モンブラン特集

秋になると、パティスリーのショーケースでひと際目を引く「モンブラン」。モンブラン好きには、たまらない季節の到来です。今回の特集では、モンブランの基本から作り方のコツまで詳しくご紹介。パティスリーの洗練されたモンブランも素敵ですが、今年は手作りモンブランにチャレンジしてみませんか。

モンブランの構成

モンブランはベースとなる生地、センター、クレームシャンティイ、マロンクリームから構成されています。そのため、モンブランが作りたいと思ったら、まずはベースの生地は何にするか、センターには何を入れるか、マロンクリームはどのような配合にするかなどを決めましょう。

ベース

メレンゲやダックワーズ、タルト、ジェノワーズ(スポンジ)など、モンブランを支える生地にはさまざまな種類があります。

センター

カスタードクリームや栗の渋皮煮、マロンと相性の良いカシスジャムなどがよく使われます。センターは必ずしも入れる必要はないので、クレームシャンティイだけのモンブランもあります。

クレームシャンティイ

クレームシャンティイとは生クリームに砂糖を加えて泡立てたもので、モンブラン特有の山の形にするためには欠かせません。
※マロンクリームとのバランスを考えて、生クリームに砂糖を入れずに泡立てたクレームフェッテが使われることもあります。

マロンクリーム

マロンペーストをベースにバターや生クリームを加えて滑らかなクリーム状にしたものです。コクのある濃厚なクリームから軽い食感のクリームまで、マロンクリームはモンブランの印象を決める大きなポイントとなります。

モンブランに最適な口金

モンブランと聞いて、まず思い浮かぶのはきれいに絞り出された糸状のクリームではないでしょうか。そんなモンブラン特有のクリームの絞りには、細い線が一度に絞れる「モンブラン口金」が使われています。
モンブラン口金には、大・中・小の3つのサイズがあります。

小サイズ 
細く繊細な線が描けるので、プチフール(小さなお菓子)などを飾るときに便利です。

中サイズ
通常のモンブランに使うならこのサイズ。汎用性も高いので、迷ったときは中サイズがおすすめです。

大サイズ
ロールケーキやホールのタルトなど、広い面積を絞るときに便利です。穴の間隔が広いので、ラフな感じに仕上がります。

クリームの固さに注目

マロンクリームをきれいに絞るためには、クリームの固さも重要です。クリームが固すぎると絞るのに力が必要なだけでなく、絞っている途中でクリームが切れてしまうことも。逆にクリームが柔らかすぎると、絞ったあとのクリームがくっついてしまいきれいなラインをだすことができません。マロンクリームの固さは、生クリームの量で調整することができるので、いろいろ試してお好みの配合を見つけてみてはいかがでしょうか。
➀マロンペースト10:バター2        
➁マロンペースト10:バター2:生クリーム1 
➂マロンペースト10:バター2:生クリーム3
➃マロンペースト10:バター2:生クリーム5
※マロンペーストはサバトン社のものを使用しています。

きれいに絞るポイント

モンブランの仕上げを大きく左右するのがマロンクリームの絞り。頭ではきれいな渦巻き状のクリームを描いていても、いざ実際に絞ってみるとなかなかうまくいきません。そこで、マロンクリームを絞るうえでのポイントを動画にまとめてみました。

モンブランを作ってみよう

最後に、初めての方でもチャレンジしやすい「簡単モンブラン」を例に挙げて、ポイントとともに作り方をご紹介します。
[必要な材料] 
・焼成済みタルトカップ
・マロンペースト
・無塩バター
・生クリーム(45%)
・栗の渋皮煮
・溶けにくい粉糖

[準備]
・無塩バターを常温に戻す。

1 土台を作る
焼成済みのタルトカップを使用します。

2 マロンクリームを作る
1)ボールにマロンペーストを入れ、ゴムベラで押し付けるようにしてダマがなくなるまでしっかりと混ぜる。
※ここでダマがあると、モンブラン口金が詰まる原因になります。


2)常温に戻したバターを加え、しっかりと混ぜ合わせる。
※ペーストとバターの固さを同じにすることで馴染みやすくなり、早く混ぜ合わせることができます。


3)生クリームを液体のまま2~3回に分けて加え、その都度よく混ぜ合わせる。
※一度に生クリームを加えてしまうと、馴染むまでに時間がかかってしまいます。


4)最後に風味付けのラム酒を加え、混ぜ合わせる。



3 クレームシャンティイを作る
ボールに生クリームを入れ、ボールの底に氷水を当てながら、8~9分立てになるまでしっかりと泡立てる。
※泡立てが緩いと、上からマロンクリームを絞ったときに形が崩れやすくなります。


※実際のレシピは、砂糖を加えないクレームフェッテになっています。


4 組み立て
1)丸口金をセットした絞り袋にクレームシャンティイを入れ、タルトカップに絞る。
2)栗をのせる。
3)高さがでるように、もう一度クレームシャンティイを絞る。
4)モンブラン口金をセットした絞り袋にマロンクリームを入れ、渦巻き状に絞る。
5)仕上げに溶けにくい粉糖をふり、栗をのせる。

いかがでしたか。焼成済みのタルトカップを使えば、モンブラン作りのハードルがぐっと下がりますよね。モンブランは素材の組み合わせ次第で、アレンジの幅が広がる魅力的なスイーツです。ぜひ、オリジナルのモンブラン作りにチャレンジしてみてください。

おすすめレシピ

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栗加工品

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ラム酒

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道具類

カップ・トレー