仕入担当コータローが行く!
ピカイチ野菜くん生産者取材記
2021年8月 人参の産地 茨城県 飯島さん
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今回はピカイチ野菜くんでお届けしている人参の産地、茨城県にある飯島さんの圃場へお伺いし、仕入担当コータローがお話を伺いました。
※今回の取材では、マスクをして距離を取り、感染症対策をしっかりと行い取材をさせていただいております。
※掲載の内容は2021年8月時点のものです。
飯島さんの圃場について
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コータロー -
人参の圃場面積と収穫量はどのくらいですか?
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飯島さん -
有機の人参については3町歩(300a)ぐらい、収穫量はだいたい90トン位になります。
※1町歩=3000坪
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コータロー -
圃場は何人で管理していますか?
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飯島さん -
わたしを含めて家族3人で管理しています。あとパートさん4人で7人で作業をしています。
ニンジンの収穫期は短期のパートさんにも手伝ってもらっています。
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コータロー -
飯島さんの野菜の生産量の内、人参の比率はどのくらいありますか?
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飯島さん -
有機の人参はだいたい60%ぐらいになります。
夏場は慣行栽培で人参を少し作ったりしています。
※ピカイチ野菜くんで取り扱っている人参には慣行栽培ものは一切入っておりません。
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コータロー -
人参比率多いですね。ちなみに、他にどんな野菜を栽培していますか?
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飯島さん -
有機で作っているのは人参の他に玉ねぎ。人参と玉ねぎが柱ですね。
前はトウモロコシやっていましたが、トウモロコシをやめて慣行栽培のエシャレットに移りました。
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コータロー -
それ以外は有機栽培の作物なんですね。
圃場の管理について
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コータロー -
広い圃場の除草作業や畑の管理はどうされていますか?
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飯島さん -
人参栽培では透明なマルチを引いて太陽の熱で雑草の種を焼いています。
太陽熱マルチですね。圃場の外周は草刈り機で刈ってます。
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コータロー -
太陽光ってどのくらいやるんですか?
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飯島さん -
2.3週間ぐらいですね。
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コータロー -
そうすると、天候が大事ですね。
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飯島さん -
そうですね。あんまり乾燥していると効かないので少し水分持った時にやります。
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コータロー -
毎日こう天気のチェックをするんですね。
大変ですよね、マルチを張ってまた剥がすんですよね。剥がしたマルチは使えるんですか?。
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飯島さん -
いいえ、使えないです。処分します。
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コータロー -
資材代が掛かってしまいますね。
それだけ草を事前に処理するのが重要ということですよね。
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飯島さん -
手での除草作業だと間に合わなくなっちゃうんで。
収穫の作業について
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コータロー -
収穫はどのようにやっているんですか?
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飯島さん -
収穫は人参専用の収穫機でやっています。
お米のコンバインみたいなのがあるのでそれを使って収穫しています。
キャロベスターと言うんですが、結構だれでも乗れますよ(笑)。
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コータロー -
そうですか?見ていると技術が必要そうですが。
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飯島さん -
いやいや、全然。あの機械は便利ですね。
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コータロー -
3月ぐらいは手掘りって言ってましたよね。
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飯島さん -
3月は葉っぱをひっぱっても人参がついてこないので、もう完全に手掘りですね。
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コータロー -
それは3月になると、人参の葉が枯れてくるからということですか?
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飯島さん -
霜が降りるので、凍ったり溶けたりしているとどうしても弱ってきます。
土も固くなります。一応崩しながらやるんですけど、それでも人参がついてこなくなりますね。-
コータロー -
じゃあ、その時期は大変ですね。
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飯島さん -
そうなんですよ。手掘りは進まなくて大変。たまの霜が少ない年は最後まで機械掘りができるのでうれしいです。
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コータロー -
3月はまだ収穫している時期なんですね。
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飯島さん -
3月はまだ収穫しています。11月~3月中旬ぐらい最後の収穫になりますね。
圃場の特徴について
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コータロー -
茨城県というか飯島さんの圃場の特徴はなんでしょうか?
