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美容健康コラム グリコール酸とピーリングの効果 グリコール酸とピーリングの効果 グリコール酸とピーリングの効果

ピーリングの効果で
肌本来の美しさを取り戻す

ピーリングとは肌の角質層に直接働きかけ、肌本来の美しさを取り戻す積極的なスキンケア。

ニキビ(尋常性ざ瘡)やニキビ跡の治療、毛穴の開き・黒ずみ、肌荒れの改善、シミ・肝斑・くすみの改善、シワ・たるみの予防に効果があります。
ニキビ肌
   
ピーリングにはどのような効果があるのでしょうか。いくつかの興味深い論文をご紹介します。
グリコール酸5%でのピーリング効果

ニキビに悩む人を対象にグリコール酸を使った治療を行ったところ、低濃度のグリコール酸が含まれる商品を4週間使用した結果、ほとんどの被験者の皮膚病変について大幅な改善が見られたとされています。

皮膚ポルフィリン症状という日光にさらされることで、赤みや腫れ、痛みといった症状が出る被験者については明らかな改善が見られた事。メラニンや紅斑の改善については、検査後4週間経過したころから症状の緩和が確認出来ています。

5%という低濃度のグリコール酸を繰り返し使用することで治療部位の改善が見られた結果から中程度のニキビ治療には低濃度のグリコール酸が有効ということが示されました。

参考論文
グリコール酸5%配合製品による軽〜中度のニキビ治療の有効性と安全性について
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35182003/
高濃度グリコール酸と
炎症性皮膚炎

下記論文では顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめんはしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)の患者30名に対して、2週間の間隔で35%のグリコール酸を使ったケミカルピーリングを計3回行った結果、50%の患者の病変について、70%程度の改善が見られたとされています。

つまり、高濃度のグリコール酸を使ったケミカルピーリングは、顔面播種状粟粒性狼瘡を治療するにあたり、有益な選択肢となるという事です。

参考論文
慢性的な炎症性皮膚炎である「顔面播種状粟粒性狼瘡」に対するグリコール酸のケミカルピーリングの効果と安全性
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35617452/
ニキビへの有効性

「ニキビ患者に対しケミカルピーリングを行ったところ、約84%に有効性が見られた」という報告があります。

一般的なニキビ治療では効果のなかった患者(ざ瘡)184名に対し、ケミカルピーリングを行ったところ、 継続施術を行った165例のうち、57例が非常に有効、81例が有効であったと確認されています。

つまり、合計約84%の患者にニキビ治療への有効性が認められたのです。※ただし、18例に紅斑、乾燥などの副作用が認められました。

また、疾患の改善だけでなく肌質の改善などの付加価値もあり、 患者の満足度も高く、治療を継続することを希望する患者が多かったとの事です。

参考文献
「当院で行った痤樛樛瘡に対するケミタ襯圈璽螢鵐阿領彎卸亳咳教例の検討」より
ピーリングといえばAHAとBHA
ピーリングに使われる主な成分に「AHA(アルファヒドロキシ酸)」と「BHA(サリチル酸)」があります。これらはタンパク質を分解する働きがある為、肌に塗布するだけで角質を溶かすことが出来ます。
AHA(アルファヒドロキシ酸)とBHA(サリチル酸)

AHA(アルファヒドロキシ酸)の効果

AHAはアルファヒドロキシ酸(α-Hydroxy acid)、別名フルーツ酸と言われています。クエン酸・グリコール酸・リンゴ酸・乳酸の総称であり、フルーツやサトウキビ、発酵乳などから作られます。

AHA(アルファヒドロキシ酸)は、水溶性の酸の一種で、肌の表面に作用し、古い角質を除去することが出来ます。

肌のタンパク質を溶かし、蓄積した古い角質や皮脂を取り除く効果がある為、新しい肌細胞が表面に現れ、肌が明るくなり、より滑らかな感触を得ることができます。

※AHAのパワーは、濃度とpH値、作用時間に応じて変化します。皮膚科で行うケミカルピーリングにグリコール酸の薬剤を使用する場合、pH3以上で10%以下の濃度での施術とされています。また、pH2以下で濃度が30%以上になると危険です。
 

AHAを構成する4つの有機酸
  • りんご

    ❑リンゴ酸
    リンゴやブドウ、ワインに含まれる、オキシコハク酸のこと。爽やかな酸味が特徴で、食品添加物(酸味料、pH調整剤、乳化剤)として食品加工にも利用されています。
    ※化粧品の成分表では、リンゴ果実エキスとかブドウエキスなどと表記されていることもあります。

