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美容健康コラム ヒハツに含まれるピペリンの効果 ヒハツに含まれるピペリンの効果 ヒハツに含まれるピペリンの効果

ヒハツに含まれるピペリンの効果

ヒハツはコショウ科に属する常緑のつる性植物で、一年中緑色の葉を保ちます。その果実はロングペッパーまたは島胡椒といった香辛料として利用される他、海外では漢方や生薬としても使われています。主に東南アジアに生息・生産されている植物です。
ヒハツはコショウ科に属する常緑のつる性植物
コショウと言えば食卓におなじみのスパイスですが、黒コショウ(ブラックペッパー)や白コショウ(ホワイトペッパー)など、その果実から作られる香辛料にはいくつかの種類があります。
これらはすべてコショウ科に属する植物であり、その果実をもとに作られています。果実の熟成度や他の成分との配合率によって、いろいろな種類のコショウが作られています。

ヒハツもコショウと同じくコショウ科に属する植物ですが、共通して「ピペリン」という「辛味成分」が含まれています。

ピペリンとは、ヒハツやコショウの果実に含まれる有機化合物であり、動物に対して強い抵抗を与えるアルカロイドの一種となります。※アルカロイドには多種多様な化合物が含まれており、昆虫や草食動物から植物自身を守るために生成されることが多く、捕食されないようにする為の防御的な役割を持っています。

※黒コショウ・白コショウ・緑コショウの中では、黒コショウが最も多くのピペリンを含有しており、全体の栄養成分のうち約6〜9%を占めています。ピペリンには、様々な健康効果があることが確認されています。
ピペリンとは、ヒハツやコショウの果実に含まれる有機化合物
※沖縄ではヒハツは「ピパーツ」などとも呼ばれています。ヒハツはインドネシアやインド系の植物ですが、果実だけではなくヒハツの葉はサラダや天ぷらとしても美味しく食べれます。
ヒハツに含まれるピペリンの効果効能
ヒハツ(ピペリン)には次のような効能効果が期待されています。


❑血管を広げ血流機能を改善する
血管が収縮すると血圧が高くなりますが、ヒハツを摂取すると血管が拡張し、血圧が下がり、血流も増加します。 体全体の血流機能が改善すると、その大部分を占める毛細血管の流れも改善される為「手足の冷え」の解消に繋がります。


『冷え』は手足の「冷たさ」や「むくみ」だけでなく、抜け毛・くすみ・クマ・不眠・肩こり・腰痛・頭痛・関節痛・めまい・便秘などの様々な不調を招くことがあります。

『冷え』は重い病気とは認識されていませんが、悪化すると特に女性はホルモンのバランスが崩れ、卵巣の働きが低下してしまうともされています。

『冷え』は血流が悪くなると発症します。これは血液が熱を運んで体温を一定に保つ働きがあるためです。

ピペリンには血管を拡張させ、血流を増加させる作用があるので、血流の悪さが原因の『冷え』には有効だとされています。
血管を広げ血流機能を改善する


❑リンパ管の形成促進作用
ヒハツには、リンパ液が全身をスムーズに循環できるようにリンパ管の形成を促進する作用があります。リンパ液の流れが滞ると、体内の老廃物が溜まり、足などがむくんでしまう事があります。

ヒハツはリンパ管の循環を改善することで「むくみ」を解消するとされています。
「むくみ」を解消




❑パーキンソン病を抑える効果
ヒハツには、「パーキンソン病」という脳の異常によって体の動きに障害が起こる病気を抑制する効果が確認されています。
パーキンソン病になると、手足が震えたり、動作が遅くなったり、筋肉が硬直したり、姿勢やバランスが保てなくなります。

パーキンソン病は、運動の調整を担う神経伝達物質「ドパミン」が減少する事が原因の1つであるとされていますが、ピペリンには「ドパミン」を分解する酵素の働きを阻害する作用があると報告されています。
パーキンソン病を抑える効果


❑その他
●アドレナリンの放出によりエネルギー代謝がアップし、ダイエットに効果的です。
●血液中に含まれる栄養分(血中濃度)が高まる事での疲労回復の効果があります。
●悪玉コレステロールの増加を抑え、善玉コレステロールの低下を抑えます。
●殺菌作用、抗酸化作用、肝臓を保護する作用があります。

