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美容健康コラム シミのお悩みを解決するハイドロキノン シミのお悩みを解決するハイドロキノン シミのお悩みを解決するハイドロキノン

ハイドロキノンの効果と副作用

ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素の産生を抑えるだけでなく、シミの元になる細胞「メラノサイト」そのものを減少させる事が出来ます。その為、ハイドロキノンは肌の漂白剤と呼ばれており、美容皮膚科ではシミの治療薬として用いられています。

多くの美白化粧品にはシミの予防を目的とした様々な成分が配合されています。特に注目される成分として、ビタミンCやトラネキサム酸、プラセンタなどがあります。しかし、ハイドロキノンは、これらの成分に比べ10〜100倍もの美白効果があると言われています。

日本ではハイドロキノンの歴史は浅く、知名度も高くありませんが、海外では古くからシミの治療薬として使われています。しかし、ハイドロキノンは使い方も難しく、副作用などの危険性もあるので、使用には十分に注意する必要があります。
古くから皮膚科で採用されているハイドロキノン

古くから皮膚科で採用されているハイドロキノン。

大名町スキンクリニック

シミについて対談する、大名町スキンクリニック『橋本慎太郎 院長』とくみこクリニック『向田公美子 総院長』。

シミができるメカニズム

本来、メラニン色素は紫外線から肌を守るために存在しています。そして役割を終えたメラニン色素はターンオーバーにより肌の表面に押し出され、やがて垢となって剥がれ落ちます。

しかし体調不良や精神的ストレス、加齢などによりターンオーバーの周期が乱れたり、繰り返し紫外線を浴び続けることで、過剰に作られたメラニン色素は肌に沈着してしまいます。

紫外線を浴びてメラニンが生成

紫外線を浴びてメラニンが生成される

紫外線が表皮細胞に当たり発生した活性酸素などが、メラノサイトに「メラニン色素を作れ!」と指令をだします。

休みなくメラニンを生成

休みなくメラニンを生成し続ける

指令を受けたメラノサイト内でチロシナーゼという酵素が働き、チロシンを酸化させてメラニン色素を生成します。

メラニン色素が肌に沈着

メラニン色素が肌に沈着

次々と過剰に作られたメラニン色素が肌に沈着し、シミに。このサイクルをもとから絶ち切らないと、シミは増えていくばかりです。

シミの種類
日光黒子

日光黒子

多くのシミがこのタイプ。日光性黒子、老人性色素斑ともいう。紫外線によるダメージ(メラニン色素の過剰産生)が原因のシミのこと。顔以外にも手、背、前腕、上背などの露出の多い部分に発生する。色は薄い褐色潤`濃い褐色。

肝斑

肝斑

両頬や額、下あご、鼻の下などを中心に左右対称にできるシミ。薄い褐色でやや大きく、もやっと広がる形が特徴。女性ホルモンの乱れやストレス、不規則な生活が影響しているといわれている。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着

ニキビ、やけど、かぶれなどによる肌の炎症後に生じる褐色のシミのこと。年齢・性別・部位に関係なくできるが、時間とともに徐々に薄くなることが多い。

雀卵斑

雀卵斑(ソバカス)

いわゆる"ソバカス"。直径数ミリ以下の茶褐色の小さな丸い斑点で、頬や鼻の周りなどに多く出る。3歳ごろから見られ、思春期に特に目立つようになる。遺伝性のもの。

ハイドロキノンの歴史
還元作用のあるハイドロキノンは「写真の現像」などの還元剤、「ゴムの酸化防止剤や染料」として、世界中で古くから利用されてきました。ある時、写真を現像していた人の肌が白くなったことから、ハイドロキノンに美白作用がある事が発見されたのです。

アメリカではシミや色素沈着の治療薬として早くから化粧品に配合され、多くの女性に使用されてきました。そのため、アメリカで美白といえばハイドロキノンが主流です。
カメラ

近年日本でもハイドロキノンが話題となり、多くの女性に使用されるようになりました。 これまで日本でのハイドロキノンは医師の管理下でのみ使用が許されており、化粧品にハイドロキノンを使用することは長年禁止されていましたが、2001年の薬事法の規制緩和により、化粧品にハイドロキノンの使用が許されるようになりました。

実は、日本では「ハイドロキノン ベンジルエーテル」という薬品が肌の美白剤として使用されていました。ところが肌の一部が白くなる「白斑」という肌トラブルが多発したため、厚生労働省が「ハイドロキノン ベンジルエーテル」を化粧品へ配合することを制限し、同時に構造が似ているという理由で「ハイドロキノン」にも規制がかけられました。

