(※注)リンクは随時更新されますのでお待ち下さい。
■そもそも電気錠ってなんなの??
電気錠とは名前の通り電気で動作する前のことです。
通常の錠前は子鍵(合鍵)やサムターン(つまみ)を回して施解錠しますが、これを電気的に動かすものを総称して電気錠と呼びます。
基本的に電気錠本体・制御部・操作部がセットになっています。
(
→電気錠の構成)
名前の響きとは違って、特に大掛かりな装置がデーンと置かれるわけでもなく、特殊な操作をしなければ動かせないものでもありません。
基本は「ボタンを押すだけで施錠・解錠ができる」と思って大丈夫です。
(→錠のあけかた)
ただ「自動ドア」とは全く違うので、ボタンを押すと扉が自動的に開くというわけではないのでご注意を。
(ややこしいですが「自動ドアに電気錠を取り付ける」ことも可能です)
■キーレス錠との違いって??
「電気錠ではないキーレス錠」と電気錠は似ていますが、最大の違いは「電気錠は制御盤によって管理できる」点が異なります。
(
→電気錠の構成)
(→「電気錠ではないキーレス錠」とは)
「電気錠ではないキーレス錠」は他にも
●基本的に独立している(スタンドアロン)
●バッテリー(電池)駆動
●扉のみの加工で取付可能(加工不要の場合も)、配線工事等は基本的にない
などが違います。
2015年ごろから「サムターン(つまみ)に取り付けてスマートフォンで開閉できる」という商品も出始めてきていますが、これも「電気錠」ではありません。
(→電池式電動サムターン)
「とりあえず玄関だけテンキータイプにしたい」「大掛かりにせずICカードやFelicaで開け閉めしたい」というのであれば、「電気錠ではないキーレス錠」のほうが安価かつお手軽です。
■どうやって鍵を開け閉めするの??
電気錠は電気で作動する錠前ですが、作動させるための方法が豊富に用意されているのも特長です。
●テンキーによる暗証番号入力
(→テンキーユニット)
●非接触ICカードリーダーによる磁気カード読み取り
(→カードリーダー)
●指静脈認証リーダーによる生体認証
(→指静脈認証リーダー)
もちろん通常の子鍵(合鍵)やサムターン(つまみ)で開け閉めすることも可能。
(→子鍵とは)
(→MIWAシリンダーとは)
SF映画の中に出てくるような「触っただけで扉が開く」「特定のカードや端末を持っているだけで素通りできる」なども身近になってきているんですね。
(→電気錠の導入メリット)
(→アンチパニック機能について)
■電気錠の導入メリットてなんなの??
既存の錠前を電気錠にするメリットとしては、
●離れた場所から扉の施解錠ができる
入り口と事務所が遠い場合などわざわざ行かなくてもボタン一つで施解錠ができます。(カメラ付インターフォン等と併用することで来訪者の確認もできます)
扉の開閉状態も確認できるので開けっ放しということも避けられますし、必要に応じて開放する(自動で閉まらないようにする)ことも可能です。
●ICカードやスマートフォンでも施解錠可能
通常の鍵ではなくFelicaやスマートフォンを鍵代わりに使用することも可能です。複数の鍵をジャラジャラ持ち歩くよりスマートになります。
(→カードリーダー)
●カードの再発行・停止が自由に行える
ホテルなどではカードキーを発行することで鍵の管理が容易になります。一部屋に複数のカード発行が可能なので複数人の宿泊でも大丈夫。
万が一カードを紛失しても、落としたカードを無効にして再発行することもできるためセキュリティ的にも万全、鍵交換などの手間もありません。
●入退室管理ができる
パソコンと接続することで入退室の管理が可能です。カードや暗証番号ごとに管理できるので、誰が、いつ入退室したのかも把握できます。
セキュリティが厳しい場所に対して有効です。
●扉の施解錠の一括管理が可能
火災や災害時などで、全ての電気錠を一括で解錠することができます。火災報知機と連動することもできるので商業施設や病院などでも安心です。
●時間で施解錠することも可能
オプションとして、指定した時間や曜日に施解錠できるタイマー機能も追加することができます。
…などがありますが、錠前を「より便利に、簡単に、安全に」使えるようになるのが最大の利点です。
■じゃあデメリットは??
