【男のスキンケアは自己投資】 Vol.12　思っている以上に男性にも必須！よい表情と清潔感を醸す「眉ケア」

連載：男のスキンケアは自己投資2022.5.14

Vol.12
思っている以上に男性にも必須！
よい表情と清潔感を醸す「眉ケア」

目次/ INDEX

顔における眉の役割って何？
一度、自分の眉をきちんと分析してみよう
初心者の眉ケア、3つのポイント！
初めてなら、プロに頼るのがいい
セルフケアするなら、ここを押さえて
セルフケアで陥りがちな“やりすぎ眉”とは？
男性が眉を描くのは恥ずかしい？
眉の色と毛量をコントロールする

最近、以前にも増して眉の相談を受けることが多くなりました。マスク生活がまだまだ続きそうな状況で、「目周りの印象をよくしたい」という男性が増えている証拠なのでしょう。今回は、眉の働きとその効果について深く掘り下げてみたいと思います。

顔における眉の役割って何？

眉の役割とはなんでしょうか？　ヒトに近いといわれるチンパンジーとゴリラには実は眉毛がありません。その頭蓋骨を比較してみると、ヒトは眼窩上部（＝眼球の入っているくぼみの上側）の張り出しが小さい。一方でチンパンジーたちはその部分が出っ張っているというわけ。

ヒトは出っ張りが少ないぶん頭部から流れてくる汗やホコリなどの異物を眉で受け止め、さらにまぶしい光を遮ったりするひさしの役割も果たします。他にも説はあるようですが、ボクはこの話を聞いて「なるほどなあ」と納得しました。

そして、メイクの理論で眉は顔のフレーム（額縁）であり、さらに表情を作るピースでもあると言われています。「目は口ほどにものを言う」との諺もある通り、日本ではことさら目元の印象が相手に大きな影響を与えます。目単体でなく、眉もまたその点で大きな役割を担っています。たとえば、デフォルメされたイラストなどでたとえ目を小さな点で描いても、眉の角度でその人が怒っているのか、笑っているのかが判断できますね。

また、ある種の抗がん剤を用いると脱毛することがあり、それは毛髪だけでなく眉やまつげなども抜けてしまいます。そういう方の場合も、眉を描くと表情がわかりやすくなると言われていて、アピアランスケア（＝見た目のケア）をする上でとても重要なパーツでもあるのです。

一度、自分の眉をきちんと分析してみよう

と、前置きが長くなりましたが、そんな重要な眉について貴方はどれくらい意識しているでしょうか？　今一度、自分の眉を鏡で確認しましょう。

毛量は多い／少ない？　生え方は均一／不均一？　欠けがある／ない？　眉の色は濃い／薄い？　……。

人によって様々なはず。自分の眉を認識して、初めてケアが始まります。ここで知って欲しいのが、“好きな眉”、“似合う眉”、“できる眉”があるということ。混同しがちですが、実は違います。髪型と同じで好きなスタイルが似合うとは限りませんし、毛量や毛質によって“できる眉”と“できない眉”があるのです。

初心者の眉ケア、3つのポイント！

それでは、眉はどうすればいいのでしょうか？　細かくはいろいろとありますが、初心者の男性は以下の3つのポイントを押さえるといいでしょう。

1. 眉頭は目頭の延長線上か、ほんの少し内側

2. 眉山は黒目の外側の真上

3. 眉尻は小鼻と目尻を結んだ延長線上

骨格やなりたい雰囲気によって上記の3つの条件は微妙に異なります。眉山にアーチをつける／つけないでも印象がガラリと変わります。眉山は黒目の外側～目尻の間くらいの幅があってもOK。ただし、男性は眉の下部だけをケアすること。いかにも「手入れしました！」というやりすぎ感が出るので、慣れないうちは上部は触らない方がいい。

初めてなら、プロに頼るのがいい

これらを見て「ややこしい！」と思った男性が大半ではないでしょうか。慣れると大したことはないのですが、用語を知らないとちょっと難しいかも。そこで、ボクがいつも提唱しているのは一度プロに任せるという方法。眉サロンはもちろん、ヘアサロンでカットと一緒に整えてくれるところもあります。

ただし、いわゆる昔ながらの床屋さんで、顔剃りついでに眉も整えてくれるところだと、問答無用に眉の下側を剃られてしまうこともあるので要注意。シャープで悪くはないのですが、その人がムダと思ったところをバッサリと剃ることがあるので、優しく柔和な表情をつくりたい方には不向きなことも。

男性が気軽に行ける眉専用サロンもあり、細かくオーダーしたいという方やトレンド感のある眉に仕立てたいという方はそちらを選ぶ方がいいでしょう。床屋さんでも相談できるところなら言えばいいですし、難しい場合はうぶ毛は剃ってもらっても「眉は剃らないで」と言えばOKです。

