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美容健康コラム ベピオゲルの効果と過酸化ベンゾイル ベピオゲルの効果と過酸化ベンゾイル ベピオゲルの効果と過酸化ベンゾイル

ニキビ治療薬「ベピオゲル」の効果と
有効成分「過酸化ベンゾイル」

「ベピオゲル」は有効成分「過酸化ベンゾイル」を主成分としたニキビ治療薬です。

過酸化ベンゾイルは、ベピオゲル以外にも「エピデュオゲル」や「ディアック配合ゲル」など、他のニキビ治療薬にも含まれています。

ベピオゲルは、欧米などの外国では1960年代頃から外用治療薬として使われてきましたが、日本国内では2015年の4月からニキビ治療薬としての使用が開始されています。
「ベピオゲル」は有効成分「過酸化ベンゾイル」を主成分としたニキビ治療薬
ベピオゲル薬剤は「活性酸素」を発生させる事によりアクネ菌を殺菌します。また、角質の詰まりを解消させる「角層剥離作用」によって毛穴のつまりをなくします。 ニキビは毛穴に皮脂がたまる事が主な原因である為、角質細胞同士の結合をゆるめ、毛穴に詰まった皮脂や古い角質を毛穴の外へ追い出す必要があるのです。

過酸化ベンゾイルは皮膚に塗った後、血液中や肌内部でその効果を発揮した後、馬尿酸・安息香酸といった物質へ変換され速やかに尿として排泄されます。

※過酸化ベンゾイルは医薬品成分であるため、市販されているスキンケア用品で配合されているものはございません。
過酸化ベンゾイルの信頼度
日本において過酸化ベンゾイル配合のニキビ治療薬の認可がとれたのは2014年の事ですが、海外では古くから使用されてきました。

令和4年現在ではニキビ治療に使われる薬剤として「過酸化ベンゾイル(BPO)」はAランクの信頼度があります。レチノイド外用剤と並びニキビや毛穴の詰まりを治療する薬として医療機関で使用されています。
ニキビ治療に使われる「過酸化ベンゾイル(BPO)」
日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドライン2017では、過酸化ベンゾイルの使用が推奨されています。

❑炎症性皮疹(赤ニキビ)が
中等症〜重症の場合

→クリンダマイシン1%と過酸化ベンゾイル3%配合のゲルを推奨

❑炎症性皮疹(赤ニキビ)が
中等症〜最重症の場合

→アダパレン 0.1%と過酸化ベンゾイル2.5%配合のゲルを推奨

❑炎症性皮疹(赤ニキビ)が
軽症〜中等症の場合

→過酸化ベンゾイル2.5%配合のゲルを推奨

❑毛穴に角質がたまっている状態
(白ニキビ)

→過酸化ベンゾイル2.5%配合のゲルが推奨
<ニキビの重症度の基準>
軽症:顔の片側に炎症性皮疹(赤ニキビ)が5個以下
中等症:顔の片側に炎症性皮疹(赤ニキビ)が6個〜20個
重症:顔の片側に炎症性皮疹(赤ニキビ)が21個〜50個
最重症:顔の片側に炎症性皮疹(赤ニキビ)が51個以上


過酸化ベンゾイルの濃度が2.5%以上であればその効果にあまり差はありませんが、10%以上の濃度では副作用が強くなってしまうので、5%以下が望ましいとされています。

2.5%と4%配合のクリームを塗り比べた試験では、どちらも顕著な改善がみられ、ほぼ同じ程度の効果が確認されました。


どちらの濃度も塗布しはじめた約2週間ほどは塗布部分の刺激やほてりなどが感じられますが、1ヶ月程度継続すると症状は軽減していくことが多いとされています。

海外ではアクネ菌を殺菌する「塗り薬」や「飲み薬」を長期間使用するとアクネ菌が薬に対して抵抗力を持つようになり、薬が効きにくくなるという問題が発生していました。

しかし、過酸化ベンゾイルは「菌に耐性を持たせる事が無い薬」とされている為、通常の抗菌剤とは違った効果を発揮してくれます。つまり、アクネ菌が薬剤に対して耐性を持つことが出来なくなり、使用し続けてる事によって効果が無くなってしまうという事もありません。

ベピオゲル治療薬の対ニキビ効果の評価は高いですが副作用もあります。
妊婦さんは使用する事が出来ませんし、赤みやハレ、ひどい乾燥や皮剥けなどの皮膚トラブルがおこる場合があるので、必ず医師の診察が必要です。
このあたりの副作用はレチノイド(ビタミンA)治療薬とも類似しています。
かかりつけ医の指示に従い正しい使い方
ネットの情報を鵜呑みにせず、かかりつけ医の指示に従い正しい使い方をする事をおすすめします。 医師が肌の状態をみて適切なお薬を処方してくれます。特にひどいニキビの場合は安易に化粧品に頼らず自己判断しないことが大切です。
ベピオゲルの臨床試験
ニキビの症状がある人がベピオゲル2.5%の外用剤を3ヶ月の間塗布し続け、安全性と効果を示した実験があります。

