『いつか』に備える防災グッズ
どこで遭遇するかわからない災害。災害は日常の延長にあって突然やってくるから「いつか」のために「何か」を備えておきたい。住んでいる地域が、山側なのか海側なのか、河川が近いのかなどによって、起こる災害の種類が変わってしまい、また、持病が有るか無いかによっても、必要なものがそれぞれ違ってきます。いったい何をどこから準備したらいいのか、迷いますよね。
そこで、必要だと思うものをただやみ雲に集めるのではなく、ご家庭ごとに目安を作って、徐々に揃えていってみてはいかがでしょうか。ここでは、その目安と具体的なグッズをご紹介します。
避難するときと避難後に必要なものは違うの ?
- ①逃げるために使うもの(命の危険のある時に必要な物)
- ②生きるために必要なもの(逃げるときに避難先に背負っていく物)
- ③最低限の生活ができるもの(避難生活が続くときに必要な物)
- ●「非常用持ち出し袋」
- それぞれが必要なもの(眼鏡、薬、杖、補聴器などの体の一部になるもの)を加えた 1~3日分の飲料水と食料、懐中電灯、予備電池、救急用品、マスク、タオル、使い捨てカイロ、ティッシュ、ウエットティッシュ、携帯トイレ、衣類、洗面用具、筆記用具(マジック)、貴重品など
- ●「避難時に必要な物」
- 靴、ヘルメット、軍手、ロープ、杖や傘などの棒、十徳ナイフなど
- ●「避難した後に必要な物」
- 頑丈なコンテナやカーゴ、テント、ゴミ袋(雨具や防寒具代わりになる)、毛布、薄手のシーツ(包帯やカーテンにもなる)、レジャーシート、飲料水、水缶(水バック)、ランタン、カセットコンロ、カセットガス、鍋、ヤカン、ソーラー発電のラジオ兼充電器、布ガムテープ、ハサミ、缶詰、保存食、簡易食器、ラップ、缶切り、水の要らないシャンプー、生理用品、携帯トイレ、いろいろ使える洗濯バサミなど。子供がいれば、おもちゃやトランプ、花札、などの気晴らしになるものや、オムツやおしりふき、余裕があれば家族分の着替えなども準備してあると心強いですね。
●断水に備えて
- …浴槽にお湯をはったままにする。お風呂の掃除は入る直前に。 ←トイレや洗い物に使えます。
- …ペットボトル数本に水を入れて置いておき、花の水や金魚の水替えなどに使う。
- …コーヒー用に、近所の山の湧水(名水)をタンクで汲み置きする。 ←飲料水に使えます。
- …ウォーターサーバーを契約。
●停電に備えて
- …ソーラー発電のランタンを各部屋に準備しておく。 ←一人に一つがベスト。トイレにもあるといい。
- …洋式トイレは、電気がなくても水が流れる。 ←便器へ(バケツとかで)水を入れると水圧で流れるの︕
- オール電化の家なので、カセットコンロとカセットボンベ、魔法瓶のポットを入手した。
●食料難に備えて
- …支援物資は主食(おにぎりやパン、麺など)が多かったので、おかず系の缶詰を多く常備するようになった。普段の食卓にものせて常にストックを新しくするようにしている。
- …キャンプグッズをそろえて、使いこなせるようになった。 ←ごはんが作れる。テント生活が可能に。
●暑さに備えて
- …夏場は冷凍庫に保冷剤をたくさん入れてある。 ←災害時、しばらくはクーラーバッグに移して食品や身体を保冷できる。
●寒さに備えて
- …オール電化の家なので、石油ストーブを入手。温かいうえに簡単な調理もできる。
首相官邸や消防庁が紹介している「防災グッズ(非常用持ち出し袋)」には、『飲料水、食料品(そのまま食べられるもの)、貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)、救急用品(毎日飲む薬も含む)、ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手、懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器、衣類、下着、毛布、タオル、洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ(※乳児のいるご家庭は、ミルク・紙おむつ・ほ乳びんなど)』を『人数分』準備することが挙げられています。
とはいえ、それらは避難時に使うものと、避難直後に必要になるものと、そのあと必要な物などがあり、シーンごとに必要な物が違うので、運び方や準備の仕方から、だいたい3つに分類できるようです。
シーンごとに違う、災害時に必要な物品
逃げるために使うもの(命の危険のある時に必要なもの)
【避難時~1日】 主に避難時に必要なもの
ヘルメットや軍手、ホイッスル、靴(水害のありそうな地域では、すぐに脱げてしまう長靴より紐靴がよい)、水中や暗闇などで足元を探る傘や棒、家族がはぐれないようにつかまるロープなどです。これは普段から、非常用持ち出し袋と一緒に準備しておくとよいものです。置き場所としては、地震の時に倒壊しやすくて浸水時に水没しやすい1階よりも、2階に。または出口(玄関)付近に置いておくと持ち出しやすいようです。
生きるために必要なもの(逃げるときに避難先に背負っていく物)
【避難後1日~3日】 主に避難直後に必要なもの
食品や飲料水、救急用品、スマホやラジオなどの情報を得るためのツールなど、支援が来るまで命をつなげられるものです。非常用持ち出し袋の中身がそれにあたります。それに、各個人の眼鏡や薬、補聴器などの体の一部になるものと、財布や保険証や免許証などの貴重品を加えたものです。過去の地震災害(東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震)では、支援物資が届いたのがどの場合も『地震発生からだいたい 3 日後』だったそうです。地域差はあったようですが、目安として、大体3日間分の備えを各自がしておけばいいのでは、ということがわかります。 食料や水、衛生用品(洗面道具や着替えなど)を家族それぞれが自分の分をリュックに準備しておくのがよさそうです。万が一、誰かの分が壊れたり流されたりしても、荷物が分散していればその分を分けあったり、補い合ったりできるからです。必要な物はそれぞれの人で違うということを念頭に、年に数回、家族でチェックしあうことも重要です。
最低限の生活ができるもの(避難生活が続くときに必要な物)
【避難後4日以上】 支援物資などが届くようになり、ライフラインが戻るまでに必要なもの
です。過去の地震災害(東日本大震災、熊本地震、大阪北部地震)では、ライフラインが「9割」復旧するまでに、最長で、電気/ 7 日、水道/ 24 日、ガス/ 34 日かかったそうです。ですから、最低でも1週間はライフラインのない状態で過ごすということを考えて、非常用持ち出し袋のものとは別に、炊事や洗濯、着替え、就寝などができるものを準備しておくのがよさそうです。
これらは避難時に一緒に持っていくのではなく、後で取りに来ることを前提にしておきましょう。(まずは命を守ってくださいね)準備するのは、物が倒れてきても壊れないような、頑丈で大きめのボックスや屋外用のストッカーなどにまとめておくといいかもしれません。車のある人は車にも少し置いておくと良いでしょう。停電でドアが動かなくなったガレージの中に置いてあるから取り出せない…ということのないように、置いておく場所を考える必要もありそうです。