サラシアの根、茎、葉には、サラシノール、コタラノール、ポンコリノール、サラプリノールといった有益な成分が含まれています。
これらの成分には、血糖値や脂質代謝を調整し体重の増加を制御する作用や、心臓や肝臓の保護作用、抗酸化作用、抗炎症作用がある言われています。
※サラシアには「オブロンガ」「サラシア チネンシス」「サラシア プリニイ」など、いくつかの種類が存在しますが、その中で特に「サラシア レティキュラータ」という種類のサラシアの根は、血糖値を抑える効果が高いとされています。
サラシア抽出物の代表的な作用として「脂質低下作用」「血糖値低下作用」があります。そしてこれらの作用機序には、複数のメカニズムが存在しています。
例えば、サラシア抽出物には特定の酵素の働きを阻害(調節)する事が確認されています。
アルドースレダクターゼの阻害
アルドースレダクターゼは、アルドースを糖アルコールに変換する炭水化物代謝の酵素です。過剰に生成されると糖尿病の合併症に関係する問題が生じ、高血糖状態においては、酵素の働きを抑制する必要があります。
膵(すい)リパーゼの阻害
膵リパーゼは脂質を分解する酵素です。分泌が妨げられると、腸管における脂質の吸収が阻害され、血中脂質増加の抑制につながります。
グルコーストランスポーター4の活性化
グルコーストランスポーター4はインスリンに反応し、血液中のブドウ糖を細胞内に送り届けるため、血糖値を下げる効果があります。この酵素はサラシアを摂取する事により活性化します。
サラシアの副作用
サラシア抽出物は、その種類や抽出方法によっては、それぞれ異なる作用が確認される事もあります。しかし、副作用については基本的にリスクは低いとされており、古くから2型糖尿病の患者の血糖値および血中脂質を調整するために使用されてきました。
また、サラシアの安全性について良い評価をしている情報※1もあり、こちらの研究内容からも問題ないものと認識出来ます。
もちろん、サラシア成分の過剰摂取はよくありません。サラシアを取りすぎると下痢や腹部の違和感が生じる可能性も考えられます。
いずれにしても適量であれば、基本的な副作用もなく、長期的な服用においても安全な成分である事が示されています。※1
サラシアはいつ摂取すると良い?
サプリメントの場合、飲み方を指定する事は出来ません。飲み方が指定出来るのは医薬品のみです。
ただし、サラシアのシステマティックレビューや作用機序を考察するにあたり、食前もしくは食事と一緒に摂取することが効果的だと考えられます。
出典 Stohs, S. J., & Ray, S. (2015). Anti-diabetic and Anti-hyperlipidemic Effects and Safety of Salacia reticulata and Related Species. Phytotherapy Research, 29(7), 986-995. doi: 10.1002/ptr.5382 PMID: 26031882 PMCID: PMC5033029
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5033029/
出典 Kajiwara, N., Onodera, K., Tsuji, T., & Yonei, Y. (2017). Safety evaluation of excess or long-term intake of food containing a Salacia extract. Glycative Stress Research, 4(4), 279-291. Tokyo, Japan: Society for Glycative Stress Research. https://www.toukastress.jp/webj/article/2017/GS17-32J.pdf
サラシアエキス入り食品の過剰摂取または長期摂取の安全性評価 ※1