電気錠を導入することによるデメリットとして、
●電気がないと自動的に動かない
当然ですが停電時では動作しません。
しかし通常は鍵穴とサムターン(ツマミ)があるので手動でも施解錠できますし、最低限のバッテリーを搭載可能なものや停電時に施錠・解錠を選択できる商品もあります。
(病院では停電時に解錠、銀行では停電時に施錠、など)
●入る手段を全て無くすと入ることができなくなる
まずありえませんが、入るために必要なもの(磁気カードや暗証番号等)が全て失われた場合、入ることは非常に困難になってしまいます。
●情報を奪われると侵入されてしまう
たとえばテンキー入力式で暗証番号が知られたり、非接触ICカードリーダーでカードが盗まれた場合などでは第三者の侵入を許しかねません。特に暗証番号は「見られた」「知られた」ということが非常にわかりにくいため、管理には特に注意する必要があります。(電気錠に限った話ではありませんが)
ただし古いカードを使えなくすることができますし、暗証番号も定期的に変更することで不正侵入を防止することができます。
●導入への敷居がやや高い
通常の鍵交換と違い電気や配線工事をする必要があります。
また「今日頼んで翌日設置完了」とはいきません。
●導入コストもやや高め
通常の錠前よりも導入コストが高いのも難点です。
ただし滅多に壊れる商品ではないので、製品寿命が長いということはメリットになります。
…等ですが、メリットのほうが多いことがわかるかと思います。
■単純に開け閉めしかできないの??
電気錠は「操作して開ける」のが基本動作ですが、大きく分けて3つの動作モードがあります。
●Aモード 閉扉自動施錠機能
扉が閉まると自動的に施錠するモードです。
解錠するときの動作により一回解錠連続解錠ができます。
■一回解錠
■電気錠が施錠中の場合
○操作表示器の一回解錠ボタンを押す  
設定した時間だけ電気錠が解錠される
○解錠された状態で、設定した時間内に扉を開けて再び閉める  
自動的に施錠
○一回解錠ボタンを押して扉を開けなかった  
設定した時間を過ぎると自動的に施錠される
○キー(子鍵)またはサムターンで解錠  
扉を開けて再び閉めると自動的に施錠される
○キー(子鍵)またはサムターンで解錠後、扉を開けなかった  
電気錠の動作は錠種によって異なる
○一回解錠ボタン、またはキー、サムターンで解錠後、扉を開けっぱなしにした  
設定された開扉時間後、警報が出る(設定による)
※一般的なイメージの「ボタンで開けて自動で閉まる」モードです。
■連続解錠
■電気錠が施錠中の場合
○操作表示器の連続解錠ボタンを押す  
電気錠は解錠されたままになる
■電気錠が解錠中の場合
○操作表示器の連続解錠ボタンを押す  
電気錠は施錠される
○キー(子鍵)またはサムターンで施錠  
施錠されず自動的に解錠になる
※大人数の移動や荷物の搬入時など一時的に扉を開放する必要がある場合のモードです。この状態では扉の開けっ放しによる警報は出ません。
●Bモード 施解錠繰り返し機能
電気錠を施錠と解錠を交互に繰り返して使うモードです。
■電気錠が施錠中の場合
○操作表示器の解錠ボタンを押す、またはキー、サムターンで解錠する  
電気錠は解錠される
■電気錠が解錠中の場合
○操作表示器の解錠ボタンを押す、またはキー、サムターンで施錠する  
電気錠は施錠される
※一般的な扉の鍵と同じようなモードです。子鍵・サムターンだけでなく操作表示器を使って施解錠できるという点がミソ。
●Eモード 施解錠繰り返し機能
Bモードと同様に施解錠繰り返しモードですが、電気的に解錠したときのみ閉扉後自動施錠するのが大きな違いです。
■電気錠が施錠中の場合
○操作表示器の押しボタンを押して解錠する  
設定した時間だけ電気錠が解錠される
○解錠された状態で、設定した時間内に扉を開けて再び閉める  
自動的に施錠される
○押しボタンを押して扉を開けなかった  
設定した時間を過ぎると自動的に施錠される
○キー、またはサムターンで解錠する  
電気錠は解錠されるが、扉を閉めても解錠のまま
■電気錠が解錠中の場合
○キー、またはサムターンで施錠する  
電気錠は施錠される
※AモードとBモードの折半という感じのモードです。
・通常の動作はAモードだが連続解錠はめったに使わない環境
・必要に応じて手動で連続解錠ができる(=扉を開けっ放しにする際は直接人が行う必要がある)
という、やや高めのセキュリティとして運用することができます。

■いちいちボタン押さなきゃダメなの??
