楽天
美容健康コラム 5-ALAとは〜5-アミノレブリン酸 〜 5-ALAとは〜5-アミノレブリン酸 〜 5-ALAとは〜5-アミノレブリン酸 〜

橋本慎太郎医師が解説
5-ALA ファイブアラの効果について

長崎大学 北潔教授のチームにより「5-ALAが新型コロナウイルスの増殖を100%阻害する」という内容の論文が発表されました。それから一気に注目された5-ALAとはどういった成分なのでしょうか。

国際誌『Biochemical and Biophysical Research Communications』
論文『5-amino levulinic acid inhibits SARS-CoV-2 infectionin vitro』
※発表された論文はヒトの臨床試験ではなく試験管内での試験ですが、2021年現在はヒトへの臨床試験も開始されています。また、コロナウイルスだけでなくインフルエンザウイルス等への効果も従来より確認されております。
5-ALAが
新型コロナウイルスの増殖を
100%阻害する
5-ALAの正式名称は「5-アミノレブリン酸」(5-Aminolevulinic Acid :ファイブアラ) であり、天然のアミノ酸です。ヒトや動植物の体内で生成されるほか、多くの食品、真菌、細菌にも含まれています。

※5-ALAは1日約700mgほど体内で製造・消費されます。しかし青年期を過ぎると体内で作り出される5-ALAの生産量は徐々に減少していきます。

5-ALAは人間のすべての細胞の中に存在する小器官「ミトコンドリア」によって作り出されます。そして、5-ALAが「8つ」あつまるとPPIX(プロトポルフィリンエイト)という物質になります。

さらに、PPIXが鉄と結びつく事で「ヘム」という物質に変化します。「ヘム」とは血液中に存在し体全体に酸素を運搬する「ヘモグロビン」を作り出す為の重要な物質であると共に「ヘム」が増える事でミトコンドリアはさらに活性化し、ヒトが活動するためのエネルギーを生み出すことが出来ます。

つまり、人体の重要な細胞である「ミトコンドリア」や「ヘモグロビン」は5-ALAと密接に繋がっておりそれだけ重要な成分といえます。

ミトコンドリアは、人間の体を構成する約60兆個の細胞1つ1つに存在するエネルギー産生器官です。1つの細胞におけるミトコンドリアの数は約200〜1,000個程度であり、特に大量のエネルギーを消費する心臓細胞に最も多く存在します。

※植物の場合光合成をする為に必要なクロロフィルの材料にもなっています。
※5ALAが8つ集まってできるPPIXも素晴らしい役割があり疾病の診断や治療にも用いられております。
5-ALAはミトコンドリアによって作り出されます
5-ALAはミトコンドリア内で生産されてから、一旦細胞内へ放出されますが、やがてミトコンドリア内に戻ります。このような性質があることから、経口摂取により取り入れた5-ALAも、胃の細胞内にうまく入り込み生体内で作り出された5-ALAと混ざり、再びミトコンドリア内に取込まれる事になります。その為5-ALAの吸収は他の成分と違い細胞内(ミトコンドリア内)に取込まれやすい性質があると考えられています。
5-ALAの効果
2021年には新型コロナウイルスの増殖抑制効果が発見されましたが5-ALAには従来から様々な驚くべき効果が発見されています。

5ALAは血液を作り出す為の重要な物質「ヘム」を増やす事が出来ます。さらに重要な器官である「ミトコンドリア」が活性化する事も発見されてきました。

それにともなって「貧血予防、内臓脂肪の蓄積抑制、育毛効果、糖尿病の治療と予防、疲労回復、睡眠改善、若返り、サルコぺニアの改善と予防、鬱、アルツハイマーの改善、免疫力の向上など」多くの効果がある事が発表されてきました。
5-ALAの効果にはアルツハイマーの改善、免疫力の向上など
※動物性タンパク質にもヘムは多く含まれていますが、ヘムを経口摂取しても胃の中で分解されてしまうので細胞まで届くのはごくわずかです。その為、ヘムを増やすには5-ALAを経口摂取する方が理想とされています。
ヘムが増加すると若返る!?
ヘムの増加はミトコンドリアを活性化させ、人間が日常生活を送るために必要なエネルギーを適切に生成してくれます。

