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美容健康コラム NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド)とは NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド)とは NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド)とは

NMNとサーチュイン遺伝子について

NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド Nicotinamide Mononucleotide)とは、ビタミンB3(ニコチンアミド(ナイアシンアミド))の仲間であり、緑黄色野菜などにもごく少量ですが含まれています。

NMNは食品として摂取する以外に、体内ではビタミンB3(ナイアシン)を元にも作られています。実はこのNMNの存在が細胞の老化を防ぎ、若々しく活動を続ける為の重要な鍵を握ります。
若々しく活動する姿
NMNを摂取する事による「若返り効果」が発表された時には、NMNを含有するサプリメントがいち早く販売されました。 しかし、当初は1ヶ月分で100万円以上する商品や、2022年になっても数十万円もする商品が並び、気軽に手に入れる事が出来ない高額なサプリメントという存在でした。

あの有名なホリエモンさんからも紹介されており、世の中の注目を集めていました。
NMNは安易に試す事が出来ない、高級サプリメントでしたが、海外から安価な原料を入手する事が出来るようになった為、2023年頃には、お手頃なNMNサプリメントが登場しています。

※NMNによる若返り効果については、ワシントン大学医学部発生生物学部門の医学部教授より2016年に発表され世界中から注目を集めました。もちろん、ヒトでの臨床試験でもその安全性が確認されており、さまざまな効果効能について研究されています。
NMNによる
老化防止の作用機序とは?
NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド)は、どのような仕組みで老化防止の効果を発揮するのでしょうか。


❑NMNによって産生されるNADの働き
NMNを摂取する事で、「補酵素(ビタミンB3の一種)」であるNAD+(ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド)が作られます。実この「NAD+」が人の老化を防止する効果があるのです。

NAD+ はすべての生き物の細胞内に存在し、生細胞が生きるための重要な働きをする「電子の伝達体」と言われています。

文献などではNAD+とプラスの文字がついている為、頭に入りにくいと思いますが、「+」の意味は単に正の電荷を帯びているという事を表しています。NAD分子は電子を受け取る(還元)または、電子は失う(酸化)という酸化還元の反応を繰り返す為、電荷を帯びている状態のNADをNAD+と表現します。

※NAD+は、私たちの生体内において、トリプトファン(アミノ酸)やビタミンB3(ナイアシン)を元に、わずかに産生されています。

NMNの摂取により生成されるNAD+は、生体内で糖をエネルギーに変える重要な役割を持っています。


❑NADが増えるとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化する
NADレベルの上昇がもたらす最も顕著な効果は、脳に存在する「サーチュイン遺伝子」の活性化にあります。

サーチュイン遺伝子とは、老化プロセスを調節する特別な遺伝子群であり、脳の視床下部(ししょうかぶ)に多く存在しています。

しかも、NADは7種類あるすべてのサーチュイン遺伝子を活性化させると言われています。

このサーチュイン遺伝子は普段はあまり機能していませんが、飢餓状態になる事で活動を始める「若返りの遺伝子」とも言われています。


NMNによる抗老化作用


サーチュイン遺伝子は全部で7種類存在しており、その中の1つに「糖や脂肪の代謝を管理する」機能を持つものがあります。この機能が活性化することで抗老化効果が現れます。


❑NADを増やす他の方法について
NADは、加齢と共に増加するCD38(酵素)によって分解されてしまう事が確認されています。その為、NADを増やすには、NMNを摂取すると同時に、CD38の増加を抑える成分も一緒に摂取する事が理想的だとされています。

しかし、CD38(酵素)の増加を抑制させる事が、別の副作用が引き起こす可能性がある為、ここでの紹介は控えておきます。

また、NADを増やすならNMNを摂取するよりも、最初からNADをサプリメントとして摂取する方が効率的だと思うかもしれません。 しかし、NADは分子量が大きい為、体内に吸収する事が難しいのです。そのため、体内のNADを増やすにはNMNを利用して生産する方が、より迅速で効率的なのです。

他にも、NADを増やす方法として、ビタミンB3の一種、NR(ニコチンアミドリボシド)を摂取する方法があります。しかし、このケースでもNRを摂取するよりも、NMNを摂取するほうが、NADの産生には効率的だという結論になっています。


参考文献) https://www.nomon.jp/lab/nmn/20210419-1/
※酵素とは生物の体内で働く触媒であり、補酵素は酵素を補う事の出来る成分です。そもそも酵素がないと生命活動が出来ません。