■電気錠の構成
電気錠は大きく分けて、
●電気錠
●制御部
●操作部
の3つに分けられます。
というか、この3つが1セットになっていると考えていいでしょう。
●電気錠(→電気錠本体)
錠前本体で通常扉の中に設置されますが、枠側に取付するもの(電気ストライク等)、マグネット式のもの(電磁式)などバリエーションがあります。
外見からは通常の錠前と見分けがつかない場合がほとんどです。
(→電気錠の取付可能な扉)
電気錠の種類(一部)
●制御部(→電気錠制御盤)
電気錠と操作部を作動させる、いわば心臓部です。ここで施解錠の管理や電源供給を行っています。
BAN-BS1など制御盤に操作スイッチのある商品が大半です。(一部例外あり)
制御盤(操作盤)の種類
●操作部(→操作表示器)
施解錠するスイッチやテンキーなど、電気錠を動かすスイッチです。
単純に施錠・解錠を切り替えるものから連続解錠も可能なもの、テンキーで入力するもの、カードをかざすものなど種類は多様で、必要に応じて複数個接続することもできます。(→開け閉めの方法)
操作表示器の種類
■電気錠ってどの扉に付けられるの??
電気錠の取付け可能な扉の種類は、大きく分けると以下の通りです。
●開き戸
いわゆる「押して(引いて)開ける扉」で、ほとんどの電気錠が取付可能。
フラッシュドアだけでなく木製、アルミ製、鉄製ドアにも取付けられます。
(※)フラッシュドア:骨組の表面に合板などを貼って平らに仕上げたドア。
●引戸
横にスライドさせて開けるドアです。枠側や扉内部に取付可能な商品があります。
デッドボルト(かんぬき)を下(または上)に動かしてロックするものと、デッドボルトが鎌錠になっているタイプなどがあります。
●框扉(かまちとびら)
枠状になってガラスなどが嵌めこまれているドアです。
枠(かまち)の幅にもよりますが、扉内部もしくは枠側に取付可能です。
●その他
重量扉やエアタイト入り防音扉などにも適用できます。この場合はグレモン錠などの設置になります。
(※)グレモン錠:ハンドルを回すと扉の上下からロッドが出てくる錠前。工場やホールなど向け。
この他の種類にも取付け可能な扉は色々ありますよ。
■電気錠のある生活って??
電気錠がある生活と、そうではない生活のテストケースです。
●電気錠のあるご家庭
念願の一戸建てを手に入れたタカハシ夫さん。「便利ですから」と営業の人にプッシュされたこともあり電気錠も一緒に導入してみました。
玄関に電気錠とテンキー、カメラ付きインターフォンを、キッチン近くのリビングと寝室に操作ボタンとインターフォン用モニタをそれぞれ設置。
導入前のタカハシ奥さんは「鍵するだけなのに高すぎる、大げさだわ」とご機嫌ナナメでした。
思ったよりも便利かもとタカハシ奥さんが思い始めたのはすぐでした。
例えば来客時。確かに今までもインターフォンが鳴ったら訪問者を確認して話をすることはできましたが、相手がお客さんであれば玄関まで行ってスリッパを履いて、鍵を開ける必要がありました。防犯の事を考えると鍵を開けっぱなしにはしたくなかったからです。
ですが電気錠だと、学校が終わった息子&娘や友人、見知ったご近所さんが来たとわかればリビングからボタン一つで鍵を開けることができます。ドアを閉めてしまえば自動的に鍵がかかりますし、きちんと閉まっていなければ警報が鳴るようになっていますから閉め忘れもありません。もちろん必要であれば開けっ放しにすることもできます。
玄関までのお出迎えがなくなったので「ぐーたらになったなぁ」とタカハシ夫さんに冷やかされるほど、その便利さが当たり前になっていました。
また、「あら、玄関戸締まりしたかしら?」と思ったら操作ボタンを見るだけで済むようになりました。これは思いのほか便利で、鍵がちゃんとかかっているか、ドアが開けっ放しでないか、操作ボタンで確認できるようになったからです。特に就寝前に気づいた時は、寝室の操作ボタンを見れば済むという便利さ。
タカハシ夫さんが遅い時間に帰宅した時も寝室で鍵が開けられますし、度が過ぎた午前様の場合は酔っ払ってテンキー入力があやふやになるので、しばらく開けないというオシオキをすることもできます。
