紫外線吸収剤はその文字のごとく、紫外線を吸収し、化学変化を起こして光を別のエネルギー、例えば熱エネルギーなどに変換して放出します。厚生労働省が定める化粧品基準において、現在で30種以上の紫外線吸収剤の化粧品への配合が許可されていますが、主に汎用されている吸収剤は
●OMC(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
●BMDBM(t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン=アボベンゾン)
●OCR(オクトクリレン)
などがあげられます。
それぞれにUV-Aの防御が得意、UV-Bの防御が得意、両方得意だがにおいが良くない、などなど特徴が一長一短であるため、紫外線散乱剤も含め、その他の吸収剤も混合して用いられることがほとんどです。いかにして相乗効果を上げるか?副反応による効果の低下をおさえるか?日々研究がなされており、新規開発が非常にアクティブな分野です。
デメリット
●肌に負担がかかる
●持続力が弱い
●こまめな塗り直しが必要
紫外線吸収剤(ケミカル)は、紫外線を熱エネルギーに変換する際に皮膚に対し刺激となり、乾燥やアレルギーの起因となることがあるため、肌に負担がかかるとして敬遠されるようになりました。
また、光が当たると分解するため(光劣化という)、この光劣化によって紫外線の防御効果が低下すると、紫外線赤斑や光老化の皮膚の形成が加速することもわかっており、こちらも敬遠される大きな要因の一つとされています。
メリット
●白浮きしにくい
●オイルのため、他の製剤と混ざりがよく、色ムラなく扱いやすい
●使い心地がなめらかな印象を与える
●高い紫外線防御力が得られる
デメリット
●白浮きする(酸化チタンや酸化亜鉛はいずれも白の粉末のため)
●ベタベタして使用感が悪く感じる
配合量を増やしにくく、高い光防御効果を得ることが困難です。 酸化亜鉛に関しては、使用される原料の純度によって、金属アレルギーを引き起こす懸念があります。
メリット
●肌への負担が軽減
●幅広い波長の紫外線を跳ね返す
化学反応が肌の上で起こる吸収剤に比べると、肌への負担が大きく軽減されます。また、構造が変化しにくく、水や汗で流れたりタオルで拭かない限り、紫外線防御効果が持続します。
肌へのアレルギーにおいても、チタンはピアスを開けたことがある方ならお分かりと思いますが、金属アレルギーがほぼ皆無の素材です。酸化亜鉛は、ベビーパウダーの主成分としてよく知られた存在です。
日焼け止め用の酸化亜鉛にはコーティングが施されており、更にアレルギーが起こりにくい素材になってはいますが、肌との相性によってはアレルギーを起こす場合があります。
よって、ベビーパウダーが合わない人は、日焼け止めクリームの使用に慎重になってください。