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美容健康コラム イチョウ葉エキスの効果と副作用 イチョウ葉エキスの効果と副作用 イチョウ葉エキスの効果と副作用

イチョウ葉エキスの効果と副作用

イチョウ(銀杏)とは?
イチョウは中国が原産地の樹木であり、日本では田舎の街路樹や神社でよく見かけます。
イチョウの木 その独特の形をした扇形の葉は、秋になると綺麗な黄色に変色します。また、イチョウの種(実)である銀杏は、食べすぎると良くないですが、美味しくて人気のある食材です。
イチョウ葉エキスの効果
イチョウの葉から抽出されるエキスにはさまざまな効果が確認されており、多くの有益な作用やその効能が報告がされています。
イチョウ葉エキスの効果
このイチョウ葉エキスの中には、数種類のフラボノイドが含まれており、その働きとして抗酸化作用、抗炎症作用をはじめ、神経保護作用、眼疾患、末梢動脈疾患、糖尿病、肝障害の抑制、毒物代謝機能といった多くの効果効能が示されています。

また、血管を拡張し血流を改善することから冷え性対策や、血小板活性化因子の阻害効果なども有名である他、記憶力の向上、認知症対策など多岐にわたる研究がされています。
イチョウ葉エキスの副作用
イチョウ葉エキス(イチョウ葉抽出物)は、一般的には安全とされていますが、稀に、頭痛やめまいなど、イチョウ葉エキスを摂取した後に一部の人々に副作用が現れることがあります。
頭痛やめまい
また、胃のむかつきや吐き気、便秘も確認されており、さらにはアレルギー性皮膚反応という形での皮膚の発疹やかゆみも、可能性として存在します。

何れも軽度の副作用とされていますが、イチョウ葉エキスのサプリメントなどをお試しする際は、指定の摂取目安を守り、過剰摂取には注意してください。
イチョウ葉エキスに
含まれている成分
イチョウ葉エキスには、フラボノイド、テルペノイド類、ギンコール酸という主に3つの成分が含まれています。
3つの成分 フラボノイド テルペノイド類 ギンコール酸
フラボノイドとは、植物に含まれる苦味や色素の成分であり、抗酸化作用を持つ事が知られています。この抗酸化作用は体内の活性酸素を減少させ、細胞の酸化ダメージを防ぐことができるとされています。これが、いわゆる「若返り効果」としても注目されているものです。

もちろん、イチョウ葉に含まれるフラボノイドにも抗酸化作用があります。また、多くの野菜や果物に含まれる「ケルセチン」や、血管の健康をサポートする成分として知られる「ルチン」もフラボノイドの一種です。

次に、イチョウ葉に含まれるテルペノイド類ですが、香りの成分である「ギンコライド」やイチョウ葉独特の成分である「ビロバライド」があります。

これらテルペノイド類は、血流を改善し、冷え性を改善する効果があるとされています。摂取する事で、体全体の血流が改善され、栄養と酸素が全身に適切に供給されるようになります。

他の効果としても、動脈硬化の予防、認知症の予防、精神を安定化させたり、抗アレルギー作用、抗炎症作用もあるとされています。

ただし、イチョウに含まれる「ギンコール酸」は、種子や葉に少量含まれていますが、残念ながら有害な成分となります。

イチョウが持つギンコール酸はその臭い匂いも強烈ですが、取扱にも注意が必要です。なぜなら、ギンコール酸には細胞毒性、神経毒性があるからです。

小さい頃に落ちているイチョウの実に触れる事で、手がかぶれるなどの経験をした方も多いのではないでしょうか。

イチョウは「ギンコール酸」によって、自身の種子を外敵から保護してきました。ギンコール酸は人間や動物にとっては有害な成分ですが、その独特の臭いと毒性のおかげで、他の動物による種子の摂取を防ぐ効果となったのです。

その為、イチョウの種子は外敵から守られ、イチョウの姿も長い年月を経てもその形状を変えることなく、繁栄を遂げてきたと考えられます。

このギンコール酸の存在は、イチョウが生物界の中でどのように自己防衛し、繁栄してきたかを示す興味深い事例とされており、生態学的な側面を象徴しているように思えます。
美味しいイチョウの種子、
銀杏(ぎんなん)
イチョウの実で外種皮を取り除いくと、硬い殻の中には「ぎんなん」があります。ぎんなんは、適量摂取すると、滋養強壮や抗利尿作用が期待できます。
ぎんなん
しかし、イチョウの種子にはビタミンB6の働きを阻害する「メチルピリドキシン」が含まれており、過剰な「メチルピリドキシン」の摂取は神経毒性(けいれん等)を引き起こす可能性があり注意が必要です。

その為、栄養価の高い銀杏(ぎんなん)ですが、食べ過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性があります。 「メチルピリドキシン」は加熱しても、その悪影響は失われませんので注意してください。

出典 公益財団法 日本中毒情報センター ギンナンの食べ過ぎに注意しましょう
https://medica-info.jp/official/wp-content/uploads/2020/10/0a39d6d673abd14d883fd24256d82b17.pdf
イチョウ葉エキスと
糖尿病
イチョウ葉エキス(イチョウ葉抽出物)による学術論文のご紹介

