シューツリー（シューキーパー）とは、革靴の型崩れを防止する木製のキーパー。
革靴を美しい状態で長く履くためには欠かせないアイテムです。
しかし、様々な種類がある中でどのタイプを選べばいいのかわからない・・・
そんな方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、シューキーパーの種類ごとの特徴から選び方まで詳しくご紹介します。
目次
↓フィッティングレビューをまとめたページはこちら！↓
そもそもシューキーパーを使う必要とは？
�〃進�れを防ぐ
革には「濡れると伸び、乾くと縮む」という特性があります。 一日に足に汗をかく量はコップ一杯分とも言われ、 汗を革靴が吸収すると、革が水分を含んで柔らかくなり、伸びやすくなります。 なので、履いているうちに、靴の横幅が伸びたり、反り返ってきたり、と靴はいびつに変形します。 しかも、乾燥すると革は縮むので、シューキーパーをいれずに、履き終わったまま放置すると、 乾燥収縮が好き勝手な方向で起こるので、ますます靴の形は変形し、型崩れの原因となります。
履き終わった靴に、シューキーパーを装着しておけば、その型に沿って革を縮ませる事ができ、 反りもまっすぐに直せるので、靴本来の美しい型が保てます。 また、木製キーパーは、水分吸収にも優れ、靴の中の湿気を取り除く効果もあります。
ポイント!
シューツリーをいれずに放置すれば、どんどん靴の型はくずれていきます。 保管時には必ずシューツリーを入れ、靴の変形を防ぎましょう！
�△�手入れの効果を引き出す
履きシワが入った状態で靴クリームを塗ると、シワ部分にブラシが届かず、栄養がいき渡りません。
お手入れの際もシューキーパーを入れてシワを伸ばし、クリームがしっかりと靴全体に馴染むようにしましょう。
細部まで保湿ができるので、革の乾燥/ひび割れを防げます。
ポイント!
シワが伸びきることで細かな箇所までしっかりとブラッシングでき、靴クリームの効果を最大限引き出します。
シューキーパーの選び方
様々なシューキーパーがある中でどれを選ぶべきか悩みがち・・・ 今回は5つのポイントにわけてご紹介していきます。
�〜悩爐覗�ぶ
シューキーパーで使われる素材は、大きくわけてプラスチック製と木製の2つがあります。 一般的には木製が多く、その中でも使用する木材によって機能性が変わります。
 プラスチック製 |
 木製 |
|
|---|---|---|
価格 |
千円前後 |
2千〜1万円以上 |
吸湿性 |
× |
○ |
シワ伸ばし効果 |
△ |
○ |
重量 |
軽い |
重い |
使用に適した靴 |
スニーカー向け |
革靴向け |
キーパーの素材による特徴の違い
プラスチック製
主にスニーカー用としてスポーツメーカーが販売しています。
非常に軽量のため、出張などの持ち運びに最適です。
吸湿性はないので、長期保管のキーパーとしては向いていません。
木製
吸湿性に優れ、消臭効果も期待できる素材です。
長期保管用として優れた革靴向けのキーパーです。
また、木製には様々な種類があります。
それぞれの特徴を理解し、使用に適した素材をお選びください。
木材の種類による特徴の違い
シダー（主に米国杉）
心地よい独特の芳香が特徴です。
吸湿性が高く、シダーウッドオイルの抗菌・防臭効果があります。
主に中国製の低価格帯シューキーパーに使われます。
バーチ（カバ）
木目など、素材の良し悪しが出やすく、選ぶ際は注意が必要です。
木材の中では低コストな素材なので、主に中国製の低価格帯シューキーパーに使われます。
ビーチ（ブナ）
木目が美しく、表面が滑らかで高級感があります。
耐久性に優れ、長い期間愛用できます。
ヨーロッパ製の中〜高価格帯のシューキーパーに使われます。
ライム
シューキーパーの素材の中では、最高級とされる。非常に軽い木材。節がほとんどなく滑らかな表面が特徴です。
吸湿性にも優れています。
ヨーロッパ製の高級シューキーパーに使われます。
��形(タイプ)で選ぶ
シューキーパーには大きくわけて
1.フリータイプ、2.イージータイプ、3.フルスペックタイプの3つの種類があります。
各タイプの特徴を理解して適正なシューキーパーを選びましょう。
 フリータイプ |
 イージータイプ |
 フルスペック |
|
|---|---|---|---|
キーパーの価格 |
千円前後 |
2千〜4千円 |
3千〜1万円以上 |
