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美容健康コラム クルクミン 効果 クルクミン 効果 クルクミン 効果

クルクミンの効果 〜
抗酸化力と抗炎症作用

クルクミンとはウコンに含まれるポリフェノールの一種であり、ウコンの根の部分にある黄色い色素に含まれている成分です。
ウコンに含まれるポリフェノールの一種 クルクミンの粉 ポリフェノールが人に与える代表的な効果として「抗酸化作用」や「抗炎症作用」があります。そして、ウコンに含まれるポリフェノール「クルクミン」も、やはり同様な効果が確認されています。

これまでに、植物の苦味や色味の部分に存在する、数多くのポリフェノールが発見されています。 例えば、フランス海岸松の樹脂から抽出出来る「ピクノジェノール」や、マリーゴールドの黄色い色素の部分に含まれる「ルテイン」もそうです。また、 ブドウのポリフェノールには、サーチュイン遺伝子を活性化する「レスベラトロール」が発見されています。
クルクミンの抗酸化と抗炎症作用について
クルクミンの抗酸化作用と抗炎症作用
抗酸化作用とは、人が生命活動をしていく上で必ず発生する「酸素」との結合である「酸化」を抑制する働きです。 人は過剰な「酸化」によってダメージを受ける為、酸化を防ぐ事は老化を防ぐ事につながります。

抗炎症作用とは、例えば、ウイルスにより攻撃されて喉が赤く腫れ上がったり、外的要因によって細胞がダメージをうけて発生する「炎症」を抑えてくれる働きです。

ウイルス等に感染した細胞は、体内で発生する炎症反応により攻撃されますが、過度な炎症は同時に正常な細胞をも傷つけてしまう為、さらに激しい痛みが発生します。 クルクミンはこうした過度な炎症を「炎症性サイトカイン」と言われる、炎症を引き起こす「情報伝達物質」の働きを抑制する事で抑えてくれます。

クルクミンの具体的な効果・効能はいろいろな論文で数多く発表されており、さまざまな試験が行われています。クルクミンを経口摂取する事で、小腸が直接クルクミンを吸収したり、酵素によって分解・結合された状態で吸収されたりと、その作用機序はさまざまですが、クルクミンの摂取によって多数の有益な結果が報告されています。
クルクミンのさまざまな効果
クルクミンのさまざまな効果

クルクミンには、抗酸化・抗炎症以外にも、肝臓サポート、アルツハイマーや認知症の予防、さらには、がん細胞に対しても有効な効果を発揮するという論文があります。

具体的に、クルクミンはアルツハイマーの原因とされる「神経細胞の死滅をもたらすペプチド」が、脳内に集積しないように抑制したり、その原因とされる成分を分解する事により、認知症を予防する事が出来るとされています。

認知症の原因の1つは、やはり脳神経細胞の炎症によるものですが、これらの炎症を抑える効果もクルクミンには確認されています。

また、うつ病患者に対しても、その症状を改善する効果が確認されているため、脳に対しては非常に有効な働きがあると推測されます。

クルクミンには、ダイエット効果も期待されています。これはクルクミンが、小腸が吸収するコレステロールを抑える事が出来る為とされていますが、クルクミンの論文によっては「コレステロールの吸収抑制」の効果が出たり、出なかったりと、まだ未知なる部分も多いようです。
クルクミンで二日酔い対策
ビールで乾杯


アルコールを摂取すると主に胃や小腸から吸収され、血液中に入り全身をめぐります。それにともなって気分もよくなり、ほろ酔い状態になります。ただし、飲みすぎると泥酔状態になり、まともに頭も働かなくなるので注意したいところです。

血液中に吸収されたアルコールは、肝臓を通る際に肝臓内の酵素の働きによって分解されますが、その際にアセトアルデヒドという毒物を作ってしまいます。これが二日酔いの原因とされています。
二日酔い 頭痛
アセトアルデヒドには細胞毒性があり、全身の細胞(主に肝細胞)を攻撃し、体中にダメージを広げます。しかし、アセトアルデヒドは再び肝臓の酵素によって分解され、最終的には、安全な「酢酸、水、二酸化炭素」に変わり、体外に排出されます。

クルクミンの効果は「アルコールの分解」ではなく、肝臓の働きを助ける事により、主にアルコールの代謝毒物である「アセトアルデヒド」の分解を早める事にあります。

アルコールの接種後約5時間ほど経過すると、肝臓による「アルコールの一時分解」が終了し、アセトアルデヒドの血中濃度が高まります。

そのタイミングでクルクミンを摂取すると、効果的に二日酔いの対策が出来るという論文もあります。※性別や体調、体型によっても違う為、一概には判断出来ませんが、一定の効果は期待できそうです。

クルクミンはウコンに含まれるポリフェノールなので、「クルクミンの二日酔い防止」を期待して、ウコン粉末そのものを「長期間大量に摂取」してしまうと、ヒトによってはウコンに含まれる鉄分や、その他の成分により、逆に肝臓の負担が増える事があります。

まだまだ安全性について解明されていない部分は多くありますので、過剰摂取には注意してください。
クルクミンに関する論文のご紹介
クルクミンに関する論文


■クルクミンは糖尿病により発症する心筋症の損傷を軽減する

クルクミンによって活性化したNrf2/HO-1シグナル伝達経路は、抗酸化物質、抗炎症タンパク質、解毒酵素を活性化させ、酸化ストレスに対抗する能力を高め、 心筋細胞の生存率を有意に高めるとされています。つまり、心臓の収縮する力の障害の軽減につながります。