また、体内にヘムが一定量以上存在する事で、細胞内では抗酸化物質をより多く産生する事が出来ます。この抗酸化物質は、体内の酸化(老化)を防ぎ、活性酸素による細胞の破壊を抑制する効果につながります。

他にも、スキンケアの分野では5-ALAを取り入れる事でコラーゲンやヒアルロン酸が増加し、肌の水分量や弾力量が向上するという研究結果もでております。

その他、臨床試験によると5ALAの摂取により「境界型糖尿病」の血糖値が改善する事が確認されています。

これは糖分をエネルギーへ変換する代謝機能が向上した為であり、5ALAの作用によるものと推測されています。
※「境界型糖尿病」とは「糖尿病」ではないと否定出来ないレベルにまで達したほぼ糖尿病の状態をさします。

血液中には酸素を運搬する為の重要な物質として「ヘモグロビン」があります。これは「ヘム(鉄)」と「タンパク質」が結合したこの物質であり、体内では「5ALA」を元にして唯一作り出す事が出来ます。 「5ALA」から作られる「ヘモグロビン」も血液中では「糖分」と結合するので、5ALAが糖尿病の改善に作用する事はある程度推測されていたものと思われます。

この重要なアミノ酸(5-ALA)は、食品では「タコ」や「イカ」「バナナ」「黒酢」に多く含まれております。また飲み物では「日本酒」や「ワイン」にも含まれています。


  • 5-ALAが多く含まれるタコ
  • 5-ALAが多く含まれるイカ
  • 5-ALAが多く含まれるバナナ
  • 5-ALAが多く含まれる黒酢

第二回5-ALAサイエンスフォーラム活動レポートを参考に5-ALA量が多い順に食品をご紹介いたします。

黒酢
150
バナナ
31.6
ピーマン
18.1
豚ひき肉
5.6
ワイン
110〜
納豆
25
ほうれん草
13.8
大豆
5〜
日本酒
70〜
醤油
22
トマト
9.8
鶏ひき肉
4.3
タコ
78.4
ソース
21.2
牛ひき肉
9.8
イカ
38.4
巨峰
13.6
じゃがいも
7〜

※単位:μg(マイクログラム)
100gあたりの食品中に含まれる5-ALAの量


普段の食事から5-ALAを摂取しようとしても、その期待できる効果に達するまでには相当な量の食材が必要となります。例えば、50mgの5-ALAを取り入れるには、納豆の場合200mg(0.025mg/100g)、ほうれん草の場合は300mgが必要となります。

その為、手軽にサプリメントをつかって5-ALAを取り入れるのが理想的です。
近年、5-ALAは微生物発酵法により人工的にも作り出すことが可能になってきました。
サプリメントをつかって5-ALAを取り入れる

※補足:1日何mgの5-ALAを接種すると抗ウイルスとしての効果が発揮されるかは、現段階ではまだ発見されておりませんが臨床試験を経由して日々研究されております。2021/10

※また、妊娠中の方、授乳中の方、持病がある方は5-ALAの補給については医師にご相談の上ご利用下さい。未成年者も基本的にはバランスのとれた食事により5ALAを体内で生産出来ますのでサプリメントで補う必要性もないかと思います。各種メーカーも未成年でのエビデンスは研究されていないものと思われます。

参考文献:
5-アミノレブリン酸を用いたPDD、PDTの現状と将来、および厚生労働省HPによる情報より
5-ALA研究会 https://5ala-labo.com/page/about5-ala
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧めします。
 
copyright (c)
エクセレントメディカル all right reserved.

〉〉