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飯島さん -
私の圃場は関東平野に広く分布している黒ボク土です。
ほんとうに普通の土質ですね。それに堆肥や有機質の発酵肥料、苦土石灰などを肥料として使用しています。適している点はつくば市は12月~3月にかけて霜が降りるので、人参自信が凍らないように身を守るために糖度を上げるので、どんどん甘くなっていく点ですね。
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コータロー -
毎年味がいいですよね。あときれいな人参が多い気がします。
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飯島さん -
それは年に1度しか作らず、緑肥を入れているので肌がきれいな人参ができていますね。フザリウム菌などに対応できるような緑肥を選んで入れています。
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コータロー -
緑肥の種類はなんですか?
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飯島さん -
麦系です。お店の人も言えないような長い名前の緑肥です(笑)
緑肥は必須ですね。
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コータロー -
1作でそれ以外は緑肥で管理されているんですか?
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飯島さん -
そうですね。だから春に緑肥を播いて、5月に育った緑肥をチップにしてトラクターですき込みます。緑肥をやらないとフザリウム菌のような肌を攻撃してくる菌が出てくると思うので。
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コータロー -
ここの地域は緑肥を使う人多いんですか?
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飯島さん -
いえ、多くないですよ。
あと、緑肥の前に堆肥を入れて緑肥に栄養を吸わせます。堆肥をいきなり人参に吸わせるのではなくて、堆肥と発酵肥料を緑肥に吸わせ分解させます。人参にいきなり吸わせるのは石灰のみです。
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コータロー -
ちなみに発酵肥料ってどんなものですか?前は何種類か混ぜてましたよね。
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飯島さん -
そうですね。前は混ぜていたんですが、今は量的に混ぜ切らなくて無理なので骨粉ベースの発酵肥料を使用しています。リン酸肥料。どうしても堆肥を毎回使用すると、窒素リン酸カリのカリウムが過剰になってくるんですね。発酵肥料を入れて土のバランスを整えています。
農薬・化学肥料不使用栽培の人参について
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コータロー -
農薬・化学肥料不使用栽培の人参を育てるきっかけは何でしょうか?
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飯島さん -
私自体は兼業農家の長男でサラリーマンをしながら家庭菜園をしていました。
家庭菜園の農業がすごく楽しくなって専業農家になりました。その中でも有機栽培の魅力、奥深さを感じましした。有機栽培だと敵地適作とよく言われます。敵地適作を考えると人参がすごく合う。また、慣行の人参と有機栽培の人参の味は全然違います。同じような場所で栽培しても、有機栽培の人参の方が断然甘くなります。
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コータロー -
苦労されている点ややりがいはなんですか?
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飯島さん -
人参栽培は1年に1作なので1回しか収穫しないんです。だから効率が凄く悪いです。
あとは、除草剤や農薬を使わないために緑肥を栽培して土壌のフザリウム菌を減らしたり、太陽マルチで雑草が生えないようにしたり、春先から真夏の一番暑い季節にやる作業がすごく多くなりました。手間がかかる点が大変です。でも、おいしい人参ができるので出来てしまえば大変だったことも忘れて来季の作づけを考えています。結果、楽しいです。やりがいはおいしい良い人参が出来たときが嬉しいです。
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コータロー -
飯島さんの人参は格段に味がいいです。農法の話を聞いてなるほど、だからおいしいと感じました。年に2作はできないですか?
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飯島さん -
そうですね…。忙しくなるというか土の管理が間に合わなくなってしまうんですよね。
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コータロー -
有機栽培の圃場を増やす理由はなんですか?
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飯島さん -
有機人参は加工用だったりスーパーでの販売でしたりと需要がすごくあるので、供給量を確保すべく栽培面積を増やしています。
飯島さんからのメッセージ
お問合せなどございましたら、下記フリーダイヤル・LINE・メールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
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