楽天
美容健康コラム オキシトシンの効果 幸せホルモンの秘密 オキシトシンの効果 幸せホルモンの秘密 オキシトシンの効果 幸せホルモンの秘密

オキシトシンによる幸せ
効果とは

オキシトシンが分泌されると幸せな気分になります。また、集中力の向上、ポジティブになるなど幸福感が高まるため「幸せホルモン」とも言われています。

また、オキシトシンはさまざまな研究により、アルツハイマー病や自閉症の治療の可能性も示唆されています。
オキシトシンとは
オキシトシンは、脳の視床下部から分泌されるホルモンで、神経伝達物質のひとつです。
1906年にヘンリー・ハレット・デール博士(イギリスの研究者)によって発見され、1952年に分子構造が決定されました。
1955年には、化学合成が成し遂げられた功績によりヴィンセント・デュ・ヴィニョー氏がノーベル化学賞を受賞しています。

オキシトシンは、分娩時に子宮の収縮を促すことで陣痛を誘発したり、出産後に子宮の回復を促す効果があります。さらに、母乳の分泌にも関与しています。

これまでは、妊娠・出産に関連する女性特有のホルモンとして認識されていましたが、最近の研究により、オキシトシンは老若男女を問わず全ての人に分泌されることが分かってきました。
オキシトシンは母乳の分泌にも関与
オキシトシンは、分娩時に子宮の収縮を促すことで陣痛を誘発したり、出産後に子宮の回復を促す効果があります。さらに、母乳の分泌にも関与しています。
オキシトシンは母乳の分泌にも関与
これまでは、妊娠・出産に関連する女性特有のホルモンとして認識されていましたが、最近の研究により、オキシトシンは老若男女を問わず全ての人に分泌されることが分かってきました。
オキシトシンの効果
オキシトシンには不安や心配などを緩和させてくれる働きがあります。オキシトシンが分泌されると副交感神経が優位に働くようになり、心身ともにリラックスするためストレスを軽減させてくれるのです。

また、心臓にはオキシトシンの受容体が存在し、オキシトシンが心臓の働きに影響を与えることが分かっています。一般的に、オキシトシンは血管を広げて血圧を下げる作用があるため、心拍数が低下することでストレスから心臓を守る働きがあると考えられています。

他にも、オキシトシンには、安らぎを感じる効果や、信頼感や共感が高まる効果、痛みが感じにくくなる効果、そして食欲を抑える効果などがあり、これらの効果は健康を維持するための基盤を築き、自然治癒力を引き出すために役立っています。
オキシトシンには不安や心配などを緩和させてくれる働き
オキシトシンの
分泌を増やすには
では、どのようなことをすればオキシトシンの分泌を高めることができるのでしょうか。その方法は多々ありますが、心や体が心地よいと感じることによりオキシトシンが分泌されることが明らかになっています。

例えば赤ちゃんと母親の場合では、授乳(触覚刺激)、見つめあう(視覚刺激)、におい(嗅覚刺激)、泣き声(聴覚刺激)によってオキシトシンの分泌が促進されます。

母親以外では触覚刺激が重要である可能性が高く、皮膚刺激による興奮が脳に伝えられることで、心地よさの誘発とともにオキシトシンが放出されるとされています。

マッサージの研究では、15分間の背中の施術で血液中のオキシトシン量が増加することが確認されました。その際、マッサージはゆっくりとした速度(秒速5cm)で皮膚に圧をかけながら触れることに効果があります。
心や体が心地よいと感じることによりオキシトシンが分泌される

ポイントは、
1)あたたかい手で
2)ゆっくり
3)てのひら全体で
4)優しく圧をかける


またこのようなマッサージやスキンシップの場合、触れられる側だけでなく触れる側のオキシトシンの分泌も高まることも分かっています。
マッサージやスキンシップ

他には、人との会話、動物との触れあい、スポーツをする、新しいことにチャレンジする、親切な行動をするといったことでもオキシトシンの分泌が高まるとされています。
3つの幸せホルモン
「オキシトシン」、「セロトニン」、「ドーパミン」は3つの幸せホルモンと呼ばれています。
3つの幸せホルモン
さらに、「オキシトシン」が分泌されることに伴い、神経伝達物質である「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌を促進させる作用があることが分かっており、相互作用によりストレス緩和につながります。

「セロトニン」とは、脳内の神経伝達物質のひとつです。他の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンを制御し、精神を安定させたり、頭の回転をよくするなど脳を活発に働かせる働きがあります。

うつ病患者やパニック障害などの精神症状では、セロトニンの分泌が極端に少ないことも明らかになっており、ドーパミンやノルアドレナリンのバランスが崩れることで引き起こされるといわれています。

セロトニンの分泌を増やすには、日光を浴びる、ウォーキング、しっかり噛んで食べることが良いでしょう。
日光を浴びるとセロトニンの分泌が増える

「ドーパミン」とは神経伝達物質のひとつで、意欲を感じたり、快く感じたり、感情、記憶、意識、理解などの心の機能に関与しています。アルコールを飲むことによって気分が良くなるのもドーパミンが放出されることで脳内の報酬系という神経系が活性化するためです。