家に入るときも鍵をジャラジャラさせることなく、玄関横に取り付けたテンキーユニットで暗証番号を入力するだけで済みます。
「番号が知られるとちょっと怖いわね。それに汚れとかで推測されないかしら」と思いましたが、取り付けたテンキーユニットは暗証番号が自由に変更できる上、数字の表示される場所がランダムに変更されるタイプなので特定の場所に汚れが集中することはありません
番号さえ忘れなければ鍵を持たなくても外出可能。
ドアを閉じれば自動的に施錠されるので鍵のかけ忘れの心配もありません。
鍵を落とす心配もなくなり、ホームセキュリティーとも契約しているので防犯性能はぐっと向上しました。
その便利さにすっかり馴染んでしまったタカハシ奥さん、今はタカハシ夫さんよりも詳しくなっている様子です。
「知ってる? 今、スマートフォンで開け閉めできる鍵があるんだって…」
●電気錠のないご家庭
何かと鍵に縁のあるキタカジさん、ある日同僚から「電気錠」というものの存在を知りました。
電気で動く錠前? なんだか便利そうだな。
そう思って近くの鍵屋さんを訪れましたが、説明を聞くとそう簡単に設置できるものではないようです。
高い! 工事なんて大げさ! 普通の錠前でいいじゃん。
店先で散々ゴネたあと、やっぱりやめて帰ってしまいました。
仕事柄、たくさんの子鍵(合鍵)をぶら下げているキタカジさん。家について玄関を開けようと鍵をジャラジャラ探します。
なんでみんな同じような形なんだ。
ブツブツ文句を言いながら玄関に入ります。どうやら用途で印をつけたりキーホルダーを付けるという考えはないようです。
今日は家族全員お出かけしているのでキタカジさんは一人でお留守番です。結婚前は自炊生活が長かったキタカジさん、夕食は何を作ろうかと考えて天ぷらを揚げることにしました。
天ぷらってラクだよな、油に放り込んで焼くだけだし。
なんだか違うような気もしますが、自分の好きな食材を次々と放り込んでいきます。
そこに「ピンポーン♪」とチャイムが鳴ります。しばらく待っても入ってくる様子もなく、何度もチャイムが鳴るので家族ではないようです。
なんだよ、いま調子が上がってきたところだったのに。
ブツブツ文句を言いながら火を止め、玄関に向かいます。
相手は黒い猫の宅配便でした。そういえば通販で色々購入していたことを思い出したキタカジさん、待っていた荷物の到着に上機嫌です。
さて天ぷら再開するか。
再び点火しテキパキと天ぷらを揚げてゆくキタカジさん。
そこに「ピンポーン♪」とチャイムが鳴ります。しばらく待っても入ってくる様子もなく、何度もチャイムが鳴るので家族ではないようです。
なんだよ、また調子が上がってたところだったのに。
ブツブツ文句を言いながら火を止め、玄関に向かいます。
相手はポストの宅配便でした。そういえば通販で色々購入していたことを思い出したキタカジさん、待っていた荷物の到着に上機嫌です。
さて天ぷら天ぷら。
再び点火しテキパキと天ぷらを揚げてゆくキタカジさん。
みたび「ピンポーン♪」とチャイムが鳴ります。しばらく待っても入ってくる様子もなく、何度もチャイムが鳴るので家族ではないようです。
なんだよ、いい加減にしろよ。
ブツブツ文句を言いながら玄関に向かいます。
相手は青い制服の宅配便でした。そういえば通販で色々購入していたことを思い出したキタカジさん、さて自分はどれだけ買い物をしたんだろうか? とちょっと不安になります。
「これは代金引換ですねー」
にこやかにそう言われて慌てて財布を取りに行きます。あいにく一万円札しかなかったのでお釣りをもらうときにちょっと世間話。
「ありがとうございました〜」とにこやかに配達員が帰って、さぁやっと天ぷらの続きができる。そう考えたキタカジさん、ふと気が付きました。
オレ、天ぷらの火、止めたっけ?
慌てて台所にゆくと天ぷら鍋から真っ白な煙が! 換気扇も間に合わず台所はもちろんリビングも真っ白になりつつあります。
おいおいおいおいおいおい。
慌てて火を止めて、なんとか失火することだけは避けられた様子。
でも中に入れておいた具材は真っ黒け。おまけに部屋中油の匂いと油汚れで悲惨なことに…。
なんで台所と玄関が離れてるんじゃーっ!!
■以降、追加予定...