高脂肪食を与えられたラットを対象とした試験データでは、体脂肪の蓄積を抑制する効果が確認されています。
ヒハツに含まれる
ピペリンの体内での作用
ピペリンを使った研究をご紹介します。

1)ピペリンを120μg摂取すると、感覚神経が刺激され、血管内に一酸化窒素が放出されるとされています。一酸化窒素には血管を拡張させる効果があり、血流が改善し、血圧を下げる作用に繋がります。

高血圧には自覚症状がありませんが、脳卒中や動脈硬化、心臓疾患など危険な病気の引き金となります。日本では高血圧の患者のほとんどが肥満や食塩の摂りすぎ、運動不足、ストレス、飲酒などが原因なので、心当たりのある方は、ヒハツ配合のサプリメントをお試し頂くのもよいかもしれません。
聴診器



2)20歳から65歳未満の「正常高値血圧」と「Ⅰ度高血圧」を持つ119例を対象に、1日にピペリン90μgを含むヒハツ抽出物「150mg」を12週間摂取するといった臨床試験が行われました。

この結果、収縮期血圧および拡張期血圧ともに、ヒハツ抽出物を摂取していない人達とくらべて、血圧が有意に低下する結果が得られました。「Ⅰ度高血圧」の人については摂取1週間後から血圧が下がる効果がみられています。この事から、ピペリンが高血圧の予防において、大変有用な物質ではないかと考えられています。


※ピペリンを含むヒハツ抽出物は体内の血圧を下げる物質に作用するのではなく、血管に働きかけることで血管の収縮をやわらげ、血圧が下がるのではないかと考えられています。


3)健康な20〜64歳の日本人女性30人を対象に、ピペリン120μgを含むヒハツ抽出物150mgを単回摂取し、その後冷水に手をつけて、手の表面温度を測る実験が行われました。

その結果、摂取していない人たちと比べ、ヒハツ抽出物を摂取したグループは手の表面温度が有意に回復したことが確認されました。

また、冷水に手を付けた後の末梢の血流量に関しても、ヒハツ抽出物を摂取したグループが有意に増加する結果も示されました。 この実験からも、ピペリンを含むヒハツ抽出物によって、血流が整えられ、結果として体温の上昇に繋がった事が示されています。
水イメージ
また、ピペリンを摂取すると交感神経が刺激され、アドレナリンが分泌し発熱作用による体温の上昇がおこります。この現象は唐辛子を摂取した時に「辛い・痛い」と感じて汗が吹き出す作用と同じような働きです。

ヒハツに含まれるピペリンを摂取する事により、体内ではこのようにさまざまな作用がおこります。

体重・BMI・体脂肪・中性脂肪が気になる方へ

ナイナイシ
ピペリンによる
皮膚がんの抑制試験も確認
悪性黒色腫は、皮膚がんの一種であり「シミ」や「ほくろ」のまわりに発生することが多く、メラノーマ細胞という特定の細胞が異常増殖することが原因だとされています。

ピペリンには、この悪性細胞を自然死へと導くアポトーシス作用、つまり「メラノーマ細胞の増殖抑制効果」が確認されています。
ピペリンによる皮膚がんの抑制試験
その他、結腸癌細胞株の成長を阻害したり、卵巣ガン、胃ガンをもたらす癌細胞のアポトーシスをはじめ、いろんな癌細胞に対して抗腫瘍の活性があるとされています。

他にも「過敏性腸症候群」への効果が示された論文もあり、今後の研究にさらなる期待が持たれています。

また、大阪府立大学の研究によって、白胡椒(ホワイトペッパー)に含まれる成分「ピペリン」が、抗生物質耐性を持つ細菌(例えばコレラ菌や出血性大腸菌など)の数を大幅に減少させる事が出来ると示されました。

この研究によれば、ピペリンを200μg/mLの濃度で摂取する事で、菌の数を10万分の1以下にまで減らすことが可能だというのです。 言い換えれば、ピペリンには強力な殺菌効果を持つことが確認されたとのです。

ピペリンについては、さまざまな有益な論文が発表されていますが、この不思議なメカニズムは未だ正確には解明されていません。 多くの情報は研究段階であり、国が認めた効能についてはまだ一部しかありません。
ピペリンの副作用
ピペリンには血圧を下げる効果がある為、元々血圧が低い方が服用すると、さらなる血圧低下を引き起こす可能性があります。