ドーパミンの分泌を増やすには、身体を動かす、好きな音楽を聴くなどがおすすめです。
好きな音楽を聴くとドーパミンの分泌が増える
オキシトシンと
子育て行動との関係性
動物の子育て行動の研究にて、オキシトシンが子育て行動に関与していることとそのメカニズムが明らかになったという報告があります。
マウスを用いた実験により、オキシトシンと結合するRAGE(AGE特異的受容体)が養育行動を引き起こすための重要な役割を担っていることが明らかにされました。

RAGEを持たないマウスではオキシトシンが分泌されていても養育行動が行われず子の生存率が低い状態でしたが、遺伝子操作でRAGEを戻したマウスはオキシトシンがRAGEと結合することで脳内に移行された結果、養育行動により子の生存率が有意に高まったことが確認されました。

この研究により、血液中オキシトシンがRAGEに作用する脳内移行の分子メカニズムが明らかにされました。


※RAGE:AGE特異的受容体(Receptor for AGE):AGEの中でも、老化や自然疾患に関わる受容体。
※AGE:最終糖化産物(Advanced Glycation End-products):強い毒性を持ち、老化の原因と言われる物質。
※糖化:タンパク質と糖が結びつくことで細胞を劣化させること。
※受容体:体内外の分子などを受け止めるたんぱく質のこと。キャッチボールでいうグローブのような役割。

参照文献:愛情ホルモン「オキシトシン」の分子作用メカニズムを解明!
https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/65488
オキシトシンがアルツハイマー型認知症における
「認知機能の低下」を改善させる可能性
オキシトシンがアルツハイマー型認知症に関する認知行動障害の改善に期待を持てるとされています。
アミロイドベータ(Aβ)が脳内に蓄積すると脳神経が障害を受けアルツハイマー型認知症を発症するとされています。その為、アミロイドベータを投与したアルツハイマー型認知症モデルマウスを用いて、認知機能の改善を試みるテストが行われました。

その結果、マウスにオキシトシンを脳室内投与したところ、認知行動障害に改善が見られました。

しかし、直接脳室内投与をする事は、今後の臨床試験には不向きである事から特定のアミノ酸配列を付加し、オキシトシンの脳内への移行性を向上させた「誘導体化オキシトシン」の経鼻投与による実験が行われました。そしてこの場合でも効率よくオキシトシンが脳内へ移行することが分かり、認知行動障害の改善について脳室内投与と同じような結果が確認されました。

※ただし、オキシトシンの経鼻投与では効果はありませんでした。

この結果から、誘導体化オキシトシンがアルツハイマー型認知症の治療薬となることが期待できると示されました。


※アミロイドベータ(Aβ):アルツハイマー型認知症の特徴である 認知障害やシナプス可塑性に関連したタンパク質のこと。

※シナプス可塑性(かそせい):学習や記憶の過程として考えられ、神経系が外界の刺激などによって常に機能的、構造的な変化を起こしている性質のこと。

参照文献: オキシトシン経鼻投与でアルツハイマー型認知症に関連する認知行動障害を改善
〜アルツハイマー型認知症の新たな治療薬開発へ一歩前進〜
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20221024_5682.html
オキシトシンが自閉症の
治療につながる可能性
自閉症スペクトラム障害における対人コミュニケーション障害の改善に、オキシトシンの有効性が確認されました。
自閉症スペクトラム障害の方は、他人の表情や言葉以外の行動から気持ちを読み取ることが苦手な傾向があります。そしてこの事は「内側前頭前野の活動低下」が関与しているとされています。

今回の研究は40名の自閉症スペクトラム障害の成年男性を対象として行なわれたもので、オキシトシンをスプレーによって鼻から吸入することにより内側前頭前野の活動が活性化され、対人コミュニケーションの障害が改善されたことが明らかになりました。

この結果を基に、これまで確立されていなかった自閉症スペクトラム障害における対人コミュニケーション障害の治療開発が行われています。

※内側前頭前野:脳内の前頭前野の内側面に位置している。
前頭前野は脳の中でも思考、判断、想像、コミュニケーションなど人間らしい知能や情緒に関わる働きを司る。

参照文献:自閉症の新たな治療につながる可能性
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2019/07/03/release_20131219.pdf
参考文献
●オキシトシンの多彩な生理作用
http://www.yamaguchi-endocrine.org/pdf/ueta201508.pdf
●オキシトシンと心身の健康
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/15/1/15_48/_pdf/-char/ja
●皮膚感覚と脳
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/42/2/42_9/_pdf
●e-ヘルスネット (厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
●健康管理検定 (後援:文部科学省) 
https://kentei.healthcare/column/2201/
 
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

エビデンスやメーカー様の資料などさまざまな文献を基に、みなさまの生活をより豊かにするための情報を発信しております。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧めします。
copyright (c)
エクセレントメディカル all right reserved.

〉〉