  • レモン

    ❑クエン酸
    レモンなど柑橘類などに含まれる有機酸の一種。清涼飲料水や加工食品に食品添加物として使われ、疲労回復系サプリメントにも多用されます。炭酸カルシウムを溶かすことから家庭内の水回りの掃除にも役立ちます。
    ※化粧品の成分表では、レモン果汁やオレンジ果汁、ライム果汁、グレープフルーツ果実エキスなどと表記されていることもあります。

  • パイナップル

    ❑グリコール酸
    別名ヒドロキシ酢酸。サトウキビ、テンサイ、パイナップルやブドウに含まれます。肌への浸透力が高いため、ケミカルピーリングではほとんどがグリコール酸を使用し、医師が濃度を調節して使います。シミ、シワ、たるみの改善に役立ちます。

  • ヨーグルト

    ❑乳酸
    ヨーグルトなどに含まれる有機酸の一種。ピーリング剤としてはグリコール酸より効き目がおだやかで、角質を柔らかくするだけでなくメラニン色素が原因のシミ・くすみ、肝斑の抑制にも効果があり、美白ケアに向いています。



BHA(サリチル酸)の効果

BHA(ベータヒドロキシ酸)は、肌の角質剥離に使用される化学物質で、特にサリチル酸がよく知られています。

BHAは油溶性であるため、AHA(アルファヒドロキシ酸)とは異なり、皮脂が多く肌や毛穴の詰まりが問題となっている方に特に有効です。皮脂腺の深くまで浸透し、毛穴を詰まらせている過剰な皮脂や古い角質を除去することができます。

ピーリングに使われる「サリチル酸マクロゴール」と「サリチル酸エタノール」は、サリチル酸を皮膚に適用しやすくするための溶剤です。これらはサリチル酸の効果を向上させるとともに、肌への適用時の均一性を高めます。

特に、アクネ(にきび)がある肌やオイリー肌において非常に効果的です。また、殺菌効果があり、水虫やニキビ、イボの治療にも使われます。

しかし、乾燥肌や敏感肌の人は刺激を感じることがある為、低濃度から始めて徐々に濃度を上げて使うのが一般的です。また、BHAはAHAと同様、肌の光敏感性を高める可能性があるため、日中は日焼け止めを使用することが重要です。

※BHA(サリチル酸)は肌への刺激が強いので、化粧品への配合は0.2%までしか認められていません。皮膚科でのケミカルピーリングにのみ使われています。
ピーリング施術について
皮膚科でのピーリング
最も効果が高いのは、美容皮膚科で医師が行う「ケミカルピーリング」。2週間に1回のペースで、数ヶ月に渡ってピーリングを行うのが最も効果的です。クリニックでのピーリングは「ケミカルピーリング」と呼ばれ、市販品より強力なピーリング剤が使われます。効果が高い上にアフターケアも万全なのでとても安心です。

ケミカルピーリングで剥離するのは、角質層まで、基底層まで、さらに真皮層以下の真皮乳頭層まで、網状層まで、と深く4段階に分かれています。皮下脂肪組織のすぐ上にある網状層まで剥離するケミカルピーリングが最も深く重い施術になります。

AHA(グリコール酸)またはBHA(サリチル酸)を肌の表面に塗布し、古い角質を剥離させ、若々しい肌へと導きます。
ピーリングの施術イメージ
グリコール酸は家庭用よりも酸性度が高く、濃度10%程度が目安ですが、濃度は医師の判断で濃くしたり薄くしたりできるので、術前術後の状況を見ながら判断していくことになります。

ただし、ピーリングは保険適用外なので自費診療となります。一回の施術で効果が出る場合もありますが、基本的には2週間に1度の施術を6〜8回繰り返します。

施術後には、ほてり、赤み、ピリピリした刺激、ヒリヒリした痛み、肌の乾燥、かさつき、一時的にシミができる、一時的にニキビができる などの副作用が生じる場合があります。

また、次のような方はケミカルピーリングが出来ません。

□妊娠中、授乳中の方
□化学物質アレルギーの方
□イボやヘルペスといったウイルス性の皮膚炎にかかっている方

エステでのピーリング
 
ケミカルピーリングとホームピーリングの中間にあるのがエステでのピーリングです。エステティシャンは医師ではないので、カウンセリングの際によく相談をし、納得のいく範囲で施術をするのがよいでしょう。

