミディアムグレーブラックの2カラーのみ!!

価格はなんと・・・42,000円(税抜)!!です!!!

生地の量が限られているため少量のご用意にはなりますが、この機会に至極の穿き心地“Rota”を是非お試しくださ〜い!!



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