他にも、ピペリンの効果が逆に副作用につながる事も考えられますし、過剰に摂取する事で思わぬ副作用や健康被害のリスクも考えられます。サプリメントとして摂取する場合は、1日の摂取目安量を守り、安全に効果を得ることが重要です。

また、ピペリンには薬物代謝を阻害する作用がある為、医薬品と一緒に摂取すると、薬の作用に影響を及ぼし予期せぬ結果を招く可能性があります。
ピペリンの副作用
(おまけ)血圧測定の小話
※病院などの医療機関で測定した血圧は、緊張により通常より高い血圧が測定される傾向があります。
❑医療機関で計測した血圧
正常血圧 収縮期血圧 120未満 かつ
拡張期血圧 80未満
正常高値血圧 収縮期血圧 120〜129 かつ
拡張期血圧 80未満
高値血圧 収縮期血圧 130〜139 かつ/
または 拡張期血圧 80〜89
Ⅰ度高血圧 収縮期血圧 140〜159 かつ/
または 拡張期血圧 90〜99
Ⅱ度高血圧 収縮期血圧 160〜179 かつ/
または 拡張期血圧 100〜109
Ⅲ度高血圧 収縮期血圧 180以上 かつ/
または 拡張期血圧 110以上

❑自宅で計測した血圧
正常血圧 収縮期血圧 115未満 かつ
拡張期血圧 75未満
正常高値血圧 収縮期血圧 115〜124 かつ
拡張期血圧 75未満
高値血圧 収縮期血圧 125〜134 かつ/
または 拡張期血圧 75〜84
Ⅰ度高血圧 収縮期血圧 135〜144 かつ/
または 拡張期血圧 85〜89
Ⅱ度高血圧 収縮期血圧 145〜159 かつ/
または 拡張期血圧 90〜99
Ⅲ度高血圧 収縮期血圧 160以上 かつ/
または 拡張期血圧 100以上
つまり、通常は自宅で計測した血圧の基準値の方が低くなりがちなのです。
参考文献
●Yoo, E. S., Choo, G. S., Kim, S. H., Woo, J. S., Kim, H. J., Park, Y. S., ... Jung, J. Y. (2019). Antitumor and apoptosis-inducing effects of piperine on human melanoma cells. Anticancer Research, 39(4), 1883-1892. doi:10.21873/anticanres.13296 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30952729/
●Chen, H., Sheng, H., Zhao, Y., & Zhu, G. (2020). Piperine Inhibits Cell Proliferation and Induces Apoptosis of Human Gastric Cancer Cells by Downregulating Phosphatidylinositol 3-Kinase (PI3K)/Akt Pathway. Med Sci Monit, 26, e928403. doi:10.12659/MSM.928403. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33382670/
●Yaffe, P. B., Power Coombs, M. R., Doucette, C. D., Walsh, M., & Hoskin, D. W. (2015). Piperine, an alkaloid from black pepper, inhibits growth of human colon cancer cells via G1 arrest and apoptosis triggered by endoplasmic reticulum stress. Mol Carcinog, 54(10), 1070-1085. doi:10.1002/mc.22176. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24819444/
●Al-Johani, N. S., Al-Zharani, M., Aljarba, N. H., Alhoshani, N. M., Alkeraishan, N., & Alkahtani, S. (2022). Antioxidant and Anti-Inflammatory Activities of Coenzyme-Q10 and Piperine against Cyclophosphamide-Induced Cytotoxicity in HuH-7 Cells. Biomed Res Int, 2022, 8495159. doi:10.1155/2022/8495159. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35872848/
●Atal, C. K., Dubey, R. K., & Singh, J. (1985). Biochemical basis of enhanced drug bioavailability by piperine: evidence that piperine is a potent inhibitor of drug metabolism. J Pharmacol Exp Ther, 232(1), 258-62. PMID: 3917507. https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/3917507
●厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html
●恵沢 敏成,各種シクロデキストリン包接によるピペリンの溶解性・腸管収縮応答性に関する特性変更のための基礎的研究全身の「血めぐり」改善100のコツ決定版,主婦の友社,2015
●小池田 崇史,無作為化二重盲検比較法によるヒハツ抽出物含有粉末緑茶の正常高値血圧者ならびI度高血圧者に 対する長期摂取時の血圧降下作用および安全性の検証試験
●Effects of Long Pepper Extract on Peripheral Coldness in Japanese Healthy Women―A Randomized Double blind Placebo?controlled Crossover Trial―
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
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