エステではピーリング後におすすめの美白化粧品を置いているところもありますので、トータルでエイジングケアを目指す方には使い勝手がよいと言えます。


ホームピーリング
 
自宅でのホームピーリングはいつでも好きな時間に気軽にできるのがメリットです。

いつもの化粧品に美容液を1本足す程度です。また、ホームケア用の薬剤は酸性度が低く、肌への刺激も低く抑えられています。取扱説明書をよく読んで正しい使い方をすれば肌トラブルを起こす可能性は低いと思います。
自宅でのホームピーリング
ホームピーリング用にいろいろなメーカーからたくさんのピーリング化粧品が出ています。どれを買ったらいいか、悩んでしまう方も多いのでは?
それぞれの特長を知って、自分に合ったピーリングを選びましょう。


  • ゴマージュタイプ

    ❑ゴマージュタイプ
    ゴマージュとはフランス語で角質除去のこと。植物から作られる微細粒子を使って、古くなった角質をやさしくこすり落とします。植物の種や殻の粉末のほか、海泥や火山灰などが使われることも。※スクラブやゴマージュはニキビなどの炎症や傷があるときには不向きです。

  • スクラブタイプ

    ❑スクラブタイプ
    細かい粒子(スクラブ)が入った洗顔ジェル・クリーム・フォーム。 余分な角質や毛穴に詰まった汚れをスクラブがしっかり掻き出して落とします。 スクラブは塩、植物の種子の粉末、コンニャク粉末、高分子粉末(マイクロビーズ)などさまざま。擦るときに力を入れ過ぎると肌を傷つけることがあるので要注意。

  • 石鹸てイプ

    ❑石けんタイプ
    AHAなど角質柔軟成分が入った洗顔石けん。 毎日の洗顔と同時にピーリングできるから手軽で簡単。ピーリング効果を高めるためには、すすぎの前に泡をのせたまま2〜3分待つ「泡パック」がおすすめ。

  • コットンタイプ

    ❑コットンで拭くタイプ
    AHAを配合した角質柔軟作用のある化粧水。 洗顔後にたっぷりとコットンに含ませて、顔全体をやさしく拭き取ります。力を入れ過ぎないのがポイント。「拭き取り化粧水」とも呼ばれます。

  • ❑塗るだけタイプ
    洗顔後の清潔な肌に適量をやさしくなじませるだけ。角質柔軟作用のあるAHAや酵素を配合しています。化粧水の前に使う、導入美容液(ブースター)として、後にのせる化粧品の浸透力をアップさせる効果も。例)ピーリング美容液

  • ❑マッサージタイプ
    角質吸着成分を配合したマッサージクリーム(ジェル)。洗顔後、水けを拭き取った顔全 体になじませ、指の腹で円を描くようにくるくるとマッサージします。20秒程度で柔らかい消しゴムかすのようなポロポロが出てくるので、ぬるま湯で洗い流すかコットンで拭き取ります。

  • ❑洗い流すタイプ
    塗るだけタイプよりもAHAの濃度が濃く、角質剥落効果が高いのが特徴。清潔な肌に適量をなじませたら数分待って水かぬるま湯で洗い流します。

   
ピーリングの手順にはご注意を
間違った使い方は肌を痛めます。
誤ったピーリング方法に注意
  • いきなり薬剤を頬にのせる

    ×いきなり薬剤を頬にのせる
    頬は皮膚が薄くて弱い部分。効果が出やすいので、時間をなるべく短くするため最後に。最初はTゾーンからのせましょう。

  • 時間をかけすぎる

    ×時間をかけすぎる
    効果を期待するあまり、時間をかけすぎると肌に負担がかかり、トラブルの元に。必要な角質まで落としてしまっては大変!肌に刺激を感じたら、いったんストップ。使い始めはどうしても刺激を感じやすいので、水で薄めるなどして少し弱めて使ってみるのもアリ。

  • ゴシゴシこする

    ×ゴシゴシこする
    角質の奥まで効かせたい気持ちは分かりますが、丁寧なケアが鉄則。肌に傷をつけたり、余分なストレスを与えたりしては逆効果に。

  • 体調不良の時に使う

    ×体調不良の時に使う
    風邪気味、睡眠不足、生理中、ダイエット中など肌の状態がよくないとき、花粉アレルギーなどで体調が不安定になっているときにピーリングをすると、肌トラブルのもとに。もちろん、病気のときは当然やってはいけません。

  • 目と口の回りに使う

    ×目と口の回りに使う
    目元、口元は刺激を受けやすく、乾燥しやすい部分なので避けましょう。万が一目に入ってしまったら、すぐに流水で洗い流して。



ピーリング後の保湿と
UVケアは必須
ピーリングの後はアフターケアがとても大切です。皮膚が薄くなり敏感になっている為、ゴシゴシ強く洗ったり、こすることはやめましょう。