セルフケアするなら、ここを押さえて

とはいえ、毎回サロンに通うのも大変ですし、やはりセルフケアも必要。プロに仕立ててもらった眉は伸びる前に写真を撮っておいて参考にします。そのラインからはみ出した毛を切ったり、抜いたりするだけでよい状態をキープしやすい。その手順はこうです。

・眉用のブラシで毛流れを整える

・眉シェーバーで長すぎる毛をカットする

・カットしても浮いてしまう太い毛を抜く

・足りない部分をアイブロウで描き足す

女性やメイクをしっかりする人の場合は、もっと細かいステップがありますが、とりあえずこれができていれば大丈夫。難しく考えることはありません。注意するべきは短くしすぎないこと。眉シェーバーでコームの長さを選べるなら、長いものから試してください。

地肌が透けるような薄眉は太眉流行りの今、ものすごい時代遅れな印象。かなりキツいイメージになるので、わざとそうしたいという方は止めませんが、よい印象にしたい場合は避けましょう。昔、高校球児だった方が「気合いを入れるためにわざと肌が透けるほど短くする」と言っていたのを聞いたことがありますけれど、本当なんでしょうか？

セルフケアで陥りがちな“やりすぎ眉”とは？

眉の手入れというのは、繊細な作業です。ほんの1本なくすだけで、まったく見え方が違います。鏡を見ながら作業すると、つい近視眼的になってしまって全体を見ることを忘れてしまいます。拡大鏡を使ってケアすると便利ですが、仕上がってみるとなんだか変ということも往々にしてあります。

ディテールも大事なのですが、俯瞰することもお忘れなく。そもそも人の眉は左右で違うもの。毛の生え方が違うこともよくあります。そのバランスをどうとるのか、が成功するか否かの決め手で、だからこそ「最初はプロに」と言っているわけです。自分を客観的に判断してくれる存在は必須です。

毛を切ったり、抜いたりして左右のバランスをとるとどうしてもやりすぎてしまいますが、描いて足す方向であればたとえやりすぎてもすぐにやり直しがききます。この差はとても大きいので、ぜひ肝に銘じておいてください。

男性が眉を描くのは恥ずかしい？

ケア方法でサラリと眉を描くと言っていますが、これも慣れない男性にとってはビックリすることでしょう。でも、アイメイクというよりも足りないところに補給をすると考えてみると心理的なハードルは下がるはず。ボク自身も左の眉の眉山から眉尻にかけてどうしても毛が生えない箇所があります。普段はそのままにしていますが、人前に出るときはサッとアイブロウペンシルを使って埋めています。それだけでもまったく印象が違いますよ。

ということでアイブロウは1本、用意しましょう。スクリュータイプのブラシがついているものだと毛流れを整えるときに使えて便利。黒よりはグレーの方が肌なじみがいいです。男性用でも女性用でも自分の眉色に合っているなら構いません。

眉の色と毛量をコントロールする

そこで気になってくる眉の色ですが、一般的には瞳の色と合わせるか、髪より少し明るい色を選びます。ブリーチをして髪色がとても明るい場合は、髪色と瞳の中間を選ぶのがいい。そこまでのカラーをセルフでやる方は少ないでしょうから、もしする場合は眉色もスタイリストに相談してください。

反対に薄い眉で輪郭がぼやけてしまっている場合、周りのうぶ毛をなくすとエッジが際立ちます。薄いと何もできないというわけではなく、適切にケアすることで“しっかり眉”に見せられる可能性もあるのです。また、最近では眉の育毛剤もあるので毛量不足の方は試してみるのもいいですね。

眉が多くて困っているという方もいます。男性の頭髪以外の毛が太く、硬く、長くなるのは実は老化現象で、眉毛が長いと“老け見え”します。たとえば毛が太くボサボサで厚みが出がちな人は眉パーマをして寝かせるのもひとつの手。

こうしてみてみると、たかが眉なんて言えません。マスク生活でもほぼ露出しているので細心の注意を払うべきパーツ。むしろ自分の印象をコントロールできるので男性も積極的にケアしていきましょう。

藤村岳

ふじむらがく

男性美容研究家

1973年、東京生まれ。大学卒業後、植物関連の雑誌・書籍の編集を行い、ハーブやアロマテラピーの知識を得る。そんな中、男性が読む美容記事を、美容ライターという毎日ヒゲを剃らない女性が書くことに違和感を覚え、独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。総合情報サイト『All About』にて「メンズコスメ」のガイドも務めている。数々のテレビ番組やラジオなどの出演のほか、講演・イベント・コスメの監修やブランディングなども行う。

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