長期保管 |
× |
△ |
○ |
重量 |
軽い |
軽い |
重い |
サイズ展開 |
1サイズ |
2〜4サイズ |
5サイズ以上 |
こんな人にオススメ |
初心者 |
初心者〜中級者 |
中〜上級者 |
1.フリータイプ
特徴
フリーサイズなのでどんな靴サイズにも対応可能。
バネ部分を曲げて装着し、アッパーにテンションがかかることでシワを伸ばします。
軽量なためお手入れ時のキーパーや、出張などの移動の際に便利です。
テンションがかかり続けると靴の全長が伸びてしまうため、長期保管には向いていません。
2.イージータイプ
特徴
S/M/Lなど、サイズ展開が限られているため、比較的サイズ選びがしやすいです。
価格もお手頃なので、入門用のキーパーとしてぴったりです。
汎用性が高い木型なので様々な靴に応用もできます。
その反面、フルスペックタイプのようにぴったりフィットさせることは難しいため、ある程度の許容が必要です。
3.フルスペックタイプ
特徴
サイズ展開が1cm刻みのものが多く、豊富なサイズ展開が特徴です。
靴との相性が合えば、型崩れ防止、シワ伸ばし効果を最大発揮でき、長期保管に最も適しています。
適切なサイズ選びが必要な点や、価格が1万円以上の高級シューツリーもあり、中〜上級者向けのキーパーです。
��生産地で選ぶ
シューキーパーは大きくわけて、中国製とヨーロッパ製に生産地がわかれます。
中国製
お手頃価格なものが多い反面、工場によってはクオリティに大きく差が出ます。
靴の知識がないメーカーや工場で生産されているものが多く、木型が粗末で仕上げも粗いものが多いので注意が必要です。
一方で、靴のノウハウが豊富なメーカーと協力し、木型にこだわって高品質なキーパーを生産している工場もあります。
ヨーロッパ製
価格は1万円以上からと高価ですが、仕上げも美しく、機能性にも優れています。
作業工程が細かく、職人が仕上げることで、細部までこだわった作り込みや、純正シューツリーのような、ぴったりと合うフィッティング感を誇ります。
�しい硫然覆箸離丱薀鵐垢覗�ぶ
シューキーパーには千円前後〜1万円以上と様々な価格の商品があります。 その中で一つの判断基準とすべきは「シューキーパーを入れようとしている靴の、10％〜25％くらいの価格のものを選ぶ」です。
例えば
・1万円の靴なら、1,000〜2,000円程度
・5万円前後の靴なら、5,000〜10,000円程度
・10万円以上の靴なら、1万円以上
上記のように靴の価格に応じてシューキーパーを選ぶと、 結果的に、靴とシューキーパーのクオリティのバランスがとれます。
�ズ拮瑤琉磴い覗�ぶ
仕上げの違い
素仕上げ
素材そのものの良さを活かし、吸湿性に最も優れた仕上げです。ツヤ感はないため、高級感には欠けます。
使用状況によっては、割れ・欠け、汚れの付着、経年によって変色することがあります。
ニス仕上げ
独特のツヤがあり汚れの付着や割れ・欠けが起こりにくい仕上げです。
表面がコーティングされているため滑らかで、出し入れがスムーズです。
吸湿性はほとんど望めません。
ワックス仕上げ
吸湿性を損なわず、変色も少ない仕上げです。
上品なツヤで高級感も味わえます。
滑りがよく、スムーズな装着が可能です。
バネ式とネジ式の違い
バネ式
バネ式の中には、バネを折り曲げる「�＼泙蟠覆殴織ぅ廖廚函▲船紂璽屬離謄鵐轡腑鵑妊轡錣鮨�ばす「�▲船紂璽屮織ぅ廖廚�2種類あります。
�＼泙蟠覆殴織ぅ�
簡易的なフリーサイズで、バネをへの字に曲がることで、 さまざまなサイズの靴に対応できます。
�▲船紂璽屮織ぅ�
前後にしっかりとテンションがかけることで履きシワを伸ばし、 履き口の潰れも修正します。
ネジ式
バネ式と異なり、好みのサイズ感に調整して固定することが可能です。
靴に余計なテンションをかけないので、柔らかいスリッポンやローファーのほかマッケイ製法やセメント製法の靴にもおすすめです。
スプリットとプレーンタイプの違い
スプリットタイプ
左右のテンションがかかりやすく、甲幅がフィットしやすいタイプです。
モデルによっては、ネジで幅を調整してお好みのサイズ感に変更できるものもあります。
プレーンタイプ
余計なテンションがかからず、靴のフォルムにぴったり合わせることができます。
フィッティングのチェックの仕方
フィッティングする際にチェックすべきポイントは4つ！ このポイントを参考に靴との相性を確認しましょう。