参考論文1 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971779/




■2型糖尿病に対するクルクミンの効果

クルクミンはその抗酸化作用により、膵臓にある膵島細胞内のインスリンやアミリンの合成に関与し、2型糖尿病から保護します。

「ストレプトゾシン」という化合物によって、2型糖尿病を誘発させたマウスに、クルクミンを投与したところ、膵臓内部にある細胞群において、アポトーシス(細胞死)の減少や、細胞生存と機能改善、インスリン分泌の増加が確認出来たとの事です。この結果か、クルクミンンは「糖尿病の予防及び治療」における、有力な候補の1つであるとが示されました。

参考論文2 https://journals.viamedica.pl/endokrynologia_polska/article/view/89575




■抗炎症活性を有するクルクミンを用いた、免疫不全動物の軟骨再生促進効果

抗炎症作用を有するクルクミンを用いて、Cur/GelMAハイドロゲル(抗炎症プラットフォーム)を開発し、ウサギとヤギを使った皮下移植を行った結果を述べています。 GelMAハイドロゲルと比較した場合、クルクミンを用いたCur/GelMAハイドロゲルは、安定した軟骨再生ができ、炎症反応もGelMAハイドロゲルと比べると緩和されていることが示唆されたとされています。

糖尿病にともなって発症する骨格筋の収縮は、筋線維細胞が分解されてしまう事が原因ですが、 これらの炎症は「炎症性サイトカイン」の発生が原因となります。このような炎症においても、クルクミンの抗炎症作用が有効であるとされています。

参考論文3 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971659/




■クルクミンの抗ウイルス治療について

細胞毒性濃度や有効阻害濃度、さらに刺激指数などをもとに、クルクミンの抗ウイルス効果について研究されています。 人に病気を引き起こすウイルスに対しての、クルクミンの「ウイルス抗活性」についての期待が持てます。

参考論文4 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34834089/




■脳疾患患者におけるクルクミンの治療

ウコンから抽出可能な「植物性ポリフェノール」であるクルクミンによる効果が研究されています。クルクミンの抗酸化・抗炎症・抗菌・抗増殖・抗老化・抗腫瘍など、さまざまな効果についてです。

さらに、一部の神経変性疾患(アルツハイマー、パーキンソン病など)についても、クルクミンの保護効果が示されています。

参考論文5 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35011468/




このように、ウコンに含まれるポリフェノール「クルクミン」には、非常に多くの効果効能が期待されていますが、疾病に対しての正式な治療薬ではありません。疾患をもつ方は、必ず医師へ相談するようにして下さい。
参考文献
●参考論文1 Wu, X., Zhou, X., Lai, S., Liu, J., & Qi, J. (2022). Curcumin activates Nrf2/HO-1 signaling to relieve diabetic cardiomyopathy injury by reducing ROS in vitro and in vivo. The FASEB Journal (FASEB J), 36(9), e22505. doi:10.1096/fj.202200543RRR https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971779/
●参考論文2 Duan, J., Yang, M., Liu, Y., Xiao, S., & Zhang, X. (2022). Curcumin protects islet beta cells from streptozotocin?induced type 2 diabetes mellitus injury via its antioxidative effects. Endokrynologia Polska (Endokrynol Pol), 73(6), 942-946. doi:10.5603/EP.a2022.0070 https://journals.viamedica.pl/endokrynologia_polska/article/view/89575
●参考論文3 Li, X., He, L., Li, N., & He, D. (2023). Curcumin loaded hydrogel with anti-inflammatory activity to promote cartilage regeneration in immunocompetent animals. Journal of Biomaterials Science. Polymer Edition (J Biomater Sci Polym Ed), 34(2), 200-216. doi:10.1080/09205063.2022.2113290 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35971659/
●参考論文4 Ardebili, A., Pouriayevali, M. H., Aleshikh, S., Zahani, M., Ajorloo, M., Izanloo, A., Siyadatpanah, A., Nikoo, H. R., Wilairatana, P., & Coutinho, H. D. M. (2021). Antiviral Therapeutic Potential of Curcumin: An Update. Molecules, 26(22), 6994. doi:10.3390/molecules26226994 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34834089/
●参考論文5 Benameur, T., Giacomucci, G., Panaro, M. A., Ruggiero, M., Trotta, T., Monda, V., Pizzolorusso, I., Lofrumento, D. D., Porro, C., & Messina, G. (2021). New Promising Therapeutic Avenues of Curcumin in Brain Diseases. Molecules, 27(1), 236. doi:10.3390/molecules27010236 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35011468/
Ng, Q. X., Koh, S. S. H., Chan, H. W., & Ho, C. Y. X. (2017). Clinical Use of Curcumin in Depression: A Meta-Analysis. Journal of the American Medical Directors Association (J Am Med Dir Assoc), 18(6), 503-508. doi:10.1016/j.jamda.2016.12.071 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28236605/
●小野太祐 クルクミンはタンパク質分解亢進を抑制して糖尿病に伴う下肢骨格筋の萎縮を軽減する https://www2.lib.hokudai.ac.jp/gakui/2010/9809_ono.pdf
●近藤 春美 クルクミンによるコレステロール吸収抑制・排出作用に関する研究 https://www.urakamizaidan.or.jp/research/jisseki/vol22/vol22urakamif-11kondo.pdf
●石本健太 他 肝臓におけるアルコール退社の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策 https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1863-05.pdf
●宮澤大樹 他 クルクミンの吸収代謝と生理作用発現の関係性 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/54/7/54_500/_pdf/-char/ja
●Miwa Kubo Search of Neurotrophin-mimic Natural Products for Prevention and Treatment of Neurodegenerative Disease. yakugaku zasshi 135(10)114-1152(2015) the pharmaceutical society of janpan https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/135/10/135_15-00197/_pdf
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
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