ナイアシンアミドがメラニン(色素)を作る酵素「チロシナーゼ」にどのような影響を与えるのかを、キノコ由来のチロシナーゼと、ヒト由来のメラノサイト(色素細胞)を使って調査した研究があります。
この結果、ナイアシンアミド自体には、メラニンの生成を直接抑える作用は確認出来なかったものの、「メラノサイトとケラチノサイト(表皮細胞)の共培養モデル」では、ナイアシンアミドを加えることで、メラノサイトからケラチノサイトへのメラノソーム(メラニンを含む小器官)の移動が35〜68%も抑えられたのです。
つまり、メラニン生成を抑制するのではなく、「肌表面に届かせない」ことで色素沈着を防ぐ効果が示されたのです。
さらに、人工的に色素沈着を再現した皮膚モデル(PREP)では、ナイアシンアミドを使用することで肌の色が薄くなり、美白効果が確認されたのです。
シミや色むらのある日本人女性18名によって、ナイアシンアミドが5%配合された保湿剤と、ナイアシンアミドを含まない保湿剤を左右の頬に使い分け、4週間行った臨床試験があります。その結果、ナイアシンアミドを使用した肌には、明らかに色素沈着の改善と肌の明度向上が見られています。
シミや色むらのある日本人女性18名の方に、ナイアシンアミドを5%配合した保湿剤と、含まない保湿剤をそれぞれ左右の頬に4週間ぬり続ける臨床試験が行われました。その結果、ナイアシンアミドを使用した肌には、明らかに色素沈着の改善と肌の明度向上が見られています。
これら一連の実験から、ナイアシンアミドは「メラニンの移動を防ぐことで肌を明るく見せる」という、新しいタイプの美白成分であると報告されています。
参考文献:
Hakozaki T, Minwalla L, Zhuang J, Chhoa M, Matsubara A, Miyamoto K, et al. (2002).
The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer.
Br J Dermatol. 147(1):20-31.
PMID: 12100180