�…垢�
靴に対して、シューキーパーがきつすぎないか、またはゆるすぎないかをチェックします。 適度にテンションがかかっている状態がベストです。 バネが伸びきった状態では、しわを伸ばすことはできません。 逆にきつ過ぎる状態は過剰にテンションがかかり、革が伸びてしまう原因になります。
��甲の高さ
履きシワが入る甲部分の高さが合っているか、触って確認しましょう。 触ったときに凹まず隙間がない状態が望ましいです。 触ったときにペコペコと凹む状態では隙間があるため、高さが合っていません。 高さが合っていないとシワが伸びず、履きシワの改善ができません。
�９辰良�
甲の幅がピッタリと合っているのがベストな状態です。 ただし、足長と甲の高さが合っていれば、多少ゆとりがあってもシワはしっかり伸びます。 一方、横幅がパンパンに張った状態では負荷がかかり過ぎるのでNGです。
�い�かと
かかと部分に沿ってぴったりフィットしていることがベストです。 わずかにゆとりがあっても、シューキーパーの長さがきつくなければOKです。 大きく隙間が空いている場合はシューキーパーが合っていません。 また、サイズが大きすぎたりきつい場合はかかとの形が崩れる原因になります。
重要なのは【靴とシューキーパーの相性】です。 ブランドや製品により靴の木型は異なるため、4つのポイントを参考に靴に合ったシューキーパーを選びましょう。
靴のラスト(木型)に合わせた、オススメのシューキーパーブランドのご紹介
ヨーロッパ製高級靴の特徴
ヨーロッパ製高級靴のラストは、つま先から甲の中間までは低く、その後トップにかけてグッと急に反り上がるグラマラスな木型が特徴です。 安価なシューキーパーでは木型が粗くボリュームも大き過ぎるため、ヨーロッパ製のラストには不向きです。
Dasco（英）、LA CORDONNERIE ANGLAISE（仏）は、シューキーパーの2大高級ブランドとして知られていて、 数々の高級靴ブランドの純正シューツリーを生産しており、最高級靴のラストを熟知しています。 厳選された木材のみを使用し、熟練の職人により生み出される美しい曲線の仕上げなど、クオリティの高さは一級品です。
DASCO（ダスコ）
DUNKELMAN＆SON（英）
1946年創業の英国を代表するシューケア用品ブランド。 靴産業の聖地と名高いノーザンプトンに本拠を構え、 多くの英国名門靴ブランドの純正シューツリーを 手掛けています。
LA CORDONNERIE ANGLAISE（コルドヌリ・アングレーズ）
Perfecta（仏）
1885年創業のフランスの伝統的シューキーパーブランド。 品質の高さと卓越したノウハウにより、世界中の高級靴メーカーや 一流ブランド靴の木型(LAST)を生産しています。
日本製靴の特徴
REGALやSCOTCH GRAIN、madrasなど日本製靴ブランドのラストは甲の高さがあり、全体的にもぽってりしたボリュームがあるのが特徴です。 このようなラストには、しっかりとボリューム感があるモデルがおすすめです。
特にスレイプニルのトラディショナルモデルは、しっかりとボリュームがあり日本製の靴にぴったりです。 またALDENなどカカトが大きいアメリカ製の靴のほか、Paraboots 【CHAMBORD】、Jalan Sriwijaya 【EDWARD】など、 ぽってりとしたフォルムのボリューム感がある靴にも最適です。
Sleipnir（スレイプニル）
中国生産（日本規格）
SAPHIRなどの一流レザーケアブランドの日本代理店「株式会社ルボウ」のオリジナルブランド。 培ったノウハウを活かし生産管理をすることで、中国生産ならではのリーズナブルな価格、かつ、高品質なものづくりを実現しました。 一般的な中国製とは異なり、日本国内のマーケットに向けて「確かな品質」、「コストパフォーマンスの高さ」を追求したオリジナル商品を開発しています。
ベストセラーのトラディショナルモデルの他、ドレスライクなロングノーズに最適なヨーロピアンモデルや、 イージーサイズで様々な靴に合わせやすいスタンダードモデル、お手頃価格のフリーサイズタイプまで取り揃えています。
みんなのフィッティングレビュー
靴ブランドとシューツリーのフィッティングデータを集めたデータベースを作りました！
靴ブランド名や型番から最適なシューキーパーを検索できます。あなたの靴にぴったりのシューキーパーを見つけましょう！