また、肌も乾燥しやすい状態になっているので、十分に保湿を行って下さい。皮膚が薄いと紫外線の悪影響を受けやすいので、日中は日焼け止めを必ず使用して下さい。
毎日たっぷりと保湿ケア
ピーリングで
シミ・くすみが消える!?
紫外線にさらされると、肌は自身を保護しようとしてメラニン色素を生成します。この過程は、肌の中の細胞であるメラノサイトによって行われます。

メラニン色素は紫外線から肌を守る役割を果たしますが、過剰に生成されると肌の色調の不均一やシミの原因となります。
ターンオーバーと角層の仕組

ピーリングは、肌の表面にある古い角質層を取り除き、新しい肌細胞の生成を促すスキンケア方法です。このプロセスは、肌のターンオーバーを活性化させ、肌の再生サイクルを正常化します。その為、シミやくすみは自然と薄くなり、やがて垢となって消えていきます。


❑ピーリング後なら美白成分がグングン浸透する
ピーリングを行うと、肌の吸収力が向上します。古い角質層が取り除かれ、新しい肌細胞が表面に現れると、その新しい層は成分をより効率的に吸収できる状態にあります。

これは、若く健康な肌細胞が、老化したりダメージを受けた細胞よりも、栄養素や水分をよりよく取り込むことができるためです。
美白に効く医薬部外品の化粧品


❑美白化粧品×ピーリング
日本における美白成分の研究は、世界的にも非常に先進的で、多くの新しい成分が毎年開発されています。

美白製品を選ぶ際、特に日本では「医薬部外品」に分類される製品が信頼性が高いとされています。これは、厚生労働省がその成分の安全性と有効性を認めた製品に与えられる分類で、シミの原因となるメラニンの生成を抑制する効果があるとされる成分を含んでいる為です。


  • ビタミンC誘導体
    リン酸型ビタミンCのように、ビタミンCを肌に吸収しやすい形に変えたもの。美白だけでなく抗酸化作用もあり、シミ対策以外にもニキビ予防、毛穴開き予防、シワ予防などの様々なエイジングケアに効果的。

  • ハイドロキノン
    欧米では美白といえばハイドロキノンというほど高い効果で支持されている。メラニンが活性化する際に起こる酵素チロシナーゼを抑制し、シミ・くすみを予防するが、濃度が高いと肌への刺激が強いので注意が必要。

  • アルブチン
    もともとはコケモモから抽出した成分。現在はハイドロキノンにブドウ糖を結合させて作る。メラニン色素に働きかけるチロシナーゼを抑制する効果がある。

  • 4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)
    慢性的なターンオーバーの不調(慢性角化エラー)に働きかけ、角層内に蓄積したメラニンを排出する効果に加えて、チロシナーゼの働きを抑え、メラニン生成を抑制する。



❑肝斑にもピーリングが有効
ピーリングが有効なのはニキビなどの炎症性色素沈着だけではありません。 ごく初期の老人性色素斑や肝斑にも威力を発揮します。

※真正の老人性色素斑への効果は限定的です。


肝斑は、女性ホルモンの乱れでできるシミのこと。30代から40代の女性に多く見られます。左右の頬に対称にできることが多いのが特徴。ストレスによってホルモンのバランスが崩れるとシミが濃くなります。
その反対に、ストレスフリーを心がけ、睡眠や食事などの生活環境を整えるだけで、いつのまにか消えてなくなってしまうことも多いのが、肝斑というシミの不思議な特徴でもあります。

※肝斑が普通の紫外線によるシミと違う点は、クリニックでレーザー治療してもらって一度はキレイになっても再発することが多いこと。このため、レーザー治療は不向きと言われています。


ピーリング+美白化粧品で肝斑を撃退!
まずは、積み重なった不要な角質を落とします。そしてターンオーバーを促進し、肌の新陳代謝を活性化させます。下地ができたらすぐに美白化粧品でケアをするのが効果的。ハイドロキノンやアルブチンなど、肝斑に直接働きかける成分を選びましょう。

※肝斑の撃退には数カ月単位での根気強いケアが必要です。あきらめないで続けてみましょう。
※しつこい肝斑にはトラネキサム酸の内服薬を試してみるのも一つの方法。桂枝茯苓丸という漢方薬がよく効く場合もあります。皮膚科で処方してもらえるので、相談してみてくださいね。
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧め致します。
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