しかし実際のところ、「ハイドロキノン ベンジルエーテル」と「ハイドロキノン」は別物であり、基本的には濃度の低いハイドロキノンには白斑の危険性もありません。しかし、同時に規制されてしまった為、日本でのハイドロキノンコスメの歴史は浅いのです。

それから、さまざまな美白剤がハイドロキノンの作用を参考に開発されてきました。例えば、ハイドロキノン誘導体であるアルブチンもそのひとつです。
ハイドロキノンの濃度と種類について
ハイドロキノンを使用するときに注意したいのは、その濃度です。一般的に化粧品に含まれる純ハイドロキノンは1%から5%くらいまのでの濃度が主流です。

高濃度だと高い効果を得られますが、皮膚に刺激が生じますので4%ぐらいが妥当だと考えています。

また、純ハイドロキノンではなく、安定剤を配合した原料タイプ(SH-Q1)のハイドロキノン原液の場合、他の成分を含んだ状態で配合率を表記する為、ハイドロキノンそのものの濃度は低くなります。
ハイドロキノンの濃度と種類
純ハイドロキノン1%〜3%
刺激が少なく、一般的に安全性の高い配合濃度といわれていますが、その分効果や即効性が低くなると言われています。
しかし、肌が弱い人は、この濃度でも肌に刺激を感じる場合がありますので、濃度が低くても注意してください。


純ハイドロキノン4%〜5%
1%〜3%に比べて濃度が高いため、肌へピリピリとした刺激を感じる場合があります。
肌に合うか、必ずパッチテストを行なってから使用することをオススメいたします。
ハイドロキノンの注意点・副作用について
ハイドロキノンは刺激が強い成分なので、人によっては肌に合わず、炎症や赤みを引き起こす場合があります。その為、ハイドロキノンコスメを使用する際は、事前にパッチテストをおすすめします。

酷い炎症や赤みといった副作用が生じた場合、ご使用を中止し、皮膚科専門医を受診して下さい。
使用方法を守らなければ肌トラブルを招く
ハイドロキノンの濃度に注意
ハイドロキノンは配合濃度に応じて使い分ける事をおすすめします。例えば、ハイドロキノンが4%配合されたクリームはポイントケアに利用し、1%前後の低濃度のハイドロキノンを顔全体と使い分けるとよいでしょう。

5%以上配合された高濃度のハイドロキノンは、1年以上長期間使用する事で、細胞がメラニン色素を作る働きを失い、部分的に色が抜ける事で、白斑となる可能性が考えられます。

そして、濃度が4%以下のハイドロキノンを半年程度利用するだけならば、白斑を発症する可能性は考えにくいとされています。

ただし、低濃度であっても1年以上同じ箇所に使用する場合、白斑が生じる可能性も否定出来ません。逆に言うと、ハイドロキノンを半年間利用しても改善しない場合、それ以上継続しても期待出来る効果は得られないと思われます。

※医師によっては1年以上継続して利用しても問題ないと報告している例もあります。また、実際に白斑になったという症例はいまだ確認されていませんのでご安心ください。
 
ハイドロキノンクリームの注意点
日中の紫外線対策
ハイドロキノンを塗布した肌は、紫外線に対して特に敏感になります。例えば、日焼け止めを使用しないで海辺に出かけるのと同じくらいのリスクがあります。ハイドロキノンを含む化粧品を使用した際は、日焼け止めを塗布し、できる限り紫外線から肌を保護することが重要です。


紫外線
多くのシミは紫外線が原因。また、紫外線が原因で悪化する可能性があります。

紫外線は波長の長さによってUVA・UVB・UVCの3種類に分けられます。肌老化に大きく関わる紫外線はUVA・UVBの2つです。
※ UVAは肌の奥深くまで届き蓄積します。
※ UVBはエネルギーが強く肌表面の炎症の原因に。
※ UVCはオゾン層により地上まで届きません。
酸化しやすい
ハイドロキノンは非常に酸化しやすい成分です。化粧品に配合される場合、安定性を向上させるべく、さまざまな技術が取り入れられていますが、開封後はできるだけ冷暗所に保管してください。

また、酸化したハイドロキノンは肌に刺激を与える可能性があるため、開封後は1ヶ月単位で使い切ることをお勧めします。


ハイドロキノンの濃度
高濃度のハイドロキノンを使用すると、知らない間に肌への負担が大きくなり、想定外の肌トラブルが生じる可能性もあります。
反応には個人差がありますが、2%〜4%程度のハイドロキノンクリームがおすすめです。

ハイドロキノンは長期的な使用には適しておりません。ハイドロキノンで短期的なシミの治療に成功した後は、主にビタミンCを主力しとしたスキンケア用品に切り替える事をおすすめします。
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎(美容皮膚科、産婦人科医)
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧め致します。
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