377人のうち約73%の271人は顔に使用し改善の傾向が見られました。顔以外(背中・胸部・首など)は、使用した32人のうち約58%の18人は改善の傾向が見られました。

また、ベピオゲルには副作用として塗ったところに赤みや刺激・かゆみ・カサつき・ズキズキとした痛み・皮むけが起こることがあります。今回は378人のうち約15%の57人にこのような副作用があらわれましたが、重大なトラブルではありませんでした。また敏感肌の人の方が副作用を感じやすいといった結果にもなりました。
ベピオゲルには副作用として塗ったところに赤みや刺激・かゆみ・カサつき・ズキズキとした痛み・皮むけが起こる
ベピオゲルの注意事項
ベピオゲルの一般的な注意事項は以下のように記載されております。

用法用量をきちんと守り、目の周りや、唇や粘膜、傷口などにつかないように注意してください。 また、漂白作用もあるため衣類につかないようにしてください。

皮膚疾患の治療中は紫外線対策が重要です。ベピオゲルを使用中は必ず日焼け止めを使用する必要があります。さもないと逆にニキビが悪化したり、ニキビ跡が残ったりシミができたりもします。
皮膚疾患の治療中は紫外線対策が重要
過酸化ベンゾイルゲルは他の外用剤と併用すると刺激が強くなるという報告がされています。例えば、アダパレン外用剤と一緒に使うと刺激が強くなる傾向があるようです。また、敏感肌の方は刺激を感じやすいため、部分的に使用したり塗布量を調節したりする必要があります。

※詳しくは医師や薬剤師にご相談ください。
ニキビの原因とは
ニキビの原因とされるアクネ菌は皆さんの肌に住みついている常在菌です。このアクネ菌が原因で慢性的に毛穴が詰まった状態で角質が盛り上がる炎症性病変の一種がニキビですが、ホルモンバランスの悪化も原因の1つであるため、思春期が終わるまでに約90%以上のヒトが発症すると推測されています。
思春期には顔以外にも、胸部、背部などにも発生するのが特徴です。
思春期には顔以外にも、胸部、背部などにも発生するニキビ
ホルモンバランスの悪化以外にも、皮脂の分泌が多くなりすぎたり、毛穴の角質が分厚く硬くなったり(角化異常)、アクネ菌等の細菌の増殖などがニキビの原因となります。

アクネ菌は皮脂分泌が多いと繁殖しやすく、さらに増殖しすぎるとニキビはやがて赤く腫れ上がった状態になり、膿をともなったりもします。

ひどいニキビを放置すると、皮膚も凸凹になり簡単には治らない状態になります。若いころに悪化したニキビは年齢をかさねても残ります。
その場合は、市販のアクネケア商品やアクネローション等ではきれいな肌には戻りませんし、ここまでくると後悔しても手遅れです。その為、ひどくならないように早めにケアすることをおすすめします。

ニキビが跡が残ってしまった場合には、皮膚科などの医療機関で早急に治療を受けることが必要になります。
一般的なニキビ予防
軽いニキビの場合は、市販で販売されている一般医薬品や医薬部外品、スキンケアなどでも治療する事が出来ますが、日焼け止めを使う事が大切です。

ニキビ治療が落ち着いたら、毎日のスキンケを選びましょう。あなたの肌にあったアクネローションや、洗顔、たまにホームピーリングなどをして顔全体の古い角質を落とし、毛穴の詰まりをきれいにすることが大切です。

早期なニキビ治療のその後は、自分の肌にあったニキビ予防をおすすめします。

※ニキビは専門用語ではで尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)といいます。
参考文献
●北村正樹,尋常性ざ瘡治療薬―過酸化ベンゾイル含有製剤―
●荒金 兆典,過酸化ベンゾイルのざ瘡治療における至適濃度の検討
●森本 宏,尋常性ざ瘡治療薬 過酸化ベンゾイルゲル2.5%(ベピオ®ゲル2.5%)の薬理学的特性と臨床効果公益社団法人日本皮膚科学会 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017
●林 伸和,尋常性痤瘡患者に対する過酸化ベンゾイルゲル(ベピオゲル2.5%)の安全性と有効性の検討 (特定使用成績調査の中間報告),日本臨床皮膚科医会雑誌 34巻 5号,2017
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧め致します。
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