イチョウ葉エキスには、フラボノイド、テルペノイド類、ギンコール酸という主に3つの成分が含まれています。
フラボノイドとは、植物に含まれる苦味や色素の成分であり、抗酸化作用を持つ事が知られています。この抗酸化作用は体内の活性酸素を減少させ、細胞の酸化ダメージを防ぐことができるとされています。これが、いわゆる「若返り効果」としても注目されているものです。
もちろん、イチョウ葉に含まれるフラボノイドにも抗酸化作用があります。また、多くの野菜や果物に含まれる「ケルセチン」や、血管の健康をサポートする成分として知られる「ルチン」もフラボノイドの一種です。
次に、イチョウ葉に含まれるテルペノイド類ですが、香りの成分である「ギンコライド」やイチョウ葉独特の成分である「ビロバライド」があります。
これらテルペノイド類は、血流を改善し、冷え性を改善する効果があるとされています。摂取する事で、体全体の血流が改善され、栄養と酸素が全身に適切に供給されるようになります。
他の効果としても、動脈硬化の予防、認知症の予防、精神を安定化させたり、抗アレルギー作用、抗炎症作用もあるとされています。
ただし、イチョウに含まれる「ギンコール酸」は、種子や葉に少量含まれていますが、残念ながら有害な成分となります。
イチョウが持つギンコール酸はその臭い匂いも強烈ですが、取扱にも注意が必要です。なぜなら、ギンコール酸には細胞毒性、神経毒性があるからです。
小さい頃に落ちているイチョウの実に触れる事で、手がかぶれるなどの経験をした方も多いのではないでしょうか。
イチョウは「ギンコール酸」によって、自身の種子を外敵から保護してきました。ギンコール酸は人間や動物にとっては有害な成分ですが、その独特の臭いと毒性のおかげで、他の動物による種子の摂取を防ぐ効果となったのです。
その為、イチョウの種子は外敵から守られ、イチョウの姿も長い年月を経てもその形状を変えることなく、繁栄を遂げてきたと考えられます。
このギンコール酸の存在は、イチョウが生物界の中でどのように自己防衛し、繁栄してきたかを示す興味深い事例とされており、生態学的な側面を象徴しているように思えます。