出典 Effects of Ginkgo biloba on prevention of development of experimental hepatic fibrosis in rats
イチョウ葉エキスの効果と糖尿病による腎障害を予防する(ラット)
Lu, Q., Yin, X.-X., Wang, J.-Y., Gao, Y.-Y., & Pan, Y.-M. (2007). Acta Pharmacologica Sinica, 28(6), 818-828. doi: 10.1111/j.1745-7254.2007.00570.x:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17506941/
糖尿病
この論文では、イチョウ葉エキスは糖尿病による合併症である腎障害の進行において、いくつかの有効な腎臓保護効果が確認でき、早期的な糖尿病による腎障害の発症における予防薬となる可能性について結論づけています。
イチョウ葉エキスと
血管機能
出典 Ginkgo biloba extract improves coronary blood flow in healthy elderly adults: role of endothelium-dependent vasodilation
イチョウ葉エキスは、健康な高齢者の冠動脈の血流を改善する
Wu, Y., Li, S., Cui, W., Zu, X., Du, J., & Wang, F. (2008). Phytomedicine, 15(3), 164-169. doi: 10.1016/j.phymed.2007.12.002:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18258419/
この研究により、健康な高齢者60人を対象にイチョウ葉エキスの影響を調査する研究が行われました。

その結果、イチョウ葉エキスを使用したグループは、心臓へ血液を供給する冠状動脈の血流が有意に増加し、血管の拡張能力に大幅な改善が見られたとされています。
冠動脈の血流を改善
この事から、イチョウ葉エキスが高齢者の血管機能や血流を改善し、老化に伴う悪影響を抑制する可能性が示されました。
イチョウ葉エキスと
認知症患者
出典 Effects of Ginkgo biloba on dementia: An overview of systematic reviews
イチョウ葉エキスが認知症患者に潜在的な有益な効果を与える
Yuan, Q., Wang, C.-W., Shi, J., & Lin, Z.-X. (2017). Journal of Ethnopharmacology, 195, 1-9. doi: 10.1016/j.jep.2016.12.005:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27940086/
この研究では、イチョウ葉エキスを、少なくとも1日200mg以上の摂取を5ヶ月間継続する事で、認知症患者に有益な効果をもたらす可能性が示されました。
認知症患者に潜在的な有益な効果
ただし、確実性を上げるために、より厳密に設計された大規模なランダム化比較試験(RCT)が必要だとも補足されています。
イチョウ葉エキスと
血管保護作用
出典 Ginkgo biloba Extract in Vascular Protection: Molecular Mechanisms and Clinical Applications
血管保護におけるイチョウ葉エキスの役割について
Tian, J., Liu, Y., & Chen, K. (2017). Current Vascular Pharmacology, 15(6), 532-548. doi: 10.2174/1570161115666170713095545:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28707602/
この論文では、イチョウ葉エキスは、血管保護作用を発揮し、心血管疾患や虚血性疾患の有望な治療薬であるとも結論づけられています。
血管保護作用
イチョウ葉エキスと
脳損傷
出典 Ginkgo biloba Extract Prevents Female Mice from Ischemic Brain Damage and the Mechanism Is Independent of the HO1/Wnt Pathway
イチョウ葉エキスは、雌マウスの虚血性脳損傷を防ぐ
Tulsulkar, J., Glueck, B., Hinds Jr, T. D., & Shah, Z. A. (2016).Translational Stroke Research, 7(2), 120-131. doi: 10.1007/s12975-015-0433-7:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26573919/
この論文では、卵巣を取り除いた雌マウスにイチョウ葉エキスを与える事によって、比較群のマウスに比べて脳内に生じる血流の問題が少なかった事が確認されました。
脳損傷
また、イチョウ葉エキスは細胞の自滅(アポトーシス)を防ぎ、新しい神経細胞の生成を促進する作用があることも示されました。これらの効果は、通常の神経保護メカニズムではなく、自滅を引き起こす経路を遮断する動きによるものとされています。

つまり、イチョウ葉エキスが脳損傷を防ぎ、神経機能を改善する可能性があることを示しています。
その他、論文について
★他にも多くの論文がありますので、いくつかご紹介します。
論文紹介
出典 Effects of Ginkgo biloba on cerebral blood flow assessed by quantitative MR perfusion imaging: a pilot study
脳血流に対するイチョウ葉エキスの効果について
参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21061003/
出典 Ginkgo biloba Extract in Alzheimer’s Disease: From Action Mechanisms to Medical Practice
イチョウ葉エキスとアルツハイマー病の研究
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2820992/

★有効な結果が得られなかったという論文もありますので、ご紹介します。
出典 Ginkgo biloba for cognitive impairment and dementia
イチョウ葉エキスが認知障害と認知症の治療にあたえる影響は信頼度が低い
参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19160216/
出典 Effect of Ginkgo biloba on visual field and contrast sensitivity in Chinese patients with normal tension glaucoma: a randomized, crossover clinical trial
イチョウ葉エキスと正常眼圧の緑内障患者におけるテストでは、視野とコントラスト感度への影響は考えにくいという結論になった。
参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24282229/
   
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

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