❑NMNはどれだけ摂取すれば良いのか?
臨床試験の研究論文によると、20〜30歳の健康な成人がNMNを摂取しても、大きな効果は期待できないとされています。これは、NMNが本来、私たちの体内で自然に生成される物質であり、特に若年層の世代では、必要な量のNMNを自力で合成できる能力を持っているためです。

体内のNMNやNADは、加齢とともに減少してしまう為、年齢が高い方に対してはNMNを摂取する事で「老化防止の効果」が期待できます。

文献では、1日約250mgを10週間飲むことで、一定の効果が確認されております。
サプリメント

※NMNは薬ではない為、1日250mgと決まっているわけではありません。おおよそで、100mg〜300mgが理想なようです。 一部の論文では単回摂取においては、500mgまではその安全性が確認出来たとされています。

※マウス実験により得られた「すべての若返り効果」が、そのままヒトへも当てはまるという事ではありませんが、その期待は大きいですね。

NMNの効能効果は
マウス実験により証明
ある大学の研究によれば、NMN(ニコチンアミド モノヌクレオチド)を1年間摂取し続けたマウスは、そうでないマウスと比較して、次のような抗老化の現象が確認されています。

・若いマウスと同じような代謝機能が保持されている。
・太るような事もなく、若い時と同じ活発さがある。
・加齢による骨格筋、肝臓、脂肪の遺伝子変化が発生していない。
・老化による目の網膜機能の低下が見られない。
・老化による免疫細胞の低下が見られない。
・血糖値を下げるインスリン感受性が高いままである。

また、同大学のアルツハイマー認知症研究チームによると、認知機能の改善や、記憶を司る脳の海馬の回復なども観察されていると発表しています。

これはマウスを対象とした実験結果に過ぎませんが、ヒトに対しても同じ効果が得られる可能性は十分にあると考えられます。

参考文献)今井眞一郎ワシントン大教授が語る「NMN、抗老化効果の真実」 https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00043/090800005/
NMNは目にもいい!
光受容体変性について
❑網膜剥離モデルにおける、NMNの神経保護作用と作用機序について
(参考文献:pubmed 論文翻訳)
現在、視細胞変性症に対する確立された薬物療法は存在しません。このため、安全で容易に入手可能な神経保護剤の開発が強く望まれています。

そしてこの研究によって、NAD+の前駆体であるNMNを、網膜剥離による視細胞変性症の患者に投与したところ、視細胞変性症が有意に減少する事が示されました。

NMNの投与は、NAD+レベル、SIRT1タンパク質発現、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)発現を有意に増加させました。さらに、NMNの遅延投与は、網膜剥離後も保護効果を発揮させています。

また、661W 細胞を用いた試験管内での研究結果は、酸化ストレスおよび LPS 刺激下での NMN による保護作用の下流エフェクターとして、SIRT1/HO-1 シグナルが存在することも明らかにしました。

以上の事から、NMNを投与する事で網膜剥離および酸化損傷後の視細胞に対して、神経保護効果を発揮し、視細胞変性症の治療に役立つことが示されました。
NMNと目
参考文献 Chen, X., Amorim, J. A., Moustafa, G. A., Lee, J. J., Yu, Z., Ishihara, K., ... Vavvas, D. G. (2020). Neuroprotective effects and mechanisms of action of Micotinamide Mononucleotide (NMN) in a photoreceptor degenerative model of retinal detachment. Aging (Albany NY), 12(24), 24504-24521. PMID: 33373320. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33373320/
❑NMNに関する文献の一部を紹介
NMNには、さまざまな論文によって、次のような結果が報告されています。

・NMNの経口摂取は、主に高齢者において、老化の兆候や歩行速度の顕著な向上、握力や筋力の改善などの効果をもたらします。

参考文献)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000063879.html

・NMNは高齢者の「身体能力低下」の予防、眠気の予防や軽減、倦怠感を改善する可能性がある。

参考文献)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35215405/

・慶應義塾大学で行われた研究では「NMNは、ヒトに安全に投与出来る」事が示されています。

参考文献)https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/1/21/200121-1.pdf

・糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)のマウスをモデルにした、ニコチンアミドモノヌクレオチド治療(NMN治療)の可能性。

参考文献)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31751296/

・NMNの補給により、老化したマウスの神経血管の若返りが促進される。
※サーチュイン遺伝子の活性化、ミトコンドリア保護、抗炎症、抗アポトーシス効果(細胞の死滅回避)など

参考文献)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32056076/

その他、ビタミンB群には、以下のような種類があります。 「ビタミンB1」「B2」「B3(ナイアシン)」「B6」「B12」、そしていずれも、重要な役割をしています。
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧め致します。
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